スクラムトラックはマツダの軽トラック型軽自動車。スズキ・キャリイのOEMモデルである。本稿では4代目のDG16型について扱う。
出典:マツダ認定中古車
4代目 マツダ・スクラムトラックとは?
2013年9月にフルモデルチェンジし、4代目となったマツダ・スクラムトラック。
マツダのスクラムトラックは他の軽自動車と同じくスズキ自動車からのOEM供給を受けて販売されるモデルで、DG16T型は11代目キャリイ(DA16T)のOEMモデルとなる。
14年ぶりの全面改良となった4代目モデルではキャリイと同じく車体のレイアウトを全面的に見直すことで、クラストップの最少回転半径3.6m、クラストップの荷台フロア長を実現しながら居住空間を拡大。
また、オフセット衝突法規への対応や防錆対策強化による長期サビ保証の実現など軽トラックに求められる安全性や耐久性も向上。
さらにK6A型に変わるR06A型新型エンジンの採用や高張力鋼板の採用による車体の軽量化などにより、「KCエアコン・パワステ」2WD・5MT車では当時の軽自動車としてはトップクラスの低燃費18.6km/L(JC08モード)を達成した。
①使いやすさと機能装備の充実化
- 車体のレイアウトを見直し、クラストップの荷台フロア長2,030mmの広い荷台を実現しながら、室内空間を拡大
- フロントウインドーを前方に移動し、頭部前方の空間を拡大
- 作業しやすいクラストップの荷台床面地上高650mm
- 配光性に優れるマルチリフレクタータイプのハロゲンヘッドランプを全車に採用
- フロントフォグランプを新機種「KX」に標準装備
- 豊富な収納スペース
- – オーディオを視認性の良い上部に配置するとともに、周辺に豊富な収納スペースを採用
- – ティッシュボックスをそのまま置ける大型インパネアッパートレーを装備
(助手席SRSエアバッグ装着車を除く) - – タオルや軍手も置ける、大型インパネアンダーポケットを採用
- – ペンを3本収納可能なインパネペンホルダーを装備
- – 買い物袋などをかけることができるフックをグローブボックス下部に装備
- 車体に防錆鋼板を多用し、荷台を含むボディー外板の表面サビ3年、穴あきサビ5年の長期サビ保証を実現
- 車体塗装に中塗り工程を加えた3層塗装を全車へ新採用
②快適な走りと環境性能
- 新エンジン「R06A型エンジン」の採用と車体の軽量化などにより、「KCエアコン・パワステ」2WD・5MT車ではクラストップの18.6km/L(JC08モード)の低燃費を達成
- 「平成19年排出ガス基準」および「平成27年度燃費基準」を全車で達成
- 高張力鋼板を車体の随所に採用し、軽量化を図りつつ衝突安全性能を向上。56km/hオフセット衝突法規にも対応
- ショートホイールベースの採用によりクラストップの最小回転半径3.6mを実現
- 「KCパワステ農繁」には、悪路走破時に威力を発揮する、デフロックや高低速2段切替え式パートタイム4WDを標準装備
スクラムトラック(DG16T)とキャリイ(DA16T)の違いなど
マツダ・スクラムトラックとスズキ・キャリイの違いはエンブレム程度で、内外装は同じ。
グレード名もキャリイと同じだが、グレード展開や仕様に違いがあり、最廉価グレードの「KC」がスクラムトラックには非設定で、その次の「KCパワステ」、2015年8月以降は「KCエアコン・パワステ」グレードからの設定。
またデビュー当初はキャリイの「KCエアコン・パワステ農繁仕様」が非設定で、上級「KX」グレードでは4WD・3AT仕様のみとなっていた。
トランスミッションもスクラムトラックには5AGSが非設定(兄弟モデルの日産・NT100クリッパーのみ5AGSが設定される)。
ボディカラーも「スペリアホワイト」1色のみで、上級KXグレードではディスチャージヘッドランプ(後にLEDヘッドランプ)が非設定。
さらにキャビンを拡大した「スーパーキャリイ(ダイハツ・ハイゼットジャンボの対抗グレード)」や特別仕様車はスクラムトラックには非設定など、グレードが一部簡略化・厳選されている。

