【初代 後期型 特別仕様車】三菱 ekカスタム プレミアムインテリアエディション(DBA-B11W型) | シン・軽自動車マニア

【初代 後期型 特別仕様車】三菱 ekカスタム プレミアムインテリアエディション(DBA-B11W型)

ekカスタム

ekワゴンは三菱のワゴン型軽自動車。eKカスタムはそのスポーティーモデルである。本稿では3代目eKワゴン、B11W型の後期型(2015年10月~)に設定された特別仕様車、「プレミアムインテリアエディション」を扱う。

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3代目 三菱・eKワゴンとは?

2013年6月にフルモデルチェンジし、日産との共同開発で生まれた3代目ekワゴン。

3代目最大の特徴は、それまでのボディスタイルをアルトやミライースのような全高の低いモデルから、ムーヴやワゴンRと同じトールワゴンスタイルへと変更したこと。また、日産との共同開発により三菱版と日産版とで細かいフロントデザインの変更が加えられる。

さらにアイドリングストップ機構や最新のエコサポート技術の採用で、新生代の軽自動車としている。

その3代目eKワゴンのカスタムモデルとなる「ekカスタム」はそれまであったekスポーツの後継モデルとして登場。3代目からは名前を変え、「ekカスタム」となった。

出典:三菱認定中古車

エクステリアはフロント全体を覆うような大型クロムメッキグリルとディスチャージヘッドランプを採用した専用ヘッドライトにより精悍さやスタイリッシュさを表現。カスタム専用の大型バンパー、サイドエアダム、リアスポイラーによりスポーティな雰囲気ともした。

インテリアでは上質なピアノブラック調センターパネルにタッチパネル式のオートエアコンの採用や、フロントシートはホールド性を。リアシートはソファーのような座り心地とした上質なシートで上級感や機能性にくわえブラックカラーを基調としカスタムモデルらしい質感を追求。

アンダートレイや上下グローブボックス、オープントレイ、シートアンダートレイなど収納スペースも豊富に設定した。

出典:三菱認定中古車

パッケージングは先代比で全高が70mmアップ、ホイールベースも90mm延長したことでゆとりある室内空間を実現。後部座席においては前席とのスペースを+107mm確保したことで居住性や快適性が格段にアップした。

快適装備としては紫外線カット率を実現した99%UVカットガラスをフロントガラスに標準装備。フロントウインドシールドには約100%のUVカット機能がある合わせガラス、リヤドア/クォーター/テールゲートにも約94%のUVカット機能のあるプライバシーガラス(『eKワゴン』の「E」を除く)を採用で360度で快適な室内環境とした。

3代目では運転のしやすさも向上。全高が高くなり着座位置も上昇。かつガラスエリアも拡大したことで広くみやすい前方視界を実現した。また、左右のフロントピラーを細くすることで良好な視界を実現した。

最小回転半径は4.4mで、ステアリングには電動パワーステアリングを採用。リヤビューモニター付ルームミラーはカスタムのGとTグレードに標準装備とした。

安全装備としては運転席&助手席エアバッグ、ブレーキアシスト付きABSを全グレードに標準装備とし、「アクティブスタビリティコントロール」をeKカスタムのTグレードにオプション設定とした。

3代目のボディは三菱自動車独自の衝突安全強化ボディ「RISE」を採用し、客室保全環状構造や、高張力鋼板を適材適所に使用して優れた衝突安全性を確保。エマージェンシーストップシグナルも標準装備とした。

エンジンは新世代MIVECエンジンを採用。トランスミッションも全グレードに副変速機内蔵のCVT(INVECS-III)を採用し、この代からMTが完全に非設定となった。

便利機能としてはエンジンスイッチ+キーレスオペレーションシステムをグレード別に装備。三菱自動車独自の電子制御システム「ETACS」により「ヘッドライトオートカット」、「コンフォートフラッシャー」、「フロント可変間欠ワイパー(車速感応式)」など軽自動車でありながら普通車のような便利機能を搭載。

