【後期型】ダイハツ ムーヴコンテ(L575S/L585S型) 概要解説 | シン・軽自動車マニア

【後期型】ダイハツ ムーヴコンテ(L575S/L585S型) 概要解説

ムーヴコンテ

ムーヴコンテはダイハツのワゴン型軽自動車。本稿では2011年6月マイナーチェンジ~2016年9月までを後期型とし、これを扱う。

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ダイハツ ムーヴコンテとは?

2008年8月に登場したダイハツのムーヴコンテ

当時のCMの「カクカクシカジカ 四角いムーヴ」というキャッチフレーズが耳によく残るこの車は、その言葉通りムーヴ系統でありながら直線を基調としたボディラインが最大の特徴である。

シンプルだけど合理的なデザインは、普通車でいうところのトヨタ・初代Bbに通じるところがあり、軽自動車という点も相まって(ムーヴやワゴンRなど独特のいかにも感があるデザインを好まない)女性ユーザーに受けが良かった。

パッケージング的にはスズキの初代アルトラパンの全高を少し高くしたようなボディフォルムで、ベーシック感が非常に強く万人受けしそうなデザインも特徴だ。

シンプルだけど合理的なデザインは、普通車でいうところのトヨタ・初代Bbに通じるところがあり、軽自動車という点も相まって(ムーヴやワゴンRなど独特のいかにも感があるデザインを好まない)女性ユーザーを狙ったものであった。

パッケージング的にはスズキの初代アルトラパンの全高を少し高くしたようなボディフォルムで、ベーシック感が非常に強く万人受けしそうなデザインとなっている。

ホイールベースは2,490mm、室内長は2,000mm、室内高は1,350mmを確保し、コンパクトなボディデザインながら余裕ある室内空間を実現している。

インテリアでもプレミアムソファーシートや運転席パワーエントリシートを採用し居心地の良さを追求。開放感のある前席や優れた静粛性とソフトな乗り心地を実現した。

また、インテリアにはシルバーのカラーアクセント、メッキパーツ、スピードメーターは白色3眼式メーターの採用で精悍さを強調した。

エンジンはツインカムDVVT・3気筒エンジン「KF-VE型」とツインカム3気筒ターボエンジン「KF-DET型」の2種類を設定。世界初の「インプットリダクション方式3軸ギヤトレーン構造」を採用したCVTにより低燃費も実現した。

安全面でも衝突安全ボディのTAFを採用し、国内及び欧州衝突安全基準を余裕をもってクリア。世界最高水準の前面フルラップ55km/h、前面オフセット64km/h、側面55km/h、後面55km/hの衝突実験においても優れた安全性を確保している。

便利装備としては助手席大型シートアンダートレイ、助手席アッパーボックスなどを採用し実用性をアップ。イモビライザー付きキーフリーシステムをグレード別に採用。

リバース連動ドアミラーを上級グレードにオプション設定し、「運転席シートリフター&チルトステアリング&アジャスタブルショルダーベルト」をセットにした「アンカーアジャスタブルパック」も上級グレードに標準装備、一部グレードでオプション設定とした。

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後期型ムーヴコンテとは?改良点や前期と後期の違い

そのムーヴコンテは2011年6月、フロントデザインの変更を伴うマイナーチェンジで後期型となった。

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後期型ムーヴコンテのフロント

出典:ダイハツ認定中古車

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前期型ムーヴコンテのフロント

後期型ムーヴコンテではフロントグリルのデザインを変更し、Lグレードはタイヤサイズを14インチ化。Xグレードではフルホイールキャップに新デザインを採用し。

全グレードでテールランプのストップランプをLED化。

さらに全グレードで第2世代KFエンジンを採用。また、上級グレード(XとカスタムGグレード)ではアイドリングストップ機構「eco IDLE」を搭載し、25.5km/Lの10・15モード燃費を実現。