スクラムトラック(DG16T)のグレード一覧 KCエアコン・パワステ付き、KCパワステ・農繁、KCエアコン・パワステ、KCエアコン・パワステ農繁、KXの違いなど
4代目スクラムトラックのグレード展開はエントリー「KCパワステ」、ミドルグレード「KCエアコン・パワステ付き」、農家向け「KCエアコン・農繁」、「KCエアコン・パワステ農繁」、上級「KX」などを設定。
特別仕様車の設定は一切なく、キャビンを拡大させた「スーパーキャリイ」に相当するグレードの設定も無し。
KC パワステ
出典:マツダ認定中古車
スクラムトラックのエントリーグレード。パワーステアリングを標準装備するが、エアコンが非装備で価格を抑えた廉価グレード。4WD&5MTのみの硬派な設定。
このほかキーレスエントリーやパワーウィンドウなども非装備で装備が簡略化される。
2015年8月の一部改良で廃止。
KC エアコン・パワステ
スクラムトラックのミドルグレード。キャリイ「KCエアコン・パワステ」のOEM。軽トラに快適装備のエアコンとパワステを標準装備化したグレード。
ただし、快適装備は簡略化されており、キーレスエントリー、パワーウィンドウ、パワードアロックなどは非装備。
この他安全装備として2018年5月の一部改良で超音波センサー方式の誤発進抑制機能(前進+後退時)がオプション設定として追加。
2019年9月の一部改良ではこれがアップグレードされ、ステレオカメラ方式を採用したデュアルカメラブレーキサポートに変更。KCエアコン・パワステグレードにはオプションで選択可能となり、5MT車にはヒルホールドコントロールもオプション選択可能となる。
さらに2021年8月の一部改良ではフロントメッキグリルも標準装備。ただしスクラムトラックでは5GASが非設定で、5MTまたはATのみとなる。この時に4WDモデルではブレーキLSDの「ぬかるみ脱出アシスト」が標準装備となった。
ボディカラーはホワイトのみ。2021年8月以降はメッキグリルが標準装備化され、KXに近い上級な外観や装備内容となる。
2022年4月の一部改良では3ATが4ATに置換。新たにアイドリングストップを採用した。
KCパワステ 農繁
KCパワステをベースに農家向けとしたグレード。キャリイKCパワステ農繁仕様のOEM。
4WD&5MT限定でかつエアコンレスとし価格を抑えたグレード。
KCパワステ農繁はKCパワステをベースに
- 強化リヤサスペンション (※2021年8月・一部改良以降)
- 荷台作業灯
- アングルポストプロテクタ
- 5MTの4WDモデルではデフロック
を備えるなど、農作業での使用を想定した農家向けグレードとなる。2WDは非設定で4WDのみ。
価格は安いがエアコンレスなため、近年の高温多湿な気候を考慮すると農繁期は特に東北や北海道の涼しい地域が現実的。
2015年8月の一部改良で廃止。
KC エアコン・パワステ農繁
KCパワステ農繁の上級仕様。
KCパワステ農繁の装備に加えてエアコンも標準装備する。ただしスクラムトラックではATモデルが非設定。
2018年5月の一部改良で超音波センサー方式の誤発進抑制機能(前進+後退時)がオプション設定。
2019年9月の一部改良ではこれがアップグレードされ、ステレオカメラ方式を採用したデュアルカメラブレーキサポートに変更。KCエアコン・パワステ農繁にはオプションで選択可能となり、5MT車にはヒルホールドコントロールもオプション選択可能となる。
2021年8月一部改良のエアコン・パワステ農繁ではメッキフロントグリルも標準装備となった。
KX
スクラムトラックの上級グレード。キャリイ「KX」のOEM。
KXグレードでは
- デュアルカメラブレーキサポートなどの自動ブレーキ(※2018年5月・一部改良以降)
- パワーウィンドウ
- パワードアロック
- パワステ
- キーレスエントリー
- フォグランプ
- ファブリックシート表皮
- CDプレイヤー&2スピーカー
- ぬかるみ脱出アシスト(※2021年8月・一部改良以降)
など快適装備を標準装備する最上級グレード。
