ライフはホンダのワゴン型軽自動車。本稿では5代目・JC1およびJC2の2010年11月マイナーチェンジ~2014年4月までを後期型とし、これを扱う。
出典:ホンダ認定中古車
5代目 ホンダ・ライフとは?
2008年11月にフルモデルチェンジし5代目となったホンダ・ライフ。
5代目ライフでは「デイリー・スマイル・テクノロジー」をコンセプトに生活の中で実感できる運転のしやすさと使い勝手の良さを追求した。
特に楽な運転を実現するために大きなウィンドウや細いピラーの採用による360度良好視界の採用や軽乗用車としては初となるバックモニター付きオーディオを廉価グレードを除いて全車標準。
「パステル」には駐車時の前後進を自動操舵とした進化型Hondaスマートパーキングアシストシステムをオプション設定するなど駐車時の利便性を向上させている。
室内空間は4代目と比較して室内長が1805mmから2005mmに。室内幅は1275mmから1295mm。室内高は1285mmから1315mmとそれぞれ拡大し、大人4人がゆったりできる空間を確保。
また、乗降性と運転視界を両立させた運転席着座位置を設定した。さらにリアシートは快適性をアップさせるためサイズと厚みを拡大。それまでのライフに比べて後部座席がテコ入れされている。
メカニズムでは先代に引き続きP07A型の3気筒エンジンを採用。自然吸気エンジンのほか、スポーティーなディーバやカジュアル系のパステルではターボエンジンが設定される。
運転席には世界初となる運転席用i-SRSエアバッグシステムを全グレードで標準装備としフルモデルチェンジにふさわしい安全性能の向上を果たした。
モデル構成は、それまでノーマルとスポーティーなディーバの2本立てだったが、今回のモデルからノーマルタイプを「G」、スポーツタイプを先代と同じく「ディーバ」。
そして上品でおしゃれな「パステル」の3本立てとした。
5代目・後期型ライフとは?改良点と前期との違い
その5代目ライフは2010年11月のマイナーチェンジでフロントデザインの変更を伴い後期型となった。
出典:ホンダ認定中古車
後期型ではベーシックグレード(Gグレード)でそれまでのディーバ用のフロントデザイン適用し、精悍さをアップ。さらにヘッドライトはプロジェクター式とすることでより視認性を向上させた。
出典:ホンダ認定中古車
さらに後期モデルではリアコンビランプをマルチリフレクター化し、スタイリッシュ感もアップさせた。
出典:ホンダ認定中古車
この他内装では上級Gグレードで独立したタコメーター付きの3眼式スピードメーターを採用し、シフトレバーにシルバー加飾をプラス。Gグレードでウォッシャー付リアワイパーとフロントシートアームレストも標準装備化。
メカニズムではスムーズな駐車を支援するHondaスマートパーキングアシストシステムの車速設定などの見直しで使いやすさを向上。
ボディカラーでは「アクアトパーズ・メタリック」と「ベリーレッド・メタリック」の2色を追加した。
このマイナーチェンジにより「パステル(PASTEL)」グレードを廃止。ターボ車もカスタムモデルのディーバ(DIVA)のみの設定となった。
後期型・5代目ライフのグレード C,G,Gスマートプラスの違いなど
5代目後期ライフのグレード展開は廉価グレード「C」、上級グレード「G」、上級+快適装備「Gスマートプラス」の3種類。これに特別仕様車が2種類設定されていた。
カスタムモデルのディーバはこちらから。
C
5代目後期ライフの廉価グレード。Gグレードよりも装備が簡素で、その分価格が抑えられた安いグレード。
Gグレードに比較して手動ドアミラー、樹脂タイプアウタードアハンドル、スチールホイールで簡素な外観が特徴。
快適装備は高熱線吸収/UVカット機能付プライバシーガラス(リアドア・リアクォーター・テールゲート)が非装備。キーレスエントリーは標準装備。安全装備のEDB付きABSはオプション設定だった。
ボディカラーは白、銀、黒の3色のみの設定。