加えて全グレードで平均燃費計を標準装備し、キーフリーシステム搭載グレードでは「リクエストスイッチ」(スイッチ操作で施錠と解錠が可能)を採用した。

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後期型ムーヴコンテのインパネ

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前期型ムーヴコンテのインパネ

出典:ダイハツ認定中古車

インテリアではセンタークラスターをダークシルバー塗装に変更し、スピードメーターのデザインも変更するなど、外装とメカニズムでのマイナーチェンジとなっている。

よってムーヴコンテの前期・後期の外観上はフロントグリルのデザインの違い、Xグレードのみホイールキャップが新デザイン。テールランプのストップランプをLED化。

内装ではセンタークラスターの色がダークシルバー化しスピードメーターのデザインの変更。

機能面では上級グレードでエコアイドルを搭載。キーフリーシステム搭載グレードはリクエストスイッチが採用されるなどの違いがある。

後期型ムーヴコンテのグレード L,X,G NAVI,Xリミテッド,X VS,X VSスマートセレクションSN,L VSⅡの違いなど

後期型ムーヴコンテのグレード展開は下から順に「L」、「X」、「G NAVI」の3種類。すべて自然吸気エンジンのみで、ターボエンジンはカスタムモデル(ムーヴコンテカスタム)のみに設定。

これ以外に特別仕様車で「Xリミテッド」、「X VS」、「X スマートセレクションSN」、「X VSスマートセレクションSN」、「L VSⅡ」が設定されていた。

カスタムモデルのムーヴコンテカスタムはこちらから。

【後期型】ダイハツ ムーヴコンテカスタム(L575S/L585S型) 概要解説

L

後期型ムーヴコンテのエントリーグレード。上級Xグレードよりも装備を簡略化し価格を抑えた安価なグレード。

Xグレードと比較してエクステリアではほぼ同じで、エコアイドルのエンブレムがリアゲートにない程度。

インテリアではシート表皮がウォームグレー(オプションのブラックが非設定)、ステアリングホイールはウレタンのみ、シフトレバーボタンのメッキも非設定。

快適装備ではマニュアル式エアコン、電波式キーレスエントリーのベーシックな装備となる。

全グレード共通で3眼式スピードメーター(タコメーター付き)、ホイールキャップ、パワステ、EDB付きABS、パワーウィンドウ、集中ドアロック、UVカットガラス、プライバシーガラスを標準する。

X

後期型ムーヴコンテの上級グレード。Lグレードよりも装備が若干グレードアップする。

エクステリアではLグレードとほぼ同じだが、エコアイドル搭載により「ecoアイドル」エンブレムがリアゲートに付く。

インテリアではLグレードに対してオプションでブラックインテリアと本革巻きステアリング、メッキシフトレバーが選択可能。

快適装備ではフルオートエアコンとキーフリーシステム(イモビライザー付き)が標準装備。このほかXグレードにはLグレード非装備のアイドリングストップ機構(ecoアイドル)も付く。

G NAVI

2011年9月に途中追加された最上級グレード。

Xグレードの装備に追加でバックモニターやエコドライブ運転支援機能付き「メモリーナビゲーションシステム」やフォグランプなどを標準装備する。

特別仕様車 X リミテッド

2012年11月設定の特別仕様車。Xグレードをベースに内装でブラックインテリアと外装にLEDターンランプ付きドアミラーを標準装備。

この追加装備でXグレードよりもお買い得とした特別仕様車だった。

特別仕様車 X スマートセレクションSN

2014年5月設定の特別仕様車。

Xグレードにスマートフォン連携メモリーナビゲーションシステムやスーパーUV&IRカットガラス(フロントドア)、スーパーエアクリーンフィルターなどを標準装備したグレード。

特別仕様車 X VS

2014年5月設定の特別仕様車。

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出典:ダイハツ認定中古車

Xグレードをベースに「カラードエアロリヤバンパー」、「クリアーコンビランプ」、「フォグランプ&パールホワイトベゼル」を標準装備。

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出典:ダイハツ認定中古車

ベースモデルよりも外観をスタイリッシュとしたモデル。

X VSについてはこちらから。

【後期型 特別仕様】ダイハツ ムーヴコンテ X VS/X VSスマートセレクションSN(後期型 L575S/L585S型)

特別仕様車 X VSスマートセレクションSN

上記X VSに追加でスマートフォン連携メモリーナビゲーションシステム、スーパーUV&IRカットガラス(フロントドア)、スーパーエアクリーンフィルターなどを標準装備したグレード。

X VSスマートセレクションSNについてはこちらから。

【後期型 特別仕様】ダイハツ ムーヴコンテ X VS/X VSスマートセレクションSN(後期型 L575S/L585S型)

