デイズは日産のワゴン型軽自動車。ライダーはオーテックジャパンによるカスタムカー(架装車)である。本稿では初代・B21W型の前期型ベース(2013年6月~2015年11月まで)のデイズライダーを扱う。
初代 日産デイズとは?特徴など
2013年6月に登場した日産のデイズ。それまでは三菱からeKワゴンのOEM供給を受け、「オッティ」として販売していたがこの時から一新し、三菱との合弁会社NMKVで共同開発。
三菱版では3代目・eKワゴン。日産では新型車「デイズ」として販売された。
それまでの「オッティ」時代にみられた外装のデフォルメのみとは異なり、デイズでは商品の企画段階から三菱と協業。
開発でも日産が携わったことで従来のOEMモデルとは異なる日産らしいデザインや室内空間が反映された初の軽乗用車となっている。
デイズのエクステリアは立体的かつダイナミックなフォルムにスタイリッシュ感や親しみやすさを融合させたデザインとした。
特にヘッドライトからアーチ状に流れるボディラインと、サイドビューに躍動感を与える2本ライン、特徴的な格子状グリルとフレンドリーな顔つきが特徴だ。
インテリアではセンタークラスターから弓なり形状としたインパネにタッチパネルを採用したピアノ調ブラックが映えるアイボリーインテリア、ホールド感を高めたフロントシートやふくらはぎのサポートを強めたリアシートなど長距離ドライブでの快適性をアップさせている。
標準モデルのスピードメーターはシンプルかつ視認性に優れた1眼式白色照明の大型メーターを採用。
エンジンは新開発の3気筒エンジンを採用。トランスミッションには副変速機付エクストロニックCVTを全グレードで採用し、アイドリングストップもグレード別に採用した。
デイズ・ライダーとは?特徴やハイウィスターとの違いなど
そのカスタムモデルの「デイズハイウェイスター」をベースに日産の特装車を手がけるオーテックジャパンによる架装車がこの「デイズライダー」である。
ライダーの名前が付くモデルは普通車にもあるが、軽自動車としては先代の「オッティ ライダー」に続く第2段でデイズのデビュー当初から設定。
画像参照元:ガリバーアウトレット
ライダー仕様として外装では専用フロントグリル、専用フロントバンパー(バンパーイルミネーション&光輝モール付き)、光輝バックドアモール、専用15インチアルミホイール、オーテックジャパンエンブレム。
内装ではジャカード織物の専用シート表皮に専用クロムメッキフィニッシャーなどが与えられベースモデルとは異なる個性的な外観が大きな特徴となっている。
デイズライダーのグレード J、X、Gターボベースの違いなど
デイズライダーはデイズのハイウィスターがベース。
自然吸気エンジンの「ハイウィスターJ」と「ハイウィスターX」、ターボ仕様の「ハイウィスターGターボ」をベースとした3種類が設定されていた。
「ハイウィスターJ」ベースではディスチャージヘッドランプやデイズライダー専用アルミホイール(ただしサイズは14インチ)が標準装備となるなど、装備の拡充がなされる。
「ハイウィスターX」ベースではアルミホイールがJベースよりも一回り大きい15インチを採用し、より豪華になる。
「ハイウィスターGターボ」ベースではターボエンジンを搭載し、パワフルな走りが特徴となる。
エクステリア
フロントデザイン。ライダー仕様ではグリル部分に流れるようなデザイン専用メッキグリルを採用。
加えてバンパー部分で同様の光輝モール付きフロントバンパーとし、ひと目で「ライダー」とわかるような個性的な1台へと仕上がっている。
ヘッドライトはディスチャージヘッドランプ。
バンパー部にはLEDイルミネーションを内蔵した。
サイドにかけては大きな変更なし。
足元は専用デザインの15インチアルミホイール。
リア。ライダー仕様としてバックドアには光輝バックドアモールを採用。これ以外では「オーテック」と「Rider」のエンブレムが付いている。
エンジン・機能装備・安全装備など
エンジンは3B20型直列3気筒DOHC自然吸気エンジンと同インタークーラー付ターボエンジンの2種類。
自然吸気エンジンの最高出力は49ps(36kW)/6500rpm。
グレードにより最大トルクが異なり、JグレードとS、Xの4WD仕様では最大トルクは6.0kg・m(59N・m)/5000rpm。
SとXグレードの2WDでは最大トルクが5.7kg・m(56N・m)/5500rpm。
トランスミッションは全グレードで副変速機付エクストロニックCVTとなる。駆動方式はFFまたは4WD。
燃費向上技術としては回生発電のバッテリーアシストを2014年7月マイナーチェンジで自然吸気エンジンに採用。安全装置としてABSとEBDを全グレードで標準装備。VDCとフロントスタビライザーは2WDのライダーターボ(ハイウェイスターGターボベース)で標準装備。
自動ブレーキは2014年12月マイナーチェンジ時にエマージェンシーブレーキと踏み間違い衝突防止アシストのセットオプションを新設定。
このセットオプションを選択した場合はそれまで2WDのターボ仕様のみに標準装備だったVDCとフロントスタビライザーが追加装備された。
具体的にはライダー(ハイウェイスターGターボベース)の4WDターボでVDC、ヒルスタートアシスト、ブレーキアシスト、フロントスタビライザーの4点がプラス。ライダー(ハイウェイスターGベース)の4WDではVDCとフロントスタビライザーの2点がプラスされた。
インテリア
インパネ周りも基本的にはハイウェイスターと共通だが、ライダー仕様として専用クロムメッキフィニッシャーが与えられた。
ステアリングは本革巻ステアリングホイール。
アラウンドビューモニターは標準装備。
スピードメーターはベースと同じ。
フロントシートはベンチシートタイプ。ライダー仕様としてジャカード織物の専用シート表皮が与えられた。
リアシート。スライド機構付き。
ラゲッジルーム。
リアシートを倒した状態。
初代 前期デイズライダーのまとめ
前期型のデイズライダーは、カスタムモデルである「デイズハイウェイスター」をベースにオーテックジャパンの代表的カスタムカーの「ライダー」を適用したモデルである。
その個性的な外観は他の軽自動車にはない強烈なものがあり、外観上のインパクト感が非常に強い1台となっている。動力性能はベースとなったデイズハイウェイスターと同じでNAであれば街乗りメイン、ターボであれば走りを楽しめる1台だ。
ベース車より若干高くなってしまうが、他メーカーには無い個性的なデザインは、その価格分の価値があると思う。軽自動車でもオーテックジャパンのライダー仕様がほしいといったコアなニーズに答えられるモデルで、デザイン重視で買うのであれば候補の1台となりえるだろう。
ちなみに2015年10月の後期型マイナーチェンジではライダーもフロントデザインを小変更。よりスタイリッシュ感がアップするため前期型では個性が強すぎると感じた人は後期型のデイズライダーがオススメである。
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