コペンはダイハツのオープンカー型軽自動車。「10thアニバーサリーエディション」は初代・L880K型の終盤に設定された最後の特別仕様車である。
出典:ガリバー
初代 ダイハツ・コペンとは?
2002年6月登場の初代コペン。コンセプトは「ACTIVE TOP COMPACT OPEN」で、誰もが気軽に楽しめる本格的オープン・スポーツカーとして開発された。
独特の丸みを帯びたフォルムに丸目ヘッドライト、丸目コンビランプなど愛嬌ある外観に、ダイハツ伝統の4気筒DOHCツインスクロールターボエンジンを搭載。
見た目とは裏腹に走りもそこそこしっかりしておりかつての平成ABCトリオに代わる本格・軽スポーツとしてファンを増やしていった。
なんといっても特徴は、そのフォルム。軽自動車の用途からどうしても室内空間の確保に重点をおくが、この車は完璧なデザイン重視。
座席は完全なツーシーターで長いボンネット、さらには電電動油圧ポンプの開閉式ルーフを装備する本物のオープンスポーツカーである。
主な装備は上述の4気筒ターボエンジンのほか、
- 専用サスペンション
- 油圧機構による電動開閉式ルーフ
- プロジェクター式ハロゲンヘッドライト(ロービーム)
- フォグランプ
- アルミホイール
- 専用スポーツシート(ファブリックタイプもしくはオプション設定の本革製)
など走りに特化させた装備で足車やスペース優先のモデル(ミライースやムーヴ、タントなど)とは180度異なる趣味性の高いモデルとなっている。
さらにコペンはダイハツのエキスパートセンター(大阪府 本社(池田)工場内)で生産し、熟練工による最終調整が施されプレミアム感も高いモデルである。
初代コペン・10thアニバーサリーエディションとは?特別装備とノーマルとの違い
そのコペンは2012年に初登場からおよそ10年が経過。軽オープンで2シーターという趣味性の高いパッケーングながら異例のロングセラーとなっていたが2012年8月にはついに生産終了となった。
この10年間のユーザーに対する感謝とご愛顧を込め、10週年を記念する特別仕様車が2012年4月に設定された。それがこの「10th アニバーサリーエディション」である。
出典:ガリバー
10thアニバーサリーエディションではベースモデルを電動オープン仕様の「アクティブトップ」。
これに専用の「アルミスカッフプレートカバー(シリアルナンバーと10thアニバーサリーロゴ入り)」を特別装備。
これ以外では
- アルティメットエディションⅡ用の「ブラックメッキフロントグリル」
- 「本革製スポーツシート(ブラック+レッドスティチ入り)」
- 「BBS製15インチアルミホイール」
- 「メッキインナーハンドル」
- 「メッキパーキングブレーキボタン」
などを標準装備しつつもお買い得な新車価格とした特別装備となっている。
初代コペン(L880L型)の中古価格が上昇(高騰)?・アメリカ輸出解禁も視野か
初代コペンは軽自動車でありながら、電動格納式のルーフを備える軽オープン・スポーツカーである。FFであるものの現行の軽自動車では完全消滅した直列4気筒DOHCツインスクロールターボのJB-DET型を搭載し、5MTの設定も相まってチューニングベースとしても人気のエンジンを搭載する。
コペンは2代目が登場している関係で初代の中古は安いかと思いきや、上記の4気筒エンジンや丸目ボディに丸みを帯びたボディスタイルなど現行にはない個性や魅力があり、今なお中古車としても人気のモデルである。
出典:ダイハツ認定中古車
特に2027年にはアメリカの25年ルールによる輸出解禁で初代コペンの初期モデルがアメリカ輸出が可能となる。
現在、アメリカでは一部マニアに軽スポーツカーABCトリオのカプチーノやビート、AZ-1が大人気となっており、日本の中古価格も引っ張られるように少しずつ値上がりしている。
カプチーノのはこれら御三家に無い4気筒エンジンを搭載し、チューニングも可能でかつ電動格納式オープンカーともなれば軽自動車ABCトリオの人気から見て、アメリカで人気が出ない理由が無いのである。
いずれ初代コペンは現在の価格よりも上昇し、アメリカ輸出解禁となる2027年頃までにはさらに中古価格が上昇するものと予測する。
初代コペン・10thアニバーサリーエディションのエクステリア(外装)
出典:ダイハツ認定中古車
フロントデザイン。アルティメットエディションⅡで採用された「ダークメッキフロントグリル」を標準装備。スポーティさと精悍さを兼ね備えた特別なグリルでフロントが引き締まって見える。
ヘッドライトは標準でロービームがプロジェクター&ディスチャージ式。ハイビームがハロゲンのハイロー独立の4灯式ヘッドライトを採用。
ロービームとハイビームが独立することにより、H4バルブのようなハイビーム切り替え式に見られる照射範囲が狭くなること無く、夜間でもハイビームが見やすい。