エクステリアではカラードドアミラー、カラードドアハンドルなど装備する。内装でもKXグレードのみのファブリックシート(他グレードはビニールレザーシート)やシートライザーカーペットを標準装備し、質感が若干良くなる。
ただしスクラムトラックではKXグレードでもボディカラーが「スペリアホワイト」1色のみで、キャリイの
- 「ブルーイッシュブラックパール3」
- 「クールカーキパールメタリック」
- 「シルキーシルバーメタリック」
- 「ノクターンブルーパール」
が選択出来ない。さらにディスチャージヘッドランプ(LEDヘッドランプ)がスクラムトラックでは非設定。
デビュー当初は3ATモデルのみだったが、後に4WD&5MTモデルを追加。ATモデルは2022年4月の一部改良で4ATに置換された。
スクラムトラック(DG16T)の一部改良・仕様変更など
2015年8月の一部改良(2型相当)
2015年8月の一部改良ではエンジン制御の変更により燃費がアップ。
防錆性能も強化され、ボディ表面積の100%が防錆鋼板化した。加えて荷台ステップの左右下に平シート用フックを追加し、リアゲート中央部にも荷台フックを追加。
運転席のシートクッションを大型化し利便性と快適性をアップさせた。
新グレードとしてスクラムトラックには非設定だった「KCエアコン・パワステ農繁」が追加設定された。
2017年11月の一部改良(3型相当)
2017年11月の一部改良(3型)では助手席SRSエアバッグと助手席シートベルトプリテンショナー、4輪ABSを全グレードに標準装備化。
インパネは仕様に変更が加えられアクセサリーソケットが全グレードの標準装備化。
グローブボックスは大型化&底が深くなり、エアコン操作パネルのデザインも変更された。KXグレードはオーディオが2DINサイズに変更。
KXグレードに4WD&5MT仕様を追加。
2019年9月の一部改良(4型相当)
2019年9月の一部改良(4型)では自動ブレーキなどの安全装備を強化。
それまで未搭載だった夜間の歩行者検知にも対応する「デュアルカメラブレーキサポート(誤発進抑制機能と後方誤発進抑制機能付き)」をはじめ、
- 車線逸脱警報
- ふらつき警報機能
- 先行車発進お知らせ機能
- ハイビームアシスト
- ESP(車両走行安定補助システム)
- オートライトシステム
- ヒルホールドコントロール
をセットにしてメーカーオプションとして新設定。
「KXグレード」ではフォグランプベゼルをメッキタイプに変更。リアの車名デカールが「Mazda Type」の新デザインに変更。
2021年8月の一部改良(5型相当)
2021年8月の一部改良(5型)ではメッキフロントガーニッシュを「KCエアコン・パワステグレード」、「KCエアコン・パワステ農繁グレード」にも適用。
悪路走破性を高める新装備として「ぬかるみ脱出アシスト(ブレーキLSDコントロール)」をKCグレードとデフロック装備グレードのKXグレードに標準装備化。
ヒルホールドコントロールが「KCエアコン・パワステグレード」のAT車にも標準装備化。
また、従来メーカーオプション設定だった「強化リアサスペンション」を「KCエアコン・パワステ農繁仕様」グレードに標準装備化。
※ただし農繁仕様の4WD&3AT仕様はスクラムトラックには追加されなかった
これ以外ではESPとオートライトシステムがスズキセーフティーサポートのメーカーオプションから分離し、全グレードに標準装備となった。
2022年4月の一部改良(6型相当)
2022年4月の一部仕様変更(6型)では全グレードでAT車がそれまでの3ATから4ATへ置換された。
また、AT車では停車時アイドリングストップ機構も新規搭載した。
エクステリア(外装)
出典:マツダ認定中古車
フロントデザイン。4代目ではそれまで縦に長い長方形型から内側に斜めのエッジを効かせた異型スクウェア型へと変更された。
マツダ仕様とてはスズキマークがマツダマークに変更になる程度で、基本的には同じ。
メッキグリルはデビュー当初KXグレードのみだったが、2021年8月の一部改良で全グレードに標準装備化された。フォグランプはKXグレードのみ標準装備。