2012年6月の一部改良でEBD付ABS、ホイールキャップ、高熱線吸収/UVカット機能付プライバシーガラス(リアドア・リアクォーター・テールゲート)が標準装備となった。
G
5代目後期ライフの上級グレード。
エクステリアでは
- カラード電動格納ミラー
- カラードアウタードアハンドル
- ホイールキャップ
- LEDハイマウントストップランプ
で見た目が良くなる。
インテリアでもタコメーター付き3眼式メーターやシフトレバーのシルバー加飾を採用。若干質感や実用性が高くなる。
快適装備は
- キーフリーシステム
- プッシュエンジンスタート
- セキュリティアラーム
- 高熱線吸収/UVカット機能付プライバシーガラス
(リアドア・リアクォーター・テールゲート) - ホイールキャップ
- チルトステアリング
- EDB付きABSを
標準装備する。ボディカラーはCグレードよりも多く、全9色を設定。
2012年6月の一部改良でスマートキーシステム、イモビライザー、セキュリティアラームが標準装備となった。
Gスマートプラス
Gグレードをベースに「スマートキーシステム」、「イモビライザー」、「オートエアコン」、「チルトステアリング」などの快適装備を追加したグレード。
G特別仕様車HIDスマートスペシャル
2011年8月設定の特別仕様車。Gグレードをベースにディスチャージヘッドランプなどの快適装備を与えてお買い得としたモデル。
出典:ホンダ認定中古車
HIDスマートスペシャルは外装にベースモデルとは異なるボディカラーと同色のカラードグリル、ディスチャージヘッドライト、ハーフシェイド・フロントウインドウを。
インテリアではフルオート・エアコンディショナー、アレルフリー高性能脱臭フィルター、シートバックポケットなどを与えつつベースモデルよりもわずか2万円アップに抑えたお買い得仕様車となっていた。
HIDスマートスペシャルについてはこちらから。
G特別仕様車 スマートスペシャル
2012年1月設定の特別仕様車。Cグレードをベースに快適装備を標準装備しつつ、価格を抑えたバリュープライスモデル。
出典:ホンダ認定中古車
外装では
- 高熱線吸収/UVカット機能付プライバシーガラス
(リアドア/リアクォーター/テールゲート) - フルホイールキャップ
- 専用カラードドアミラー
- ダークシルバー塗装フロントグリル
- リアピラーのドアサッシュブラックアウト
- 全面UVカット機能付ガラス
を標準装備。
内装では「バニティミラー付サンバイザー(運転席&助手席)」、「カラードアウタードアハンドル」を与え、安全機能としては電子制御制動力分配システム(EDB)付きABSを標準装備しつつ、ベースモデルよりもわずか2万5000円アップとした。
Cコンフォートスペシャルについてはこちらから。
エクステリア
出典:ホンダ認定中古車
フロントデザイン。5代目後期型最大の特徴はこのフロント。
前期タイプでは縦方向に大きなヘッドライトとファニーフェイスのような控えめのフロントグリルが印象的だったがこれを横方向にエッジを効かせたヘッドライトに大きめのグリル、さらにワンポイントでヘッドライトからグリルまで一直線のメッキラインに変更。
前期の可愛らしいイメージから一転、スポーティなデザインとなっている。ヘッドライトもハイ・ロー独立タイプとなりムーヴ・カスタムなどと同じ構成だ。
なお、ランプそのものはハロゲンタイプとなる(ディスチャージ式はディーバに標準装備)。
出典:ホンダ認定中古車
サイドから。ボディ形状は変更されていないがヘッドライトの変更によりボンネット上部までヘッドライトが伸びている。
2012年6月の一部改良で廉価グレードのCグレードは高熱線吸収/UVカット機能付プライバシーガラス(リアドア・リアクォーター・テールゲート)が標準装備。
GグレードはHondaスマートキーシステム、イモビライザー、セキュリティアラームが標準装備となった。
出典:ホンダ認定中古車