L VSⅡ

2015年4月設定の特別仕様車。VSシリーズ第2弾。内外装にスタイリッシュな特別装備を与えて精悍さをアップさせたモデル。

出典:ガリバー

L VSⅡではLグレードをベースに特別装備として

外装ではVSⅡ専用シルバーグリル、メッキベゼル付きハロゲンフォグランプ、専用14インチアルミホイール、カラードエアロリアバンパー、リヤスポイラー、クリスタルコンビランプ(LEDタイプ)、フロントウィンドウにトップシェイドガラスを標準装備。

出典:ガリバー

内装ではブラックインテリアパックを適用しカスタム用のブラックインパネやシート表皮、

スピードメーターに本革巻ステアリングホイールを与え、インナードアハンドルやエアコンレジスターの部をメッキ化し内外装で魅力をアップさせた特別仕様車。

L VSⅡについてはこちらから。

【後期型・特別仕様】ダイハツ ムーヴコンテ L VSⅡ(L575S/L585S型)

エクステリア(外装)

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出典:ダイハツ認定中古車

フロントグリル。前期ムーヴコンテでは4本ラインのオーソドックスなタイプだったが、後期型では太いラインを一本(グリルには出っ張り入り)とし、上下に非対称の開口部を設けたデザインとした。

これにより前期のオーソドックス感が若干薄れ、スタイリッシュ感がアップした。

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出典:ダイハツ認定中古車

なお、2014年5月登場の特別仕様車、「X VS」および「X VSスマートセレクション SN」ではグリルとフォグランプまわりがホワイト化。

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出典:ダイハツ認定中古車

2015年4月登場の特別仕様車、「L VSⅡ」では前期型グリルのシルバータイプ&フォグランプまわりがメッキ化されるなど、ノーマルタイプのムーヴコンテでも特別仕様車では若干異なる。

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出典:ダイハツ認定中古車

サイド。2011年6月マイナーチェンジで全グレードにフェンダーウィンカーが標準装備された。

また、2013年7月マイナーチェンジでは「2トーンセレクション」がオプション設定され、選択時にはルーフ部分がホワイトカラーとなった。

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出典:ダイハツ認定中古車

廉価グレードではオーソドックスな14インチスチールホイール+フルホイールキャップ。タイヤサイズは155/65R14。

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2011年6月マイナーチェンジでXグレードには専用デザイン(特別仕様車「X +S」)の14インチフルホイールキャップが標準装備。

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廉価グレードを除いてキーフリーシステムとセキュリティーアラームを標準装備。キーフリーシステムでは運転席リクエストスイッチが追加された。

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出典:ダイハツ認定中古車

リア。デザイン的には前期と同じだが、

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ムーヴコンテの後期モデルではブレーキランプがLED化された。

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出典:ダイハツ認定中古車

さらに特別仕様車の「X VS」、「X VSスマートセレクション SN」や「L VSⅡ」ではムーヴコンテカスタム用のクリアータイプと反射板を埋め込んだエアロバンパーが標準装備される。

エンジン・機能装備・安全装備など

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エンジンはKF型の3気筒DOHC自然吸気エンジン。最高出力は52ps(38kW)/7200rpm、最高トルクは6.1kg・m(60N・m)/4000rpmとなる。

2012年4月マイナーチェンジでは(それまではXグレードなど上級のみだったが、)全グレードで「eco IDLE」が標準装備。

さらにエコ発電制御もプラスされたことでFFのLグレードで27.5km/lを達成。さらに2013年7月マイナーチェンジではこれに加えCVTサーモコントローラーを採用。

FFモデルではエコアイドルの停車前アイドリングストップの車速を9km/h以下にはやめたことでさらに燃費アップ。27.6km/lを達成した。

駆動方式は前期では廉価グレードに4ATの設定があったが、後期ではすべてCVT化された。駆動方式はFFまたは4WD。

ABS(ブレーキアシスト付き)とEBD、セキュリティーアラームは標準装備だが、自動ブレーキ等の設定はない。

ムーヴコンテ L575SとL585S型との違い

ムーヴコンテ、L575SとL585S型との違いは駆動方式。L575S型は前輪を駆動するFFのムーヴコンテ。

L585SはL575型をベースに前輪を駆動する4WDのムーヴコンテ。4WDのシステムにはビスカスカップリングが用いられる。これは普段はFFで走行し、悪路や雪道などで自動的に4WDに切り替わるタイプ。

ジムニーなどのパートタイム4WDとは異なり、タイトコーナーブレーキング現象も起きないため街乗り4WDには多く用いられる。一方でビスカスカップリングには寿命があり、ダメになるとカーブや駐車場など曲がろうとした際に後輪から異音が発生する。

