ミニカは三菱のハッチバック型軽自動車。「黒ミニカ」は8代目、H4○V系ミニカ(4ナンバー軽バン)に設定された特別仕様車である。
出典:Goo-net
8代目 三菱・ミニカとは?
1998年10月登場の8代目ミニカ。
8代目では7代目までのスポーツモデルを完全廃止し、合理的でコストを優先としたボディフォルムとなっているのが特徴である。
また丸みを帯びたボディ形状も曲線と直線を融合させたスタイリングに。先代で特徴的だったヘッドライトも丸目から異型台形に変更するなど、先代と比べて万人受けしやすい顔つきも印象的。
特にデビュー当初から8代目ミニカはライバルよりも一回り大きいボディサイズで、1998年の軽自動車新規格を有効的に使った設計が特徴であった。
エンジンは先代で採用されていた4A30型の4気筒エンジンを廃止。3気筒の3G83型エンジンのみをキャリーオーバーし小改良。最高出力とトルクを大幅上昇させ搭載した。
トランスミッションも先代同様に3AT、4AT、5MT、4MTの3種類を設定。ただし先代の2シーターや1シーター仕様は廃止となった。
8代目ミニカH42V/H47Vの改良、前期や後期型など
1999年10月の一部改良ではセダンでPg系グレード以上でフロントターンランプがクリアー化。
2000年11月にはマイナーチェンジ(後期型)でフロントデザインを変更。より親しみやすい顔つきに変化している。
2004年9月の一部改良では超低排出ガス認定にされたほか、ライラのFFモデルが5MT化された。
2005年5月の一部改良ではセダンの最上級グレードであるPjが廃止。これにより4AT仕様のミニカが消滅した。またこの時にセダン系はシート表皮が変更された。
2006年4月のマイナーチェンジではミニカバンのフロントデザインがセダンタイプと共通化。加えてバンもマルチリフレクターヘッドライトを採用した。また、スピードメーター内の液晶式トリップメーターも全車に標準装備となった。
2010年10月の一部改良ではエンジンのフリクション削減とともにFFの5MT仕様と4WDの3AT仕様車のパワステに省エネバルブを採用したことで燃費を向上。
また、「ナッティ」グレードのシート表皮をベージュ色のニット生地に変更。同じく「ナッティ」のオーディオをAM/FMラジオ(デジタル時計付、スピーカー内蔵)に変更。
「ライラ」ではシガーライターを標準装備する一方でライラの5ドアを廃止した。
8代目ミニカ特別仕様 黒ミニカとは?その特徴とノーマルとの違い
そのミニカはデビュー当初は先代同様に乗用モデルと商用モデル(バンタイプ)の2本構成だったが、軽自動車の売れ筋が旧来のセダン型からワゴン型へと遷移し、かつタントのようなスーパーハイトワゴンにも人気が移ってくるとミニカのような乗用モデルの需要が低下。
ライバルのスズキ・アルトやダイハツのミラはフルモデルチェンジや燃費向上によりデザイン性や低燃費でワゴンRやタントにはない優位性を見出してたが三菱のミニカではその間フルモデルチェンジが一切なく、ボディやメカニズム、インテリアは1998年10月フルモデルチェンジのままであった。
そしてモデル終盤の2009年10月。乗用モデルでも商用モデルでも設定がなかった「ブラックマイカ」色を専用色とする特別仕様車が登場した。それがこの「黒ミニカ」というモデルである。
「黒ミニカ」はバンタイプの「ライラ」をベースに純正色として設定がなかったブラックマイカを専用色とし、ダークグレーのフロントグリルを与え、スタイリッシュな外観に。
さらにタイヤを12インチから13インチに変更、バンタイプでは珍しくホイールカバーも標準装備。
快適装備としてAM/FMラジオを標準装備する軽バンの特別仕様車となっていた。
黒ミニカのエクステリア(外装)
フロントデザイン。ヘッドライトなど特に変更点は無いがグリルがダークシルバー色に塗られた専用品となり微妙に変化している。もともと8代目ミニカにはブラックカラーが無かっただけにかなり新鮮で、ベーシックでありながら精悍な顔つきとなっている。
サイドから。バンタイプをベースとしつつもタイヤサイズをノーマルの145/80 R12から155/70 R13へインチアップ。ホイールカバーも標準装備し、コストをできるだけかけずに見た目を良くしている。
リア。このあたりはノーマルと共通で特に変更点はない。2009年12月マイナーチェンジでハイマウントランプが標準装備された。
ピカピカのブラックカラーが眩しいミニカ。軽貨物にはもちろん、乗用グレードにも非設定の特別ボディカラー、「ブラックマイカメタリック」により一際存在感のあるミニカとなっている。
エンジン・機能装備・安全装備など
エンジンは3G83型直列3気筒SOHC12バルブの自然吸気エンジンのみ。トランスミッションは3ATのみで駆動方式はFFまたは4WDとなる。なおABSはオプション設定となっていた。
8代目ミニカ H42VとH47Vとの違い
H42VとH47Vの違いは駆動方式。H42VはFFモデルの8代目ミニカバン。H47Vは4WD仕様の8代目ミニカバンである。
なお、H42Sは同じ8代目ミニカでも乗用モデルのFF仕様。H47Sは8代目ミニカの乗用モデルの4WD仕様となる。
黒ミニカのインテリア(内装)
インパネ。商用モデルかつ設計が1998年あたりなので質素でベーシックなデザイン。
スピーカー内蔵型のAM/FM ラジオ(デジタル時計付)を標準装備。
ATのシフトノブ。設計が古いためこのあたりも見た目はいまいち。
フロントシートはセパレートタイプ。バンタイプがベースなのでヘッドレスト一体型の商用シートとなる。残念ながらパワーウインドウを装備せず純正では手回し式(パワーウインドウと集中ドアロックはオプション)。
リアシート。バンタイプなのでかなり簡素。足元はアルトバン(HA36V)のようにかなり狭く、実用性は低い。
ラゲッジルーム。バンタイプなのでラゲッジルームが広めにとられている。
リアシートを倒した状態。タントやスペーシアにはさすがに敵わないが実用十分な広さを確保しており、買い物グルマとして重宝する。
黒ミニカの評価
8代目ミニカの「黒ミニカ」はそれまでなかった「ブラックマイカ」を専用色とした特別仕様車である。
バンタイプがベースなので色々と質素な部分はあるが、ブラックカラーにより外観はノーマルよりも良くなっていて特別なミニカが欲しい人には嬉しい仕様となっている。
先代までのミニカにはブラックカラーが存在したが、8代目ではその設定がなくそういった意味でも特別仕様車としての存在価値があるかもしれない。
中古市場ではあまり人気が出なかったのかタマ数が極端に少なくレアなモデルとなってる。ただし、プレミアム価格は付いていないので見つけさえすれば手頃な1台だ。黒故に普段使いで汚れは気になる部分があるが特別な色のミニカは希少である。
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