また、リアシートは室内側からもスライド操作を可能とした5:5可倒式を採用し、ワンタッチでフルフラットなラゲッジスペースを実現した。

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後期型eKカスタム(B11W)とは?改良点と前期型との違い

その3代目eKワゴンおよびeKカスタムは2015年10月のマイナーチェンジでフロントデザインを一新し、後期型となった。

後期型・eKカスタムのフロント

前期型・eKカスタムのフロント

出典:三菱認定中古車

後期型ではフロントデザインがノーマルとカスタムモデル両方でグリルやバンパーが変更され、カスタムでは三菱共通の「ダイナミックシールド」デザインの採用で個性やスタイリッシュさ、三菱らしさが強調された。

後期型ekカスタム(B11W)のリア

前期eKカスタム(B11W)のリア

出典:三菱認定中古車

他にもリアコンビランプのブレーキランプ部分の形状を変更しLED化。

ヘッドライトは軽自動車で初となるオートマチックハイビーム、オートライトコントロール、マルチアラウンドモニター(バードアイビュー機能付)を採用。

「T Safety Package」では新たにダークグレーの塗装と光輝切削処理を施した15インチアルミホイールを採用した。

内装でもパワーウィンドウスイッチパネルに、メッキ調ラインモール加飾を追加。「T Safety Package」ではステアリングに一部をピアノブラックに変更。

前期よりも特にカスタムは外観の個性が強くなった。

エンジンも自然吸気エンジンではローラー付カムシャフトの採用によるフリクションの低減とCVT制御見直しにより燃費を改善。

4WD車でも新たにオートストップ&ゴー(コーストストップ機能付)とアシストバッテリー機能を採用して燃費を改善。

後期モデルではターボ車でも同様にオートストップ&ゴー(コーストストップ機能付)とアシストバッテリーを新たに採用した。

これ以外にショックアブソーバーの減衰力を最適化し、乗り心地を改善。EPS制御の最適化でパワステの取り回しを向上させた。

安全装備としてはセーフティーパッケージグレードでは予防安全機能(低車速域衝突被害軽減ブレーキシステム[FCM-City]、誤発進抑制機能)に加え、「オートマチックハイビーム」、「オートライトコントロール」、「マルチアラウンドモニター(バードアイビュー機能付)」を採用。

フロントウインドウシールドには直射日光によるジリジリ感を和らげ、インパネ上面の温度上昇を抑制するIRカット機能を追加し、内外装や機能面でアップデートが施されたマイナーチェンジとなっている。

2017年1月・一部改良

2017年1月の一部改良では「ショコラブラウンパール(オプションカラー)」を廃止し、入れ替えで「ライトニングブルーマイカ」を追加。

「T セーフティパッケージ」にはクルーズコントロールを追加。

2017年10月・一部改良

2017年10月の一部改良では一部グレードのみに装着されていたASCとフロントスタビライザーをeKワゴンの「E」・「M」・「G」、カスタムの「G」グレードに標準装備化。

最廉価の「E」グレードは非装備だったヒルスタートアシストとブレーキアシストも新たに標準装備化した。

2017年12月

特別仕様車の「アクティブギア」を追加

2018年5月・一部改良

2018年5月の一部改良では自動ブレーキがアップグレード。

それまでのレーザーレーダー方式からフロントカメラ方式に変更。衝突被害軽減ブレーキ(FCM)は対車両の作動車速域の拡大と対歩行者検知に対応した。

誤発進抑制機能はそれまでのセンサーをレーザーレーダーに変更し、フロントカメラとソナーにより動作するようにした。さらに障害物へは後退時にも作動するとともに、軽自動車で初となる前進時の対歩行者検知機能も追加された。

