【2代目 キャリィOEM】日産 NT100クリッパー(クリッパートラック)DR16T型

NT100クリッパー(クリッパートラック)

NT100クリッパーは日産のトラック型軽自動車。スズキ・キャリィトラックのOEMモデルである。本稿では2代目のDR16T型を扱う。

画像参照元:日産認定中古車

概要

2013年12月にフルモデルチェンジし、2代目となった日産のNT100クリッパー。

初代は三菱・6代目ミニキャブトラックのOEM供給を受け販売されていたが、そのOEMは三菱のミニキャブトラック生産終了(市場撤退)を受けて一旦終了。変わってスズキからキャリィトラックのOEM供給を受けての再スタートとなった。

キャリィベースとなったことで最小回転半径も3.6mとなり、それまでのロングホイールベースのシティユースをメインとした形から農道にも対応できるキャブオーバー型となった。

荷台フロア長も拡大され、先代の1,940mmから90mm延長した2,030mmを確保。長ものや沢山の荷物を詰めるようになった。

またエンジンもスズキの次世代省燃費エンジン(R06A型DOHCエンジン)により燃費が向上。一方でスズキには採用されるセミオートマのAGSは他社OEM同様に設定がない。ボディも表面のほとんどに防錆鋼板を採用し強い防錆対策が行われている。

フレームも軽量衝撃吸収ボディーTECT(テクト)の採用で56km/hオフセット衝突法規に対応。軽量化を図りつつも軽くて丈夫な高張力鋼板の使用部位拡大で衝突安全性を高めた。

運転席SRSエアバッグは全グレードで標準装備とし、助手席エアバッグや助手席シートベルトプリテンショナー機構、ABSは一部グレードでメーカーオプション設定した。

インパネの収納スペースも工夫がなされ、三菱OEM時代より使い勝手が向上。大型インパネアンダーポケット、インパネペンホルダー、ショッピングフックなどを装備し使い勝手を向上させた。

NT100クリッパー(DR16T)の特徴とスズキ・11代目キャリィ(DA16T)との違い

NT100クリッパー(DR16T)はスズキ11代目キャリィ(DA16T)のOEMモデルで兄弟モデルにあたる。

DR16T (7)

両者の違いはフロントグリル。先代同様に日産のアイデンティティであるVモーショングリルを採用した専用デザインを取り入れ、日産らしい軽トラックとしているのが特徴。日産エンブレムもグリル内に移動となる。このグリルまわり以外はエンブレムや車名デカール程度の変更となる。

他のOEMモデル(三菱・ミニキャブトラックやマツダ・スクラムトラック)の中でも唯一専用デザインが与えられるOEMモデルだ。

その他グレード構成がスズキと若干異なり、ベーシックな「SD」グレードはキャリィの「KCパワステ」。ミドルグレードのDXがキャリィの「KCエアコン・パワステ」グレード。デフロックを備えた「DX農繁仕様」は「KCエアコン・パワステ農繁仕様」、最上級のGXはキャリィの「KX」に相当する4グレード構成。

ただしキャリィにあるキャリイの「KC」、「KC パワステ 農繁仕様」に相当するグレードは未設定。さらに11代目キャリィの特徴でもある5AGSモデルやディスチャージヘッドランプは未設定(※ディスチャージヘッドランプから置換されたLEDヘッドライトはNT100クリッパーにも設定)となる。

また、デボディカラーはスペリアホワイトとシルキーシルバーメタリックの2色のみ。その他のボディカラーは(キャリィに設定のある黒系のブルーイッシュブラックパール、濃緑系のクールカーキパールメタリック、濃青系のノクターンブルーパールなど)未設定となる。

なお、スズキのキャリィには軽トラックでも特別仕様車の設定があるのに対し、OEMのNT100クリッパーには一切未設定となっている。

NT100クリッパーの一部改良、マイナーチェンジなど

NT100クリッパー(DR16T)、2型の改良点

2015年9月一部改良ではエンジン制御変更で燃費を向上。運転席&助手席シートの座面を大型化。エアコンフィルターを全グレードで追加。荷台の左右ステップ下に荷台平シート用フックを新たに採用し、リアゲート中央部にゲートフックを追加した。

さらに防錆鋼板をルーフパネルにも追加採用したことでボディ表面積が100%防錆鋼板化となった。

NT100クリッパー(DR16T)、3型の改良点

2017年11月一部改良では最上級のGXグレードのみに設定のABS、助手席エアバッグ、助手席シートベルトプリテンショナーの3点セットを「SD」「SDX」、「DX農繁仕様」グレードへ拡大標準装備化。

