ムーヴコンテはダイハツのワゴン型軽自動車。「L VSⅡ」は後期型(2011年6月～2016年9月)に設定された特別仕様車である。
ダイハツ ムーヴコンテとは？
2008年8月に登場したダイハツのムーヴコンテ。
当時のCMの「カクカクシカジカ 四角いムーヴ」というキャッチフレーズが耳によく残るこの車は、その言葉通りムーヴ系統でありながら直線を基調としたボディラインが最大の特徴である。
シンプルだけど合理的なデザインは、普通車でいうところのトヨタ・初代Bbに通じるところがあり、軽自動車という点も相まって(ムーヴやワゴンRなど独特のいかにも感があるデザインを好まない)女性ユーザーに受けが良かった。
パッケージング的にはスズキの初代アルトラパンの全高を少し高くしたようなボディフォルムで、ベーシック感が非常に強く万人受けしそうなデザインも特徴だ。
シンプルだけど合理的なデザインは、普通車でいうところのトヨタ・初代Bbに通じるところがあり、軽自動車という点も相まって(ムーヴやワゴンRなど独特のいかにも感があるデザインを好まない)女性ユーザーを狙ったものであった。
パッケージング的にはスズキの初代アルトラパンの全高を少し高くしたようなボディフォルムで、ベーシック感が非常に強く万人受けしそうなデザインとなっている。ホイールベースは2,490mm、室内長は2,000mm、室内高は1,350mmを確保し、コンパクトなボディデザインながら余裕ある室内空間を実現している。
インテリアでもプレミアムソファーシートや運転席パワーエントリシートを採用し居心地の良さを追求。開放感のある前席や優れた静粛性とソフトな乗り心地を実現した。また、インテリアにはシルバーのカラーアクセント、メッキパーツ、スピードメーターは白色３眼式メーターの採用で精悍さを強調した。
エンジンはツインカムDVVT・3気筒エンジン「KF-VE型」とツインカム3気筒ターボエンジン「KF-DET型」の２種類を設定。世界初の「インプットリダクション方式3軸ギヤトレーン構造」を採用したCVTにより低燃費も実現した。
安全面でも衝突安全ボディのTAFを採用し、国内及び欧州衝突安全基準を余裕をもってクリア。世界最高水準の前面フルラップ55km/h、前面オフセット64km/h、側面55km/h、後面55km/hの衝突実験においても優れた安全性を確保している。
便利装備としては助手席大型シートアンダートレイ、助手席アッパーボックスなどを採用し実用性をアップ。イモビライザー付きキーフリーシステムをグレード別に採用。
リバース連動ドアミラーを上級グレードにオプション設定し、「運転席シートリフター&チルトステアリング&アジャスタブルショルダーベルト」をセットにした「アンカーアジャスタブルパック」も上級グレードに標準装備、一部グレードでオプション設定とした。
後期型ムーヴコンテとは？改良点や前期と後期の違い
そのムーヴコンテは2011年6月、フロントデザインの変更を伴うマイナーチェンジで後期型となった。
後期型ムーヴコンテのフロント
出典：ダイハツ認定中古車
前期型ムーヴコンテのフロント
後期型ムーヴコンテではフロントグリルのデザインを変更し、Lグレードはタイヤサイズを１４インチ化。Xグレードではフルホイールキャップに新デザインを採用し。
全グレードでテールランプのストップランプをLED化。
さらに全グレードで第2世代KFエンジンを採用。また、上級グレード(XとカスタムGグレード)ではアイドリングストップ機構「eco IDLE」を搭載し、25.5km/Lの10・15モード燃費を実現。
加えて全グレードで平均燃費計を標準装備し、キーフリーシステム搭載グレードでは「リクエストスイッチ」(スイッチ操作で施錠と解錠が可能)を採用した。
後期型ムーヴコンテのインパネ
前期型ムーヴコンテのインパネ
出典：ダイハツ認定中古車
インテリアではセンタークラスターをダークシルバー塗装に変更し、スピードメーターのデザインも変更するなど、外装とメカニズムでのマイナーチェンジとなっている。