ただしキャリイKXに標準装備のディスチャージヘッドランプ(後のLEDヘッドランプ)がスクラムトラックのKXに非設定で、ヘッドライトはマルチリフレクター+ハロゲンのみとなる。
出典:スズキ認定中古車
ちなみにこちらがキャリイKXのフロント。ディスチャージヘッドランプにより若干顔つきが異なって見える。
出典:マツダ認定中古車
サイド。先代にはキャリイと同じくロングホイールベースとショートホイールベースの2種類が用意されていたが、4代目ではショートホイールベースに統一。
ライバルのダイハツ・ハイゼット、ホンダ・アクティトラックらもショートホイールベースなので3車横並びとなった。
形はフルキャブ型となりエンジンは助手席側に傾斜させて縦型に配置。基本は後輪を駆動し、スイッチで4WDとなる。ショートホイールベースに統一されたものの、荷台フロア長は2030mmを確保。
出典:マツダ認定中古車
足元は12インチスチールホイール。センターキャップ以外はキャリイと同じでDG16Tのタイヤサイズは145R12-6PR。
出典:マツダ認定中古車
リアのデザインは先代と変更なし。マツダ仕様としては車名デカールが専用品になる程度。
出典:マツダ認定中古車
リアのあおり右側には「MAZDA SCRUM」の車名エンブレムと最大積載量を一体にしたデカールが貼り付けられる。
エンジン・機能装備・自動ブレーキなど
エンジンは3気筒のNAで乗用モデルで実績のある新世代のR06A型直列3気筒DOHC自然吸気エンジンを採用。最高出力は50ps(37kW)/5700rpm、最大トルクは6.4kg・m(63N・m)/3500rpm。
2022年4月の一部改良(6型)では吸気側にもVVTを採用したエンジンに改良され、スペックが若干変化。最高出力は50ps(37kW)/6200rpm、最大トルクは5.9kg・m(60N・m)/3500rpmとなる。
トランスミッションは当初5MTと3AT(2022年4月では4ATに置換)のみで5AGSが非設定。
駆動方式はFRまたは4WDで、4WDはスイッチで切り替える他、農繁とKXグレードでは4WDのハイ・ローおよびデフロック(スイッチ)を装備する。
自動ブレーキは上述のとおりデビュー当初設定がなかったが、2019年9月の4型改良でメーカーオプション化。夜間の歩行者検知も可能な「デュアルカメラブレーキサポート」をはじめ、車線逸脱警報、ふらつき警報、先行者発進おしらせ機能、ハイビームアシスト、誤発進抑制機能、後方誤発進抑制機能が搭載された。
2023年3月31日届出 キャリイのリコール AGSの不具合
2023年3月31日にスズキ自動車はエブリイとキャリイで採用する5AGSに不具合があるとして、国土交通省にリコールを届け出た。
不具合の内容は
- 機械式自動変速機(AGS)のクラッチケーブルにおいて、防水のための被覆構造が不適切なため、芯線に錆が発生するものがあります。そのままの状態で使用を続けると、クラッチケーブルの芯線が破断し、警告灯が点灯するとともに変速不能及び走行不能となるおそれがあります。
- 機械式自動変速機(AGS)のオイルポンプとオイルポンプ駆動用モータのジョイント部において、外部との通気構造が不適切であったため、オイルポンプからオイルが滲んだ場合、オイルが空気と共に、モータ側に浸入することがあります。そのままの状態で使用を続けると、モータ内部が短絡して作動しなくなり、警告灯が点灯するとともに変速不能及び走行不能となるおそれがあります。
- 機械式自動変速機(AGS)において、オイルポンプ駆動用モータのブラシ材質が不適切なため、高温、高湿条件においてブラシが膨張し、摺動不良となるものがあります。そのままの状態で使用を続けると、最悪の場合、ブラシが固着してモータが通電不良により作動しなくなり、警告灯が点灯するとともに変速不能及び走行不能となるおそれがあります。
としている。最悪走行不能になるケースもあるようなのでリコール対象車種の場合はかならず近くのディーラーでの無料整備を受けることを強くすすめる。