このほか「踏み間違い衝突防止アシスト」は出力制御に加えブレーキ作動も追加され機能が強化。これら自動ブレーキ類が全グレードに標準装備となった。

さらに「G Safety Package」・「T Safety Package」には車線逸脱警報システム(LDW)が新たに標準装備化された。

ekカスタム プレミアムインテリアエディションとは?特別装備とベースとの違いなど

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そして2016年10月。発覚した燃費不正問題を受けて一時販売停止となっていたeKシリーズの販売再開とともに設定された特別仕様車がこの「プレミアムインテリアエディション」である。

プレミアムインテリアセレクションは「Gセーフティパッケージ」と「Tセーフティパッケージ」がベース。

プレミアムインテリアエディションでは外装はそのままだが特別装備としてインテリアにセーレン社の合成皮革「クオーレ」をシート表皮に採用したアイボリー色のスエード調トリコットシートを標準装備。

ドアトリム表皮も同じくスエード調トリコットととし、ノーマルのブラックシートとは異なる特別装備で上級感を演出。

このほか本革巻ステアリングホイールにはメッキ&ピアノブラックアクセントも与え、専用ボディカラーに「チタニウムグレーメタリック」を設定しプレミアムの名にふさわしい特別仕様車となっている。

エクステリア

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出典:三菱認定中古車

フロントデザイン。プレミアムインテリアエディションでは外装上の変更点は特になく、ベースモデルと同じ。自然吸気エンジンの「Gセーフティーパッケージ」とターボエンジンの「Tセーフティーパッケージ」グレードがそれぞれベースとなっている。

後期型のためグリルとバンパーが一新され、「ダイナミックシールド」と呼ばれるグリルからバンパーまで続く大きな開口部を持つデザインへ変更された。

トヨタの高級車やダイハツの3代目後期タントにも似たようなフロントデザインで、三菱の乗用車のイメージを与えつつ軽自動車でありながら迫力あるフロントを表現している。

加えてフォグランプまわりにはLEDイルミネーションが埋め込まれ、ポジションライトON時に独特の雰囲気を演出する。

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兄弟車である日産の「デイズ・ハイウェイスター」とは完全に差別化されたデザインとなった。

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さらに後期型でホットな部分は軽自動車で初となる「オートマチックハイビーム」の採用だ。セーフティパッケージグレードのみの装備だが、対向車や周囲の明るさを判断してハイロー自動で切り替えるすぐれもの。普通車で普及しつつある機能をいち早く軽自動車に取り入れライバルとの差別化を行なっている。

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フロントガラスは”うっかり日焼け”の原因となる紫外線(UV)と、日射しによる暑さやジリジリ(※1)感を和らげる赤外線(IR)のカット機能を備えたガラスをフロントウインドシールドを採用。女性には非常に嬉しい部分だ。

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出典:三菱認定中古車

サイドから。LEDターンランプ付ドアミラーを標準装備。

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ボディカラーにはプレミアムインテリアエディション専用色となる「チタニウムグレーメタリック」を含め全4色を設定。

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出典:三菱認定中古車

ターボ仕様の「Tプレミアムインテリアエディション」ではワンランク上のスタイリッシュな15インチアルミホイール。自然吸気エンジンのGプレミアムインテリアエディションはこれと異なるデザインの14インチアルミホイールとなる。

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出典:三菱認定中古車

リア。後期型のためコンビランプのデザインが変更されている。

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出典:三菱認定中古車

さらにコンビランプのブレーキランプはLED化され、発色とスタイリッシュ感がアップした。

エンジン・機能装備・安全装備など

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エンジンは3B20型直列3気筒DOHC自然吸気エンジンと同インタークーラー付きターボエンジンの2種類。

自然吸気エンジンの最高出力は49ps(36kW)/6500rpm。

グレードにより最大トルクが異なり、Gグレード4WD仕様では最大トルクは6.0kg・m(59N・m)/5000rpm。

MとGグレードの2WDでは最大トルクが5.7kg・m(56N・m)/5500rpm。

ターボ仕様は最高出力64ps(47kW)/6000rpm、最大トルク10.0kg・m(98N・m)/3000rpm。トランスミッションはINVECS-III CVT(副変速機付)のみで駆動方式はFFまたは4WDとなる。