よってムーヴコンテの前期・後期の外観上はフロントグリルのデザインの違い、Xグレードのみホイールキャップが新デザイン。テールランプのストップランプをLED化。
内装ではセンタークラスターの色がダークシルバー化しスピードメーターのデザインの変更。
機能面では上級グレードでエコアイドルを搭載。キーフリーシステム搭載グレードはリクエストスイッチが採用されるなどの違いがある。
後期型ムーブコンテ L VS Ⅱとは？特徴とノーマルとの違い
ムーヴコンテＬ VSⅡの特徴や装備など
その後期型ムーヴコンテに2015年4月に設定された特別仕様車が「L VSⅡ」である。
出典：ガリバー
「L VSⅡ」はおよそ１年前に登場した特別仕様車の「X VS」の後継的なモデルで、内外装にスタイリッシュな特別装備を与えて精悍さをアップさせたモデルである。
「VS」というグレード名は魅力的な装備を与えつつ、お買い得としたダイハツ伝統の特別グレードで、ムーヴコンテでもこれを踏襲。
前モデルの「X VS」ではベースモデルが上級のXだったが、バージョン２の「L VSⅡ」ではベーシックなLグレードに変更。
ベースモデルをエントリーグレードとしたことでX VSⅡよりも新車価格を抑え、加えて魅力的な装備をプラスして内外装の質感をアップさせた。
出典：ガリバー
L VSⅡの特別装備として外装では
- VSⅡ専用シルバーグリル
- メッキベゼル付きハロゲンフォグランプ
- VS専用切削加工１４インチアルミホイール
- カラードエアロリアバンパー
- リヤスポイラー
- クリスタルコンビランプ（LEDタイプ）
- フロントウィンドウにトップシェイドガラス
を標準装備。
出典：ガリバー
内装ではブラックインテリアパックを適用し、
- カスタム用のブラックインパネ
- カスタム用ブラックシート表皮
- カスタム用自発光スピードメーター(タコメーター付き３眼式)
- 本革巻ステアリングホイール
- メッキインナードアハンドル
- エアコンレジスターノブの一部をメッキ加飾
を与え、内外装で魅力をアップさつつお買い得とした特別仕様車となっていた。
ムーヴコンテ X VSとL VSⅡとの違い
先の登場したX VSとL VSⅡとの違いは外装や装備が異なる。
出典：ダイハツ認定中古車
X VSではホワイトカラーを貴重とし、ホワイト塗装グリルやフォグランプ用のパールホワイトベゼル、クリアーテールランプなどを採用してたが、インテリアはベースモデルと同じで外装のワンポイントアクセントが特徴だった。
L VSⅡではホワイトではなくシルバー塗装グリルやメッキベゼル付きフォグランプ、切削加工アルミホイール、クリアーテール、リアスポイラーを採用。外観をカスタムモデルの雰囲気に近づけている。
内装でもブラックインテリアや革巻きステアリング、カスタム用自発光式３眼スピードメーターなどインテリアはほぼカスタムと同じ内容で、より上質感を高めたモデルとなる。
ただし機能装備が異なり、XベースだったX VSはフルオートエアコンとキーフリーシステムに対し、LベースのL VSⅡではマニュアル式エアコンや電波式キーレスを採用するなど、廉価グレードがベースなために簡略化された部分もある。
エクステリア
出典：ダイハツ認定中古車
フロントデザイン。ベースはベーシックなLグレード。Lグレードでは中央部に太いボディカラーと同じ色のグリルが付いていたが、これを専用のシルバー塗装グリル(ただしさほど光沢はない)に変更。
デザインも４本ラインが入った主張の強いものとし、フロントデザインに力強さを出した。
さらにフォグランプのまわりをメッキで覆うことでアクセントも強くした。ノーマルタイプでありながらコンテカスタムまでとは言わないが程よくカッコいいデザインになっている。
これ以外にL VSⅡ仕様としてフロントウィンドウにトップシェイドガラスが与えられた。
出典：ダイハツ認定中古車
サイドから。メッキドアハンドルカバーも標準装備で、横からに関してはカスタムとも引けをとらない見た目に仕上がっている。
ムーヴコンテカスタムと異なるのはサイドアンダースポイラーがつかないのと、LEDターンランプ付きドアミラーみ非装備なぐらい。
出典：ダイハツ認定中古車
