ムーヴはダイハツのワゴン型軽自動車。「メモリアルエディション」はその特別仕様車である。4代目L175SおよびL185S系の前期型に設定されたメモリアルエディションを扱う。
概要
2006年10月にフルモデルチェンジし、4代目となったダイハツのムーブ。
それまでのイメージを大きく変更しエレガントなフロントデザイン、タマゴ型のワンモーションフォルムの採用、ホイールベース拡大による室内空間のアップ、新開発エンジンの採用など外観も内部もフルモデルチェンジに相応しい内容となった。
外観はそれまで初代から続いていたワゴン型のボディを一新。スズキの初代MRワゴンなどに見られるボンネットからフロントガラス、ルーフにかけて緩やかな曲線を持つワンモーションフォルムとなった。また、プラットホームを一新し室内空間を新設計としたことで当時の軽自動車としては最長となる2,110mm(2WD)の室内長を確保。また、室内幅も1,350mmとし3代目よりもさらに室内空間を広くした。
インテリアは3代目から劇的に質感が良くなったが、4代目でもこれを踏襲。加えてアーチシェイプインストルメントパネルと呼ばれる立体的かつ躍動感のあるインパネデザインや、ムーヴ史上初のセンターメーターを採用し明るく華やかな室内空間とした。
エンジンは新開発となるKF型エンジンを採用。これはエッセなどで先行していたEF型に替わる新世代エンジンで、低中速域のトルクと燃費性能を両立させたもの。これにグレード別でCVTを組み合わせ23.0km/L(10.5モード)を実現した。
安全装備としては車載カメラを用いた「車線逸脱警報機能」を軽自動車として初めて搭載。また、レーダークルーズコントロールをもグレード別に採用。このほかABSと横滑り防止装置、トラクションコントロールの3つを合わせたVSCの採用(※カスタムRSの2WD車にインテリジェントドライビングアシスト&セーフティパックとしてメーカーオプション)するなど3代目よりも順当に装備のレベルアップがなされている。
もちろんワンモーションフォルムを採用しつつも衝突安全ボディ、「TAF」の採用により55km/h、前面オフセット 64km/h、側面55km/h、後面55km/hの衝突実験においても優れた安全性を確保。現実の市場事故実態を考慮し、ダイハツ独自の目標を設定したクルマ対クルマの衝突実験(50km/h前面衝突、50km/h側面衝突)を実施し、十分な生存空間の確保と、高い乗員保護性能を実証している。
4代目・前期型ムーヴ(L175S/L185S)メモリアルエディションの特徴と違い
その4代目ムーヴに2007年8月。ダイハツの創立100周年記念を記念し、ユーザーへ感謝を込めた特別仕様車を設定した。それがこの「メモリアルエディション」というモデルである。
メモリアルエディションはこれ以外に同年代の4代目ムーヴカスタム、7代目ミラ、1ヶ月後の2007年8月には後期型・テリオスキッドカスタムにも設定され、魅力的な装備を充実させたうえでお買い得とした良心的な特別仕様車となっている。
4代目ムーヴのメモリアルエディションの外装では専用メッキグリル、ドアミラーウィンカー&リバース連動ドアミラー、キーフリーシステムを。
メカニズムではCVTの標準搭載。内装では高級感のあるムーヴカスタム用のブラック内装とタコメーター付きスピードメーター(自発光式メーター)を採用し、内外装やメカニズム面でベースモデルよりもアップグレードがなされている。
以下、詳細を解説する。
エクステリア
フロントデザイン。メモリアルエディション用として大型のメッキグリルを標準装備。エレガントなヘッドライトとボディフォルムに精悍さを与えるデザインで、フロントデザインが引き締まって見える。
サイドから。シルバードアアウターハンドル、
キーフリーシステム(イモビライザー付き)を標準装備。
スタイリッシュでサイドからのウィンカーの視認性向上につながるLEDターンランプ付ドアミラーも標準装備。あとづけするとなると費用がかさんだり面倒だったりするのでこれは嬉しい。なお、リバース連動式ドアミラーとなっている。。
リア。このあたりはノーマルと共通。
エンジン・機能
エンジンはKF-VE型直列3気筒DOHC12バルブの自然吸気エンジンのみ。
最高出力58ps(43kW)/7200rpm、最大トルク6.6kg・m(64N・m)/4000rpmを発生。
トランスミッションはメモリアルエディションとしてCVTのみを設定。駆動方式はFFまたは4WD。
安全装備としては運転席&助手席エアバッグとEBD付きABS、セキュリティーアラームを標準装備する。
インテリア
インパネ。
スピードメーターはカスタム用の自発光式メーターを採用。自然吸気エンジンでありながらスタイリッシュとなっている。
フロントシートはベンチシートタイプ。メモリアルエディション専用のシート表皮およびドアトリムクロスとなっている。
リアシート。
ラゲッジルーム。
リアシートを倒した状態。
まとめ
4代目ムーヴの前期に設定された「メモリアルエディション」はベーシックなノーマルムーヴをベースに外観では専用メッキグリル、ドアミラーウィンカー、キーフリーシステム、メカニズムではCVTの標準搭載、内装では高級感のあるブラック内装などカスタムほとではないがほどよくまとまった外観に嬉しい装備の特別仕様車となっている。
4代目ムーヴ自体がクセのあるデザインなので特別仕様車といえど好き好きが別れる部分だが、逆に4代目が気に入ったのならこの特別仕様車はより良い1台に見えるはず。4代目ムーヴを購入検討とするのならチェックしておきたい1台である。
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