特に過去のスズキ車でビスカスカップリングの不具合が多く見られたが、過走行なムーヴコンテの場合も購入前に異音がしないか確認することをオススメする。

インテリア

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出典:ダイハツ認定中古車

インパネ。2011年6月マイナーチェンジではセンタークラスターがダークシルバー化された。

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出典:ダイハツ認定中古車

スピードメーターも後期型ではデザインを変更。5代目ムーヴカスタム 後期モデル用の色違いを採用した。

左側にタコメーター、真ん中にスピードメーター、右側に燃料計。左下が走行距離やシフトポジション。右下は燃費計や時計などを表示する3眼式マルチメーターとなる。

特に後期メーターではスピードメーターが大型化されより見やすくなり、液晶が2分割となって一度に表示できる情報量が増えている。

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出典:ダイハツ認定中古車

フロントシートはベンチシートタイプ。フロントグリルのデザインを変更した2011年6月時点ではシートおよびインパネのアクセントラインがレッド系だったが、2013年7月マイナーチェンジでこれがグリーン系に変更された。

これ以外にXグレードではカスタムと同じブラックシート表皮などを採用した「ブラックインテリアパック」をオプション設定。

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出典:ダイハツ認定中古車

リアシート。前期と同じくスライド機構は非装備。

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出典:ダイハツ認定中古車

ラゲッジルーム。

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出典:ダイハツ認定中古車

リアシートを倒した状態。左右分割式で利便性は高いが、ラゲッジスペースとリアシートの間に段差が発生し、完全なフルフラットとはならない。

まとめ・ムーヴコンテの生産終了とその理由

後期型ムーヴコンテの総評

ムーヴコンテの後期型はスタイリッシュになったフロントデザインにLED化されたコンビランプ。

メカニズムでは新エンジンやエコアイドルの搭載で(一番良いグレードで)27.6km/hの燃費を達成するなど見た目とメカニズムで順当なマイナーチェンジとなっている。

特に燃費が飛躍的に伸びた点(廉価グレードではデビュー当初の21.0km/lから27.6km/h)は街乗りメインの軽自動車としては評価すべき部分で、経済性もアップしている。

ただし、この年代の軽自動車にしては自動ブレーキ(スマートアシスト)が非搭載など設計年が古いゆえの問題点もあるため、自動ブレーキが欲しい人には注意が必要だ。

その一方で、デザイン的にはシンプルかつ合理的で飽きのこないものなので、デビューからかなり経過しているにもかかわらずその古さを感じさせない点は未だ魅力的である。

中古車としても意外と人気な部類で特に後期モデルは高値の個体も多いが、ムーヴやタントとはまた違ったデザイン性の高い軽自動車として需要があるだろう。

前期型であればかなり手頃になっているので、価格的には前期型もオススメ。

OEMモデル トヨタ・ピクシススペース

なおムーヴコンテはトヨタ自動車へ「ピクシススペース」としてもOEM供給された。ダイハツの違いはエンブレム程度で、グレード名もまったく同じ。

特別仕様車の設定が無いなど簡素化されているが、トヨタエンブレムにより若干雰囲気が異なるモデル。ダイハツの安っぽさが嫌だったり、トヨタブランドが好みな場合は、変化球的にトヨタ・ピクシススペースという手もあり。

【ムーヴコンテOEM】トヨタ ピクシススペース(L575A/L585A型)

ムーヴコンテ生産終了(廃止)の理由 後継モデルなど

なお、ムーヴコンテは後継モデルの「ムーヴキャンバス」の登場により2016年7月に生産終了となった。

その理由としては設計が古く自動ブレーキの搭載が難しかったこと、軽自動車の売れ筋がセダンタイプからトールワゴンやハイトワゴンに遷移し、ムーヴコンテがあまり売れなくなっていたことなどが主な理由だ。

その後はムーヴの派生モデルとしてスライドドア+ハイトワゴン+デザイン性の優れた新型「ムーヴキャンバス」や、ムーヴコンテと同じセダンタイプの「ミラトコット」が後継モデルとして登場している。

【初代】ダイハツ ムーヴキャンバス(LA800S/LA810S型)グレード・概要解説

【ミラココア後継・セダンタイプ】ダイハツ ミラ トコット(LA550S/LA560S型) 概要解説

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