ライフはホンダのワゴン型軽自動車。パステルは5代目に設定された派生グレードである。本稿では5代目のJC1およびJC2型について扱う。
概要
2008年11月にフルモデルチェンジし5代目となったホンダ・ライフ。5代目ライフでは「デイリー・スマイル・テクノロジー」をコンセプトに生活の中で実感できる運転のしやすさと使い勝手の良さを追求した。
特に楽な運転を実現するために大きなウィンドウや細いピラーの採用による360度良好視界の採用や軽乗用車としては初となるバックモニター付きオーディオを廉価グレードを除いて全車標準。
また、「パステル」には駐車時の前後進を自動操舵とした進化型Hondaスマートパーキングアシストシステムをオプション設定するなど駐車時の利便性を向上させている。
室内空間は4代目と比較して室内長が1805mmから2005mmに。室内幅は1275mmから1295mm。室内高は1285mmから1315mmとそれぞれ拡大し、大人4人がゆったりできる空間を確保。乗降性と運転視界を両立させた運転席着座位置を設定した。
さらにリアシートは快適性をアップさせるためサイズと厚みを拡大。それまでのライフに比べて後部座席がテコ入れされている。
メカニズムでは先代に引き続きP07A型の3気筒エンジンを採用。自然吸気エンジンのほか、スポーティーなディーバやカジュアル系のパステルではターボエンジンが設定される。
また、運転席には世界初となる運転席用i-SRSエアバッグシステムを全グレードで標準装備としフルモデルチェンジにふさわしい安全性能の向上を果たした。
モデル構成は、それまでノーマルとスポーティーなディーバの2本立てだったが、今回のモデルからノーマルタイプを「G」、スポーツタイプを先代と同じく「ディーバ」、そして上品でおしゃれな「パステル」の3本立てとした。
5代目ライフ パステルの特徴とノーマル&ディーバとの違い
パステルは5代目ライフで初登場となったグレード。ベーシックなノーマルモデルとは異なり、ファッション性を高めた上級グレードとしての位置づけ。エンジンは自然吸気エンジンとターボエンジンの2種類を設定。
ライフのターボモデルといえば3代目はライフダンク。4代目以降はライフディーバというスポーティーモデルのみに設定されていたが、今回の5代目では非スポーティーモデルであるパステルにもターボモデルが設定された。
この他パステルではヘッドライトやグリル、バンパーが専用品となり、内装もインパネやシート表皮がパステル専用のオシャレなタイプとなる。
なお、ターボモデルのパステルターボについてはこちらを参照。
エクステリア
フロントデザイン。先代のイメージを残しつつ、縦方向にヘッドライトを大きくしたことでよりカジュアルにかつ可愛らしさも表現した顔つきとなった。
ベーシックな無印ライフではヘッドライトがインナーブラック化されているので、キュート系のフロントデザインはこちらのパステルとなる。
ヘッドライトはマルチリフレクター式のディスチャージヘッドランプをオプション設定。
なお、スポーティーなライフディーバと同じくパステルにはターボモデルも設定されていた。外観はボンネットにエアインテークダクトが付くので見分けはすぐに分かるデザインとなっている。
ファニー系の顔つき+エアインテークダクトという組み合わせは珍しいので(女性向けの可愛らしい軽自動車にはターボが設定されないことが多いので)、マニアにはたまらないグレードだ。
サイドから。先代よりも全高がアップしたことで室内空間も広くなっている。足元は標準ライフと同じ13インチスチール+フルホイールキャップで、タイヤサイズは155/65R13。アルミホイールは非設定。
リア。コンビランプはウィンカー部とブレーキランプ部分がマルチリフレクター、バックランプ部分はレンズカットタイプとなっている。ただ、メッキパーツがあまり使われておらずキラキラ感が少しうすい。この点は社外テールランプで対応可能だ。
エンジン・機能
エンジンは3気筒のNAのみ。パステルとディーバにはターボ仕様が設定されたが、ベーシックなノーマルタイプでは自然吸気のみである。
P07A型酷烈3気筒SOHC自然吸気エンジンの最高出力は52ps(38kW)/6000rpm、最大トルクは6.4kg・m(63N・m)/4000rpm。
トランスミッションは4ATのみで駆動方式はFFまたは4WD。
安全装備として運転席エアバッグと助手席エアバッグを標準装備。EBD付きABSもパステルでは標準装備する。
5代目ライフ パステル JC1とJC2型との違い
5代目ライフパステルのJC1型とJC2型との違いは駆動方式。JC1はエンジンを前に配置し、前輪を駆動するFFの5代目ライフパステル。JC2はJC1をベースに全輪を駆動する4WDの5代目ライフパステル。
4WDのシステムには街乗りに最適なビスカスカップリングを用いたオンデマンド式の4WDが採用される。普段はFFで駆動し、滑りやすい路面になると自動的に4WDに切り替わるためジムニーやパジェロミニなどのパートタイム4WDに比べるととても扱いやすい特徴がある。
インテリア
インパネ。ベーシックな標準ライフと異なり、上級な位置づけとあってピアノブラックのセンターガーニッシュやインパネシフト付近にはシルバーガーニッシュが備わり、上級感がアップ。
スピードメーターは先代と同じくアナログ+デジタルインフォメーションパネルのハイブリッドタイプ。
エアコンはパステルではフルオートエアコンとなる。
フロントシートはセパレートタイプ。
リアシート。足元は広めだ。
ラゲッジルーム。
リアシートを倒した状態。リアシートのスライド機構は付いていない。ただ、その分リアの居住性を重点に置いている。
まとめ
ライフパステルは先代ライフの可愛らしさを受け継ぐ上級モデルの5代目ライフである。
同モデルのディーバはスポーティーに。無印ライフはベーシック感のみがあるので、可愛らしさでいうとこのパステルが一番である。
室内空間も先代より改善され、歴代ライフの可愛らしいイメージがある人にとっては絶好の選択肢となりえる1台だ。
中古価格的には年数経過や人気がNシリーズ(N-BOXやN-WGN)に移行した関係で走行距離や年式に割りに買いやすい。同年代のワゴンRやムーヴに比べると安価な部類に入る。
その一方で室内空間はNシリーズに若干劣るため広さを重視するユーザーはこの点を注意されたい。
ミッションも4ATのみで古い感じもするが中古の価格的なアドバンテージ、ダイハツのKF型エンジン搭載モデルのような不具合もほとんど無いので、安くて壊れにくい生活の足として魅力的なモデルである。
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