【5代目・前期型】スズキ アルト(HA12S/HA22S/HA12V型) | シン・軽自動車マニア

【5代目・前期型】スズキ アルト(HA12S/HA22S/HA12V型)

アルト

アルトはスズキのハッチバック型軽自動車。本稿では5代目HA12S、HA22SおよびHA12Vの前期型(1998年10月~2000年11月)を扱う。

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出典:Goo-net
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5代目アルトとは?

キャリィジムニーの次ぐらいに歴史の長いスズキのベーシックな軽自動車「アルト」。

初登場の1979年から数えて5回目となるフルモデルチェンジは、軽自動車新規格にあわせて1998年10月に登場した。

5代目アルトはそれまでの角張ったフォルムから曲線を意識したデザインに変更され、1998年の軽乗用車新規格にあわせて新開発の「軽量衝撃吸収ボディー」を採用。

クラッシャブル構造や骨格構造も取り入れ安全性と軽量設計を両立させた。ボディサイズは先代よりも全長は100mm、全幅は80mm拡大。

これにあわせて重量増を抑えるために小さな部品にまで軽量化を徹底。全体での軽量設計が追求されている。

メカニズムでは上級グレードに新技術となるDOHCリーンバーンエンジンや、SOHCターボ、CVT、電子制御スロットルの採用で低燃費を追求。

特にリーンバーンエンジン仕様車(FF・5MT)では10・5モード燃費で29.0km/リットルの低燃費を実現した。

また、ホイールベースの延長やトレッドの拡大により乗り心地をアップ。ボディ剛性の向上で静粛性を高めるなど先代よりも快適性が向上した。

また、一部グレードを除いてブレーキアシスト付4輪ABSをオプション設定するなど安全機能も向上させている。

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エクステリア

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出典:Goo-net

フロントデザイン。先代までは角張ったベーシックなヘッドライトだったが、5代目ではこれを横長の楕円形に変更。さらに内部をインナーブラックとすることでスポーティーなイメージを与えている。

後期型ではこれがマルチリフレクター化され、再び内部はメッキタイプに変更されるが、前期では少しいかつい顔が特徴である。

これに小さいベーシックなグリルとこれまたベーシックなバンパーが加わり、それまでにアルトのイメージを払拭するものとなっている。

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出典:Goo-net

サイドから。フロントからリアにかけてバランスの良い曲線を描き、先代よりも見た目が良くなっている。この代では依然として全高が低く、昔ながらの高さをキープ。

バンタイプと乗用モデル両方に3ドアと5ドアの2種類が設定され、バンタイプと乗用モデルの上位グレード(エポP2など)を除きドアミラーとドアハンドルは未塗装となる。

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出典:Goo-net

リア。コンビランプの位置こそ踏襲しているがボディに合わせて大型化。先代よりもスタイリッシュとなっている。

エンジン・機能装備・安全装備など

エンジンは3気筒のK6A型自然吸気エンジンまたはF6Aターボエンジンの2種類。

5代目では自然吸気エンジンがリーンバーン仕様と非リーンバーンで2種類存在し、またアルト史上初のノーマルモデルにターボエンジン(※60馬力仕様)を搭載したグレード(アルト エポターボ)が設定され、先代に引き続きホットなスポーツモデル、「アルトワークス」も継続設定。

ベーシックなノーマルモデルとスポーティーなアルトワークスとの2本構成となっていた(5代目アルトに設定されたアルトワークスはこちらを参照)。

【4代目 前期型】スズキ アルトワークス RS/Z (Alto Works rs/z)(4th HA22S型)概要解説

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出典:Goo-net

先代でも採用されていたF6A型直列3気筒SOHC自然吸気エンジンは最高出力42ps(31kW)/5500rpm、最大トルク5.6kg・m(54.9N・m)/3500rpm。

商用モデルのVsや乗用モデルのLc、エポなどに搭載。

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出典:Goo-net

同じく先代でも採用のK6A型直列3気筒DOHC自然吸気エンジンは最高出力55ps(40kW)/6500rpm、最大トルクは6.3kg・m(62N・m)/3000rpm。

乗用モデルの最上級グレード、「エポ2」に搭載。

同K6A型のリーンバーン仕様では特性が異なり最高出力46ps(34kW)/6000rpm、最大トルは5.8kg・m(57N・m)/3500rpm。

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出典:Goo-net

5代目アルトに新設定となった、ノーマル顔のターボグレードである「エポターボ」用にはF6A型直列3気筒SOHCインタークーラー付きターボエンジン。

燃費と出力を両立させたマイルドターボ仕様となり最高出力は60ps(44KW)/6000rpm、最大トルクは8.5kg・m(83N・m)/4000rpm。

このエンジンはエポターボ以外に同年代のワゴンRKeiなどでも用いられ、価格を抑えたターボ仕様となっていた。

トランスミッションはバンタイプが4MTまたは3AT、乗用モデルが5MTまたは3ATの2種類。

1999年5月マイナーチェンジではリーンバーンエンジン仕様車でCVTを設定、1999年10月マイナーチェンジではエポターボと乗用モデルの上級グレード(エポP2)のFFモデルで3ATが4ATに変更された。

駆動方式はFFまたは4WDの2種類。

インテリア

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乗用モデルのインパネ。

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商用モデル(4MT)のインパネ。基本的に同じものだが、バンタイプでは助手席エアバッグが無いため、ダッシュボード上部にくぼみがある。

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スピードメーター。ブルーを背景とするベーシックなタイプで乗用ともバンタイプとも同じタイプ。

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バンタイプの5MT。

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乗用タイプの5MT。シフトブーツに違いがある。

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乗用モデルのフロントシート。若干サイドのサポートが付く。

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バンタイプのフロントシート。ヘッドレストは分離式だがサイドのサポートが無い質素なタイプ。

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乗用タイプのリアシート。上級グレードのエポP2では左右分割式となる。

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バンタイプのリアシート。こちらは従来通り左右一体式。

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乗用タイプのラゲッジルーム。

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バンタイプのラゲッジルーム。こちらは乗用タイプのような裏地が無く、荷物を乗せることをメインとしている。

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リアシートを倒した状態。

まとめ

5代目アルトの前期モデルはそれまでのイメージを一新するフロントデザイン、ボディフォルムなど新規格に相応しいフルモデルチェンジとなっている。

後期型ではヘッドライトがマルチリフレクター化され見た目が良くなる。スポーティーな路線はなくなるものの再びベーシックで親しみやすいデザインとなるので、個人的には後期型がオススメだ。

また、5代目アルトはライバルのダイハツ・5代目ミラ同様に全高が低いことがモータースポーツ(特にジムカーナ)で重宝され、「値段の安い&軽い&5MT」という需要が密かにあるモデルでもある。

中古市場では登場からかなりの年数が経過している関係でかなり格安で入手できる1台。状態の確認が必須となるがとにかく安く乗れる足車としてあるいは前述のとおり密かなジムカーナのベース車として一部のユーザーに人気なモデルである。

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