【前期型】ダイハツ ムーヴコンテ(L575S/L585S型) 概要解説 | シン・軽自動車マニア

【前期型】ダイハツ ムーヴコンテ(L575S/L585S型) 概要解説

ムーヴコンテ

ムーヴコンテはダイハツのワゴン型軽自動車。本稿ではデビュー当初の2008年8月~フロントデザイン変更前の2011年5月までを前期型とし、これを扱う。

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ダイハツ ムーヴコンテとは?

2008年8月に登場したダイハツのムーヴコンテ

当時のCMの「カクカクシカジカ 四角いムーヴ」というキャッチフレーズが耳によく残るこの車は、その言葉通りムーヴ系統でありながら直線を基調としたボディラインが最大の特徴である。

シンプルだけど合理的なデザインは、普通車でいうところのトヨタ・初代Bbに通じるところがあり、軽自動車という点も相まって(ムーヴやワゴンRなど独特のいかにも感があるデザインを好まない)女性ユーザーに受けが良かった。

パッケージング的にはスズキの初代アルトラパンの全高を少し高くしたようなボディフォルムで、ベーシック感が非常に強く万人受けしそうなデザインとなっている。

シンプルだけど合理的なデザインは、普通車でいうところのトヨタ・初代Bbに通じるところがあり、軽自動車という点も相まって(ムーヴやワゴンRなど独特のいかにも感があるデザインを好まない)女性ユーザーを狙ったものであった。

パッケージング的にはスズキの初代アルトラパンの全高を少し高くしたようなボディフォルムで、ベーシック感が非常に強く万人受けしそうなデザインとなっている。

ホイールベースは2,490mm、室内長は2,000mm、室内高は1,350mmを確保し、コンパクトなボディデザインながら余裕ある室内空間を実現している。

出典:ダイハツ認定中古車

インテリアでもプレミアムソファーシートや運転席パワーエントリシートを採用し居心地の良さを追求。開放感のある前席や優れた静粛性とソフトな乗り心地を実現した。

また、インテリアにはシルバーのカラーアクセント、メッキパーツ、スピードメーターは白色3眼式メーターの採用で精悍さを強調した。

エンジンはツインカムDVVT・3気筒エンジン「KF-VE型」とツインカム3気筒ターボエンジン「KF-DET型」の2種類を設定。世界初の「インプットリダクション方式3軸ギヤトレーン構造」を採用したCVTにより低燃費も実現した。

出典:ダイハツ認定中古車

安全面でも衝突安全ボディのTAFを採用し、国内及び欧州衝突安全基準を余裕をもってクリア。世界最高水準の前面フルラップ55km/h、前面オフセット64km/h、側面55km/h、後面55km/hの衝突実験においても優れた安全性を確保している。

便利装備としては助手席大型シートアンダートレイ、助手席アッパーボックスなどを採用し実用性をアップ。イモビライザー付きキーフリーシステムをグレード別に採用。

リバース連動ドアミラーを上級グレードにオプション設定し、「運転席シートリフター&チルトステアリング&アジャスタブルショルダーベルト」をセットにした「アンカーアジャスタブルパック」も上級グレードに標準装備、一部グレードでオプション設定とした。

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前期型ムーヴコンテのグレード L,L リミテッド,X,X リミテッド,Xスペシャル,X +Sの違いなど

前期型ムーヴコンテのグレード展開は下から順に廉価グレード「L」、ベーシック「Lリミテッド」、上級「X」、最上級「Xリミテッド」の4種類。

これ以外に「Xスペシャル」と「X +S」という特別仕様車があった。

なお、Xスペシャルは後にカタロググレードに昇格し後期マイナーチェンジ直前まで設定され続けた。

カスタムモデルのムーヴコンテカスタムについてはこちらから。

【前期型】ダイハツ ムーヴコンテカスタム(L575S/L585S型) 概要解説

L

前期ムーヴコンテの廉価グレード。装備を簡略化し価格を抑えた安いグレード。

13インチフルホイールキャップにマニュアルエアコン、キーレスエントリーと必要最低限の快適装備を与えている。

エクステリアではXグレードと比較してピラーブラックアウトとならず、ウレタンステアリングのメッキオーナメントが省略。スピードメーターもタコメーター無しの単眼式となる。

2010年5月の仕様変更で廃止。後期モデルでは再度、廉価グレードとして復活する。

Lリミテッド

廉価グレードLグレードに快適装備をプラスしたグレード。LとXグレードの中間に位置する。

Lリミテッドではフルオートエアコン、アジャスタブルパック(運転席シートリフター、チルトステアリング、アジャスタブルショルダーベルトアンカー)を標準装備する。

なお、本革巻きステアリングはLリミテッド以上でオプション設定。

2010年5月の仕様変更で廃止。

X

前期ムーヴコンテの上級グレード。Lグレードよりも内外装の装備が良くなる。

エクステリアではピラーブラックアウト。フォグランプを標準装備。リバース連動ドアミラーがオプション設定。

インテリアではタコメーター付き3眼式メーター、照明付きバニティミラーを標準装備する。

快適装備ではフルオートエアコン、キーフリーシステム、メッキオーナメント付きウレタンステアリング、アジャスタブルパック(運転席シートリフター、チルトステアリング、アジャスタブルショルダーベルトアンカー)を標準装備する。