グローブボックスも拡大化。アクセサリーソケットが新規に標準装備となった。また、GXグレードではそれまでのオーディオ格納スペースが1DINから2DINへ変更となる。

2018年6月の一部改良では「踏み間違い衝突防止アシスト(スズキの誤発進抑制機能及び後退時誤発進抑制機能に相当)」が最上級のGXグレードに標準装備となった。

NT100クリッパー(DR16T)、4型の改良点

2019年9月の一部改良では自動ブレーキの「インテリジェントエマージェンシーブレーキ」がグレードアップ。

夜間の歩行者検知にも対応したインテリジェント エマージェンシーブレーキ、ハイビームアシスト、LDW(車線逸脱警報機能)、インテリジェント DA(ふらつき警報機能)、踏み間違い防止アシスト、先行車発進お知らせ機能、VDC(ビークルダイナミクスコントロール&TCS等)ヒルスタートアシストをセットにした「DX セーフティパッケージ」を新設定。

最上級の「GX」グレードはハイビームアシスト、LDW、インテリジェントエマージェンシーブレーキ、インテリジェントDA、オートライトシステム、VDC、先行車発進お知らせが標準装備された(※踏み間違い防止アシストには超音波センサーからステレオカメラ方式に変更)。3AT車はヒルスタートアシストも標準装備化。

ただし、廉価グレードのDXとDX農繁仕様に関しては自動ブレーキ類が未設定。このときにエアコンが全車標準装備となった。

なお、キャリィではこのときに白やシルバー以外のボディカラーが追加されたが、NT100クリッパーには追加とならず、スペリアホワイトとシルキーシルバーメタリックの2色のままとなる。

NT100クリッパー(DR16T)、5型の改良点

2021年8月26日の一部改良ではそれまで「GX」グレードのみだったVDCとオートライトシステムが「DX」と「DX農繁仕様」にも拡大して標準装備化。

GXグレード3AT車のみ標準装備だったヒルスタートアシストはDXの3AT車、「GX」の5MT車にそれぞれ拡大して標準装備となった。

さらに「GX」の4WD・3AT車と「DX」、「DX セーフティパッケージ」グレードには悪路や雪道などで脱出性を高める「ブレーキLSD(※スズキではグリップコントロール)」を標準装備とした。

「DX農繁仕様」には積載時の安定性を高める強化リアサスペンション(4枚リーフスプリング)を標準装備化。

インテリアではカードケースが全車標準装備。

なお、キャリィではこのときエクステリアで上級グレード用のメッキフロントガーニッシュが全グレード標準装備となったが、日産版では未設定で従来どおりのフロントとなる。

NT100クリッパー(DR16T)、6型の改良点

2022年4月の一部改良では吸気側にもVVTを採用したエンジンに改良。AT車はそれまでの3速から4速ATに多段化。アイドリングストップ機能「オートストップ&ゴー」を採用したことで燃料消費率が改善された。

ヘッドライトもGXには最新のLEDヘッドライトを適用した。

2代目NT100クリッパーDR16Tのグレードの違い

2代目NT100クリッパーのグレード構成は下から順番にSD、DX、DX農繁仕様、GXの4種類。2代目では先代のモデル初期に存在した最上級グレード、GXが復活している。

なお、スズキには特別仕様車の設定があるが日産版は一切なく、基本グレードのみ。

SDグレード

SDは廉価グレードで、5MT&4WDの組合せのみ。ミニキャブトラックOEM時代とは異なり、パワステ、UVカットガラス、EBD付きABS、AM/FMラジを標準装備するなど装備が良くなっている(※エアコンは引き続きオプション)。2019年9月の4型改良で廃止された。

DXグレード

DXはエントリーグレード。SDにはない2駆のFRモデルや、ATモデルが設定され、快適装備もパワステとエアコンが標準装備となる。

DX農繁仕様

DX農繁仕様は農家に特化させたグレード。悪路での走破性を高めるデフロックが標準装備となり、機能装備でもアッパーメンバーガードやアングルポストプロテクター、バックブザー、荷台作業灯が標準装備となる。

GXグレード

GXは上級グレード。キャリイのKXグレードに相当するグレードで、DXの装備に加えフォグランプを標準装備。ディスチャージヘッドライトがオプション設定され内装でもファブリックシートなどで内外装が上級装備となる。

モデル後半ではLEDヘッドライトが標準装備化。自動ブレーキも追加された。

エクステリア(外装)