スズキのエネチャージに似たエネルギー回生システムの「アシストバッテリー」をベースモデルで採用しわずにかに燃費を向上。安全装備としてはベースモデル同様に「オートマチックハイビーム」、「オートライトコントロール」、「マルチアラウンドモニター(バードアイビュー機能付)」を標準装備。

その他ブレーキアシスト、エマージェンシーストップシグナル、ヒルスタートアシストを標準装備。アクティブスタビリティコントロールとフロントスタビライザー、低車速域衝突被害軽減ブレーキシステム[FCM-City]、誤発進抑制機能(前進時)が標準装備となる。

インテリア

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出典:三菱認定中古車

インパネ。基本的にはベースモデルと同じだが、プレミアムインテリアエディション仕様として本来自然吸気エンジン仕様のGセーフティーパッケージでは非装備だったピアノブラック加飾付きの本革巻ステアリングホイールを標準装備(※ターボ仕様では既装備)。

これに「メッキ&ピアノブラックアクセント」がプラスされ上級感が与えられた。

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出典:三菱認定中古車

スピードメーターはベースモデルと同じ。

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出典:三菱認定中古車

エアコンはオートエアコンタイプ。操作部分はもちろんタッチパネル式。

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出典:三菱認定中古車

アラウンドビューモニターもベースモデル同様に標準装備。

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出典:三菱認定中古車

フロントシートはベンチシートタイプ。プレミアムインテリアエディション最大の特徴はこのシートで、セーレン社の合成皮革「クオーレ」をシート表皮に採用したアイボリー色のスエード調トリコットシートとなる。

カラーもベースモデルではブラックを基調としていたがこちらはアイボリーに変更されており、一味ちがった雰囲気となっている。加えてドアトリム表皮も同様にアイボリー色のスエード調トリコットに変更されている。

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出典:三菱認定中古車

リアシート。スライド機構を備え、足元の広さを調節できる。

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出典:三菱認定中古車

ラゲッジルーム。リアシートは分割可倒式。

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出典:三菱認定中古車

リアシートをすべて倒した状態。

まとめ

後期型eKカスタムに設定された特別仕様車、「プレミアムインテリアエディション」は外装は同じものの専用ボディカラーに「チタニウムグレーメタリック」を。

内装では「クオーレ」をシート表皮に採用したアイボリー色のスエード調トリコットシートにドアトリム表皮。自然吸気エンジン仕様では本革巻ステアリングホイールを標準装備とし加えてメッキとピアノブラックの加飾を与えるなど特に内装面でプレミアム感を演出した特別仕様車である。

一般的にカスタム系の内装はブラックシートとなる場合が多いのだが、このプレミアムインテリアエディションではもうひとつのプレミアム系シート、「アイボリー」を採用し表皮にもクオーレを採用するなど特にシートにこだわった特別仕様車となっている。

ブラック系よりも一味ちがった雰囲気のアイボリーが好きな人には嬉しい特別仕様車といえよう。

なお、2016年7月にプレミアムインテリアエディションが設定された後は2017年1月の小改良でこの特別仕様車がカタログ落ち。絶版となってしまった。

販売期間はわずか6ヶ月の短命な特別仕様車で、それゆえに中古市場ではほとんど出回らず希少グレードとなっている。

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コメント

  1. 燃え太郎 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    三菱に続いて日産までも不正とは・・・
    残念ですね。こうやって車そのものはよく考えてあってよい車なのですが。

  2. さすらいのクラ吹き より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    燃え太郎さん、こんばんは。

    そうですね。車そのものはよく考えられていて好感を感じるのですが、報道を見ていると残念な感じです。

    この記事にある燃費不正問題は完全な三菱の過失で、生産を委託していた日産もその影響を受けたものでした。一方最近報じられた無資格者による検査問題(0回車検)は神戸製鋼所の品質データ改ざん事件とはちょっと本質が違うようで、国側にも問題があるのかなぁと思います。