足元はVS専用の切削加工１４インチアルミホイールを標準装備。
出典：ダイハツ認定中古車
リア。カスタムと同じクリアータイプのコンビランプとエアロバンパー（リフレクター内蔵）を装着し、ノーマルと差別化している。ストップランプはLED仕様だ。
他にVSⅡ仕様としてリアスポイラーを標準装備しスタイリッシュなリアビューとした。
エンジン・機能装備・安全装備など
エンジンはKF型の３気筒DOHC自然吸気エンジンのみ（ターボの設定はなし）。最高出力は52ps(38kW)/6800rpm、最高トルクは6.1kg・m(60N・m)/5200rpmとなる。
2012年4月マイナーチェンジでは(それまではXグレードなど上級のみだったが、)全グレードで「eco IDLE」が標準装備。
さらにエコ発電制御もプラスされたことでFFのLグレードで27.5km/lを達成。さらに2013年7月マイナーチェンジではこれに加えCVTサーモコントローラーを採用。
FFモデルではエコアイドルの停車前アイドリングストップの車速を9km/h以下にはやめたことでさらに燃費アップ。27.6km/lを達成した。駆動方式は前期では廉価グレードに4ATの設定があったが、後期ではすべてCVT化された。
駆動方式はFFまたは4WD。ABS（ブレーキアシスト付き）とEBD、セキュリティーアラームは標準装備だが、自動ブレーキ等の設定はない。
ムーヴコンテL575SとL585Sとの違い
ムーヴコンテL575SとL585Sの違いは駆動方式。
FFモデルがL575Sで、L585SはFFベースの4WDとなる。ただし、ジムニーなどのクロカン4WDとは異なりビスカスカップリングを用いたオンデマンド式の4WDとなっている。
そのため常時4WDではなく、前輪と後輪の回転差が生じたときのみ4WDとなる生活四躯仕様となる。
インテリア
出典：ダイハツ認定中古車
インパネ。VSⅡ仕様としてカスタム用のブラック系を与えた。バージョン１のVSでは標準モデルと同じホワイト系インテリアだったため、雰囲気がかなり変化している。
出典：ダイハツ認定中古車
ステアリングはL VS Ⅱ仕様として本革巻きステアリングを標準装備。
出典：ダイハツ認定中古車
エアコンはLベースのためマニュアル式エアコンとなる。
出典：ダイハツ認定中古車
スピードメーター。L VSⅡではスタイリッシュなカスタム用の自発光式メーターを採用。
左はタコメーター、真ん中にがスピードメーター、右に燃料計。左下がシフトポジションと走行距離。右下は平均燃費計や外気温などを表示する。
出典：ダイハツ認定中古車
フロントシートもカスタム用のブラック表皮。ベンチシートタイプとなる。
出典：ダイハツ認定中古車
リアシート。スライド機構は非装備。
出典：ダイハツ認定中古車
ラゲッジルーム。
出典：ダイハツ認定中古車
リアシートを倒した状態。
まとめ
出典：ガリバー
ムーヴコンテの特別仕様、L VSⅡはノーマルタイプとはちょっと違う程よいカッコよさ外観が特徴の軽自動車である。
カスタムだとちょっと見た目が派手すぎたり、値が張ったりとカスタムまでは要らないけどノーマルタイプでは物足りないという人にピッタリな1台に仕上がっている。
前モデルの「X VS」ではノーマルのデザインにホワイトパールによるワンポイントアクセント程度となっていたが、バージョン２の「L VSⅡ」ではよりスタイリッシュ感がアップ。
それでいて新車価格は少し安くなっているため標準モデルのムーヴコンテとしてはかなり魅力的なモデルとなっていた。
モデルそのものもムーヴやワゴンRと違ってデザインの良さから気に入れば末永く愛せる１台であるので、スペースよりもデザイン重視の人向けの１台といえよう(ただし、セダンタイプと違って室内はそこそこ広い)。
中古市場ではムーヴコンテの中でもモデル終盤に登場した比較的新しいモデルであること、専用の特別装備が与えられた豪華仕様のため、ムーヴコンテの中でも安くはないが、価格に見合った価値があるモデルである。
ただし豊富な中古ムーヴコンテの中でもL VSⅡはタマ数が少なく、探しづらいの難点か。
コメント