ライフはホンダのワゴン型軽自動車。パステルは5代目に設定された派生グレードである。本稿では5代目のJC1およびJC2型パステルのターボモデル、「パステル ターボ」について扱う。
概要
2008年11月にフルモデルチェンジし5代目となったホンダ・ライフ。5代目ライフでは「デイリー・スマイル・テクノロジー」をコンセプトに生活の中で実感できる運転のしやすさと使い勝手の良さを追求した。
特に楽な運転を実現するために大きなウィンドウや細いピラーの採用による360度良好視界の採用や軽乗用車としては初となるバックモニター付きオーディオを廉価グレードを除いて全車標準。
また、「パステル」には駐車時の前後進を自動操舵とした進化型Hondaスマートパーキングアシストシステムをオプション設定するなど駐車時の利便性を向上させている。
それまではのライフはベーシックな可愛い外観の無印ライフとスポーティーなライフディーバの2本立てだったが5代目では新たらに「パステル」というグレードを設定。
無印ライフをよりベーシックなモデルとし、それまでの可愛らしい系のデザインをさらに際立たせたモデルとして「パステル」を誕生させた。
5代目ライフ パステルターボの特徴とパステルとの違い
パステルはベーシックなノーマルモデルとは異なり、自然吸気エンジンとターボエンジンの2種類を設定。
ライフのターボモデルといえば3代目はライフダンク。4代目以降はライフディーバというスポーティーモデルのみに設定されていたが、今回の5代目では非スポーティーモデルであるパステルにもターボモデルが設定された。
パステルターボではディーバターボと同じエアインテークダクト付きボンネットでターボ車らしい外観と、パステルの上品でエレガントなメッキグリル等が組み合わされ独特の顔つきが特徴だ。
また、上級グレードらしくアルミホイールも標準装備し、そこそこスポーティな外観となる。
ただしディーバのようなサイドスポイラーやタコメーター付きスピードメーターとはならず、標準ライフと同じ仕様で、内装はパステルと同じ落ち着きとオシャレ感の強い仕様となる。
そのためパステルとパステルターボの見た目の違いはヒーテッドドアミラーとターボ、アルミホイールの有無など。快適装備や機能装備では標準ライフよりも充実している。
エクステリア(外装)
フロントデザイン。ターボ用の装備としてはボンネット上のエアダクト。最近のモデルではグリル付近に開口部を設けるためエアダクト付きの車が少なくなっているが、パステルターボでは旧来のデザインとなっている。
パステルという可愛らしい顔つきに勇ましいエアダクトの組み合わせは非常に面白い。これ以外は自然吸気のパステルと同じ顔つき。ヘッドライトはマルチリフレクター式のディスチャージヘッドランプをオプション設定。
サイドから。パステルターボでは13インチアルミホイールを標準装備。さらにヒーテッドドアミラーも備わる。
リア。このあたりは自然吸気エンジンと同じで、エアロパーツ等は特に付かない。エンブレムも「TURBO」など専用の物はなく、後ろ姿からはどちらかは見分けが付かない。
社外や別の車のエンブレムを流用し「TURBO」とすると面白いかも。コンビランプはマルチリフレクタータイプだが、社外品がリリースされており交換も楽しめる。
エンジン・機能
エンジンはP07A型直線3気筒SOHC自然吸気エンジンと同インタークーラー付きターボエンジン。
最高出力は64ps(47kW)/6000rpm、最大トルクは9.5kg・m(93N・m)/4000rpm。
トランスミッションは4ATのみで、駆動方式はFFまたは4WDだ。CVTに比べると古い4ATだが、ホンダ独自のプロスマテックとロックアップ機構を用いてNAのFFモデルで19.6km/L(JC08モード)を達成。
安全装備としてパステルターボでは運転席&助手席エアバッグとEBD付きABSを標準装備する。
ライフパステルターボ JC1型とJC2型との違い
ライフパステルターボのJC1とJC2との違いは駆動方式。JC1は前輪を駆動するFFのパステルターボ。JC2はJC1をベースに全部のタイヤを駆動する4WDのパステルターボ。
ただし4WDに関してはジムニーやパジェロミニなどの本格軽SUVとは異なり、基本はFFで、前後の回転差が生じた時(滑った時など)に4WDとなるビスカスカップリングを用いたパッシブタイプのオンデマンド4WD方式。
パートタイム4WDのようなタイトブレーキング現象が発生せず街乗りでは扱いやすいが、その分本格的な悪路走行には向いていないのでその点は十分注意されたい。
インテリア(内装)
インパネ。このあたりはパステルと共通。ステアリングはウレタンステアリング。
スピードメーター。特徴のひとつであるデジタルとアナログのハイブリッドタイプ。ディーバターボでは表示を切り替えるとタコメーターも出せたが、パステルターボではタコメーター機能は無し。
エアコンはパステルではフルオートエアコンとなる。
フロントシートはベンチシートタイプ。
リアシート。
まとめ
5代目ライフのパステル・ターボはエレガントで特徴的な顔つきターボを搭載したちょっと変わったモデルである。
かつてのターボモデルの象徴であるエアダクトと可愛らしい顔つきの組み合わせが面白く、本来は女性向けモデルだったが、あえて男性が選んでみるのも面白いだろう。
スポーティーなDIVAでなく、エレガントなパステルという組み合わせは、女性ユーザーであってもターボによる動力性能を確保したいというニーズを狙ったものだ。ただ、パステル自体は短命におわり、およそ2年の生産期間であった。
中古市場ではパステル ターボは少し希少なモデルとなっている。ただ、プレミアム価格が付いているというわけでもないので、年式や走行距離の割に安価に購入可能だ。
中古モデルというこで最新の安全技術や低燃費の部分で不利だが、あまり見かけないであろう車種を選ぶというのも個性の主張としてアリではないだろうか。
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