Xリミテッド

Xグレードにワンポイントでスタイリッシュな装備を与えた上級グレード。

Xリミテッドではタイヤが13インチフルホイールキャップから、14インチアルミホイールに変更。リバース連動ドアミラーを標準装備する。

特別仕様車 Xスペシャル

2009年9月設定の特別仕様車・第1弾。

L575S_first_X_special (2)

「X」グレードをベースに外装では専用のシルバーフロントグリルのほか、ドアミラーターンランプ、シルバーアウタードアハンドルを標準装備。

内装ではチルトステアリング、運転席シートリフター、オートエアコン、アジャスタブルショルダーアンカー。

快適装備にイモビライザー機能付きのキーフリーシステム、IR&UVカットガラス(フロントウィンドウ)、メカニズムではCVTを標準装備とした特別仕様車。

これだけの機能満点で新車価格をベースモデルよりも3万円ほど安くした119万円(FFの場合)で、お買い得仕様車であった。

Xスペシャルについてはこちらから。

【前期型 特別仕様】ダイハツ ムーヴコンテ Xスペシャル(L575S/585S型)

特別仕様車 X+S

2010年5月設定の特別仕様車。俳優の生瀬勝久さんを声優とした人気キャラクター「カクカク・シカジカ」をワンポイントであしらった専用アイテムを装備した特別モデル。

プラスSのSはシカジカの意味で、エクステリアに専用14インチホイールキャップ、バックドアデカールに専用の「カクカク・シカジカ」キャラクターエンブレムを装着。

快適装備ではトップシェイドガラス、トルーフアンテナを標準装備とし、文字通りカクカク・シカジカをワンポイントプラスした特別仕様車となっている。

ムーヴコンテ X+Sについてはこちらから。

【前期型 特別仕様 カクカクシカジカ】ダイハツ ムーヴコンテ X +S(L575S/L585S型)

ムーヴコンテL575SとL585Sとの違い

ムーヴコンテL575SとL585Sの違いは駆動方式。FFモデルがL575Sで、L585SはFFベースの4WDとなる。

ただし、ジムニーなどのクロカン4WDとは異なりビスカスカップリングを用いたオンデマンド式の4WDとなっている。

そのため常時4WDではなく、前輪と後輪の回転差が生じたときのみ4WDとなる生活四躯仕様となる。

エクステリア(外装)

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フロントデザイン。ボンネットが四角く出っ張っており、それまでのダイハツにはあまり見られないシンプルなボディライン。

これに四角形のヘッドライト、4段グリルなどが組み合わさって万人受けするベーシックなデザインとなっている。かつてのミラのような四角いヘッドライトがムーヴとはかなり差別化された雰囲気を感じさせる。

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サイドから。ムーヴコンテはスクエアを基調としながら、角に丸みを与えボディラインにあたたかみをプラスしたデザイン。ムーブという名前は同じものの見た目はぜんぜん違う車に仕上がっている。

ベーシックだがそれまで無かったデザインで、軽自動車っぽくない雰囲気も感じさせる。上級グレードではターンランプ付きドアミラーが標準装備。

2009年12月マイナーチェンジではフロントウィンドウが全車トップシェイド付きとなる。

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足元は基本は14インチスチールホイール+ホイールキャップ。タイヤサイズは155/65R14。

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最上級のXリミテッドでは14インチアルミホイールとなる。

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リア。ヘッドライトと同じく四角形のコンビランプが備わる。リアもフロント同様にシンプルなデザインで、万人受けしそうだ。

エンジン・機能装備・安全装備など

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エンジンはKF-VE型3気筒の自然吸気エンジンのみ。

最高出力は58ps(43kW)/7200rpm、最大トルクは6.6kg・m(65N・m)/4000rpm。トランスミッションはCVTのみで、駆動方式はFFまたは4WD。

エンジンはミライースのものに比べると、この時は一つ前のものだったが、高効率なCVTとFFモデルの組み合わせでは23.0km/lを達成。

なお後期型ではミライーステクノロジーが適用され、一番いいグレードでカタログ値、27.6km/lを達成することとなる。ターボエンジンはスポーティーモデルのムーブコンテカスタムのみに設定される。

安全装備として全グレードに運転席&助手席エアバッグを標準装備。EBD付きABSはLグレードにオプション。Xグレードでは標準装備となる。

前期型ムーヴコンテ(L575S/L585S)の持病 故障しやすい箇所

前期型のムーヴコンテにはいくらか有名な持病的な故障しやすい箇所がある。

オイル漏れ、オイル消費(オイル下がり&オイル上がり)