DR16T (7)

フロントデザイン。日産版の変更点としてはミニキャブトラックのOEM時代同様にフロントグリルを少変更。先代のようにウィンググリルとすることで日産らしさを表現した。

ただし、先代のような黒とボディカラーのツートン仕様ではなくボディカラーと同色の控えめな仕様となっている。この他バンパーはベースと同じで変更点はこのグリルと日産エンブレムのみとなる。またスズキのキャリィトラックでは上級グレードにメッキグリルが装着されるが、日産版ではそれが一切ない。

2022年4月の一部改良では最上級のGXグレードでLEDヘッドライトが新規採用された。

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サイドから。このあたりは特に変更点は無い。先代はタイヤを最前面に配置したロングホイールベースだったが、ベースモデルの変更でショートホイールベースに。形はフルキャブ型となりエンジンは助手席側に傾斜させて縦型に配置。基本は後輪を駆動し、スイッチで4WDとなる。

足元は12インチスチールホイール。DR16Tのタイヤサイズは145R12-6PR。

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リア。

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車名と日産デカールが左側に付く。先代の後期ではNISSANとNT100が横一列だったが、2代目では2段となる。

エンジン・機能装備・自動ブレーキなど

Da16T_special (14)

エンジンは3気筒のNAで乗用モデルで実績のある新世代のR06A型直列3気筒DOHC自然吸気エンジンを採用。最高出力は50ps(37kW)/5700rpm、最大トルクは6.4kg・m(63N・m)/3500rpm。

2022年4月の一部改良(6型)では吸気側にもVVTを採用したエンジンに改良され、スペックが若干変化。最高出力は50ps(37kW)/6200rpm、最大トルクは5.9kg・m(60N・m)/3500rpmとなる。

トランスミッションは3AT(後に4ATに置換)または5MTの2種類、駆動方式はFRまたはパートタイム4WDとなる。4WDの一部グレード(DX農繁仕様、GX 5MT車)にはハイロー切り替えレバーも付く。DX農繁仕様グレードの4WDではデフロックを備える。

スズキ版では新開発の5AGS(クラッチを自動化させたMT)の設定があるが日産版には設定されない。駆動方式はFRまたはパートタイム4WDとなる。

安全装備として運転席&助手席エアバッグとEBD付きABSを全グレードで標準装備。

自動ブレーキはデビュー当初設定が無かったが、2018年6月の一部改良では「踏み間違い衝突防止アシスト(スズキの誤発進抑制機能及び後退時誤発進抑制機能に相当)」が最上級のGXグレードに標準装備化。

2019年9月の一部改良では自動ブレーキの「インテリジェントエマージェンシーブレーキ」がグレードアップ。夜間の歩行者検知も可能となった他、ハイビームアシスト、LDW、インテリジェントエマージェンシーブレーキ、インテリジェントDA、オートライトシステム、VDC、ヒルスタートアシスト、先行車発進お知らせがGXグレードに標準装備。DXでは上記がセットオプション化された。

インテリア(内装)

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インパネ。キャリィベースとなったことで収納スペースが飛躍的に増加。使い勝手がかなり向上した。

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スピードメーター。タコメーター無しのシンプルな1眼式。

エアコンはマニュアル式エアコン。デビュー当初は操作パネルが左右調節式だったが、

3型改良でダイヤル式に変更された。

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5MTのシフトノブ。

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ハイロー切り替えレバー(DX農繁仕様、GX 5MT車のみ)。

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シート。GXグレードのみファブリックシートで、それ以外は塩ビレザーシート。背もたれこそ出来ないがシートスライドは14段階・140mmスライド可能で、快適背もアップしている。

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ボディはキャリィトラック同様に徹底した錆対策を行い、表面サビ3年&外板穴あき5年のサビ保証が標準付帯された。

2代目NT100クリッパートラックのまとめ

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2代目NT100クリッパーは先代よりもベース車を変更し、がらりとイメージを変えた日産のOEM軽トラックとなっている。

キャリィトラックは日産以外にもマツダにはスクラムトラック、三菱にはミニキャブトラックとしてOEMされているがフロントデザインの変更が与えれているのは日産版のみとなり、OEM兄弟の中では個性が与えられている。

また新エンジンとボディの軽量化により軽トラックとしては燃費も改善(5MTの4WDで19.6 km/l)されており、順当なフルモデルチェンジといえよう。

スズキの11代目キャリィトラックを考えている人で変化球的なモデルが欲しい場合はこの2代目NT100クリッパーがおもしろいかも知れない。

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