足元は13インチスチールホイール+フルホイールキャップ。タイヤサイズは155/65R13。Cグレードのみスチールホイールだったが、2012年6月一部改良でフルホイールキャップが標準装備化された。
なお、上級のGグレードではスマートキーシステムが付いている。
出典:ホンダ認定中古車
リア。後期型でコンビランプが変更されている。前期では丸型2つと斜め方向1つのデザインだったが、コンビランプに沿う形状へ変更された。なお、社外品もリリースされておりカスタムも楽しめる。
エンジン・機能装備・安全装備など
出典:ホンダ認定中古車
エンジンはP07A型直列3気筒SOHC自然吸気エンジンのみ。
最高出力は52ps(38kW)/7100rpm、最大トルクは6.1kg・m(60N・m)/3600rpm。
トランスミッションは4ATのみで駆動方式はFFまたは4WD。
Cグレードは後期型マイナーチェンジ当初はEDB(電子制御制動力分配システム)付きABSが非装備だったが、2012年6月の一部改良で標準装備化された。
5代目ライフ JC1とJC2との違い
JC1ライフとJC2ライフの違いは駆動方式にある。JC1はエンジンをボンネットに配置し、前輪を駆動するFFタイプのライフ。JC2はJC1をベースに前輪を駆動する4WDのライフ。
ライフの4WDにはこの手の軽自動車では一般的なパッシブタイプのオンデマンド式フルタイム4WDが採用されている。これはビスカスカップリングを用いたFFベースの4WDで、前輪との回転差が生じたときのみ4WDになる生活四躯と呼ばれるもの。
日常使いでは扱いやすく、ジムニーやパジェロミニが採用するパートタイム4WDのようなタイトブレーキング現象も生じないため、広く一般的に用いられるシステムである。
インテリア
出典:ホンダ認定中古車
インパネ。ベーシックなCと上級のGグレードでは内装のカラーに若干の変更点があり、上級のGではステアリングと操作パネル部分がベージュ&シルバー系。
出典:ホンダ認定中古車
ベーシックなCグレードでは黒系となっている。
出典:ホンダ認定中古車
スピードメーターにも違いがあり上級グレードではタコメータ付き(ディーバとは色違い)。
出典:ホンダ認定中古車
ベーシックグレードではシンプルなスピードメーターとなる。
出典:ホンダ認定中古車
フロントシートはベンチシートタイプ。
出典:ホンダ認定中古車
リア。足元は必要十分な広さといったところ。
出典:ホンダ認定中古車
ラゲッジルーム。
出典:ホンダ認定中古車
リアシートを倒した状態。
まとめ
5代目後期ライフの総評
5代目後期型のライフは前期や先代までとはまったく違うフロントフェイスが特徴の軽自動車だ。
これまでライフといえば女性向けのイメージが強かったが、ディーバとともにノーマルライフもシャキッとした顔つきとなった。これなら女性だけでなく男性でも日常の足車として選べそうなデザイン。
ただし、エンジンやトランスミッションが他社に比べると古いため(特にワゴンRやムーヴがCVTに対して未だに4AT)、燃費性能が今ひとつ良くない点に注意だ。
一方で中古価格的には年数経過やNシリーズ(N-BOX等)に人気が移行した関係で低走行の割に安価な個体がある。
後継モデルで人気のN-WGNが中古で高値であることを考えると(燃費性能は考慮する必要があるが)、価格的なアドバンテージは5代目後期ライフにある。
そこまで最新モデルにこだわりがなく、燃費性能にも目を潰れるなら安い5代目後期ライフは魅力的に見える1台かもしれない。
5代目ライフは中古価格が安く大きな故障も少なく中古屋に人気
5代目ライフは大きな故障が少なく価格も安価なため、低価格を主体とした中古屋に人気のモデル。
タマ数も比較的豊富にあり、オートオークションからの仕入れも容易。故障が少ないことから納車後のトラブルも少なく、保証で追加修理する心配も少ない。
ユーザー側も燃費こそNシリーズに劣るが、安くて室内空間も広くて使いやすく、中古価格が安い割に壊れづらいモデルとして認識しておくと良い。
価格に対する費用対効果がかなり高く、普段の足車として質実剛健なモデルといえる。
コメント