出典:ガリバー
サイドから。
出典:ガリバー
足元にはスポーティなコペンの特別仕様車(アルティメットエディション等)で標準装備となっていた「BBS製15インチアルミホイール(シルバー)」を装着。タイヤサイズは165/50R15。
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リア。テールランプは非クリアーのノーマルタイプ(写真のモデルはクリアーに交換)。リアに専用エンブレム等は無い。
エンジン・機能装備・安全装備など
出典:ガリバー
エンジンはJB-DET型4気筒DOHCツインスクロールターボ付きエンジン。
オプティのエアロダウンビークスにも使われていた高性能エンジンでノーマル状態でも150馬力までパワーアップに耐えられるというシロモノ。
最高出力は64ps(47kW)/6000rpm、最大トルクは11.2kg・m(110N・m)/3200rpmを発生する。この数字は歴代の軽自動車の中で最も高い。
また、本来80馬力程度あるエンジンなのだが、64馬力自主規制にあわせるためにあえて出力を抑えられたデチューンエンジンとなっている。そのため社外ECUなどに交換すると本来の姿を取り戻した楽しい4気筒ターボエンジンに変貌する。
トランスミッションは5MTまたはマニュアルモード付き4AT。駆動方式はFFのみとなる。
安全装備として運転席&助手席エアバッグ、EBD付きABSを標準装備する。
初代コペンのエンジンはダイハツから新品ASSYが供給されている
2023年9月現在、ダイハツからL880K型コペンに搭載されたJB-DET型エンジンがまるごとAssy新品で供給されている。
普通なら部品ごとに新品を取り寄せて、分解&オーバーホールとなるのが一般的だが、ダイハツからまるごと新品を購入できるとのこと。
Yahoo!ショッピングでは1基30万円ほどで販売されている。
初代コペン・10thアニバーサリーエディションのインテリア(内装)
出典:ガリバー
10thアニバーサリーエディションのインパネ。
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モモステはオプション設定。
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ウッドタイプのモモステ&センタークラスター&エアコンルーバー&シフトノブ選択時。
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スピードメーターもベースモデルと同じ。タコメーター、スピードメーターが独立したスポーティな3眼式メーター。
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フロントシートは10thアニバーサリー専用の本革製スポーツシート。ブラック表皮にレッドステッチ入り。他にも10thアニバーサリー仕様としてドアインナーハンドルはメッキタイプとした。
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ドアの部分には専用のアルミスカッフプレートが付く。10thアニバーサリーのロゴとシリアルナンバー入り。
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トランクルーム。このあたりはベースと同じで非常にせまい。
初代コペン・10thアニバーサリーエディションの評価
出典:ガリバー
初代コペンの10thアニバーサリーエディションは誕生10周年を記念する特別仕様車で、それまでの特別装備で人気のダークメッキグリルやBBSアルミ、本革製スポーツシートを標準装備としながらも4ATで180万円、5MTで182万円とお買い得な価格設定が魅力のモデルだった。
この手のコペンの特別仕様車というと200万前後が普通だったため、幾分買いやすいモデルであった。生産終了から2年後に2代目コペンが登場したが、最大の特徴だった4気筒エンジンが3気筒化されるなどそれぞれ好き好きがあると思うので、初代好きの人には魅力的なモデルといえる。
中古市場では初代コペンの価格が上昇しており、かつ特別仕様車ということもあり標準モデルよりは高めとなっている。
初代コペンの中では比較的高年式な点やあとからBBSホイールやブラックメッキグリルを後付する手間や費用を考えるとそこはトレードオフといったとろか。
今後値上がりが予想される初代コペン。その特別仕様車である10thアニバーサリーエディションも例外ではない。昨今の中古価格上昇で買いづらい部分もあるが、欲しい人は本格的に値上がる前の購入をオススメする。
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