まずは定番のオイル漏とオイル消費れ。ムーヴコンテに限らず初期のKF型エンジンを搭載するダイハツ車(4代目ムーヴカスタム2代目タントエッセ)はかなりの確率でオイル漏れが発生しやすく、ヘッドカバーとシリンダーブロックの間からオイルが漏れやすい。

ヘッドカバーパッキン(ガスケット)の交換で修理できるが、漏れを放置するとオイルが想像以上に減ってエンジンにダメージを与え、最悪エンジンブローの原因となるので注意が必要だ。

また、オイル交換もこまめにやっていないと初期型のKFエンジンでは有名な「オイルリング固着」が発症している可能性も。

これはオイルリングがスラッジで固着し、オイルを大量消費する事態に発展する。オイル消費が激しい場合は対策品ピストンへ交換修理が必要で、費用がかさむケースも。

ウォーターポンプ

次にウォーターポンプ。これも初期のKF型エンジンでは有名な故障箇所で、後に対策品になるほど壊れやすかった。ウォーターポンプも放置するとエンジンが冷却できなくなり、オーバーヒートとなって最悪エンジンブローに至るケースも。

エンジンマウント

最後にエンジンマウント。KF型エンジンではエンジンマウントのゴムの劣化が激しく、駄目になってくると運転席や助手席側へ不快な振動音が車内に入ってくる。ゴムがちぎれてしまうと車検も合格しないため、これも確認ポイント。

中古のムーヴコンテを買う場合に特に注意したいポイント

前期型の中古ムーヴコンテを買う場合はヘッドカバーからにじみや漏れがないか、ウォーターポンプから異音がしないか、あるいは交換済みかを確認することをオススメする。

ムーヴコンテは燃費が悪い?

ムーヴコンテの前期型には4ATを採用したグレードと、CVTを採用したグレードの2種類が存在する。

とくに廉価グレード・Lグレードでは昔ながらの4ATが採用されており、4WD付きになると車重や抵抗も増え燃費が悪い傾向にある。

この時代のトルコン式ATはストップ&ゴーが多い街乗りではロックアップ機構が使えず、ミッションの伝達効率が悪い。そのため4AT&4WDのムーヴコンテは特に燃費が悪くなる。

後期モデルでは4ATを廃止し、全グレードCVT化。さらにミライースの低燃費技術から「エコ発電制御」、「エコアイドリングストップ」に「CVTの改良」で前期よりも燃費が良くなる。

燃費を気にする人は前期モデルでなく、後期モデルを強くオススメする。

インテリア(内装)

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インパネ。ムーブコンテはムーブとプラットホームを共有しているが室内の広さは若干狭くなっている。インパネ中央にはシートと同じアクセントカラーが入りかなりおしゃれ。

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上級グレードではオートエアコンが標準装備。

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廉価グレードとベーシックグレードではシンプルなスピードメーター。

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上級グレードではカスタムモデルと同じタコメーター付きの2眼タイプとなる。

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フロントシートはベンチシートタイプ。ベージュのシート表皮に赤のアクセントラインがオシャレ。シート自体も「プレミアムソファシート」でソファーのような座り心地を実現している。

さらに運転席には軽自動車では珍しいパワーシート(※一部グレードを除く)が装備され、ドライビングポジションの微調整が容易に可能となっている。

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リアシート。スライド機構は非装備。

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なお、一部グレード(Lリミテッド、X、Xリミテッド)ではメーカーオプションとして「ブラックインテリアパック」がオプション設定され、シート表皮をブラック系に変更できた。

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ラゲッジルーム。

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リアシートを倒した状態。

まとめ

ムーヴコンテの前期型はシンプルな外観にオシャレな内装が特徴の軽自動車である。

ちょうどスズキの初代アルトラパンの全高を上げたようなボディフォルムで、シンプルな点も非常に似ている。上述の通りムーヴやミラでは物足りなかったりどうしても気に入らないという人向けのモデルだ。

さらにワンランクレベルアップさせるならカスタムモデルの「ムーヴコンテカスタム」も設定されており、当時のラインナップとしてはかなり気合の入ったものであった。

【前期型】ダイハツ ムーヴコンテカスタム(L575S/L585S型) 概要解説

なお、2011年6月マイナーチェンジではフロントデザインが変更され、2012年4月ではミライースの技術を適用し、燃費が飛躍的にアップする。デザインや燃費が気になる人はあわせて後期型もチェックだ。

中古市場では前期型が10年落ちとなる年数経過もあってかなりお手頃な価格帯になってきている。ベーシックなセダンタイプで、ミラよりも内外装が良いのがポイント。

タントムーヴのような背の高い軽自動車が苦手な人にオススメなモデルである。

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