スクラムトラックでは5AGSの設定が無いため、このリコールは対象外。ただし軽バンの「スクラムバン」に5AGSの設定があるため、該当するスクラムバンにお乗りの方はご注意を。

ちなみにキャリイの対象車種は
- DA16T-168641~DA16T-229862で、製造年が平成26年8月18日~平成27年8月3日
(3,013台) - DA16T-240002~DA16T-372907で、製造年が平成27年8月3日~平成29年10月31日
(6,462台) - DA16T-380003~DA16T-494232で、製造年が平成29年11月1日~令和元年9月6日
(9,704台) - DA16T-520001~DA16T-621817で、製造年が平成30年12月21日~令和3年7月5日
(3,713台)
なお、5MTモデルやATモデルは対象外となり、すべて5AGSのみが今回のリコール対象。
インテリア(内装)
出典:マツダ認定中古車
インパネ。大型インパネアンダーポケット、インパネペンホルダー、ショッピングフックなど先代にはなかった実用的な装備が追加されている。3型改良ではグローブボックスを大型化し、底も深めて使い勝手を向上させた。
出典:マツダ認定中古車
メーターは最近風でスッキリとした印象。エアコンパネルの下には4WDとデフロックの切り替えスイッチ(一部グレードのみ)がある。
DG16Tキャリイ・5MTのシフトノブ。
出典:スズキ認定中古車
DG16Tキャリイ・3ATのシフトノブ。4AT化された後はこれにオーバードライブスイッチが備わる。
出典:スズキ認定中古車
農繁とKXの4WD・5MT仕様ではレバーでハイモードかローモードを切り替える。
エアコンはマニュアル式エアコン(※非搭載グレードは除く)。デビュー当初は操作パネルが左右調節式だったが、
3型改良でダイヤル式に変更された。
出典:マツダ認定中古車
フロントシート。4代目ではシートに14段階・最大140mmのスライド機構が備わった。2型改良ではシートクッションが大型化されている。
KXグレードではファブリックシート表皮。KCエアコン・パワステと農繁ではビニールレザーシートとなる。
4代目スクラムトラックのまとめ
4代目スクラムトラックの総評
4代目スクラムトラックはリフレッシュされ新しいイメージが与えられた顔つきに先祖返りしたショートホイールベースのボディスタイル。
サビ対策の大幅強化、軽量化と衝突安全性のアップに新エンジンの採用などフルモデルチェンジに相応しい大幅改良となっている。
現行モデルの軽トラでは各社間でのOEM供給が進み、基本的にはこのスズキ・キャリイトラック、ダイハツのハイゼットの3種類からの選択となっている。
どれもショートホイールベースなのは横並びだが、スクラムトラックの強みは一番トルクフルなエンジン(50PS/5700rpm 6.1kg/3500rpm)と軽量ボディにある。
また、4型改良以降では自動ブレーキの「デュアルカメラブレーキサポート」もオプションではあるが選択可能となり、特に歩行者検可能な衝突軽減ブレーキは市街地などでは嬉しい機能。
価格は高くなってしまうが、万が一にも対応できる最新鋭の自動ブレーキの搭載は嬉しい装備である。
スズキ版に比べると5AGSが非設定で、グレード構成も少ないなど魅力が半減しているが積極的に売るよりは長年のマツダユーザーのためのモデル設定といったところ。マツダディーラーから軽トラックを買いたい人向けのOEMモデルとなっている。
当時のライバルのダイハツ・ハイゼットトラックと比較すると自動ブレーキなどで似たような性能だが、燃費性能はキャリイトラックの方が良く、新型低燃費エンジンやボディの軽量化、5AGSの採用などがこれに寄与した。
が、ハイゼットトラックが2021年12月ビッグマイナーチェンジを実施し、FR用CVTと電子制御式パートタイム4WDを新採用したことで、農業向けモデルでもATモデルでデフロックが使えるようになった。

これにより今まではMT免許が無いと乗れなかった農家向けの農用スペシャルが、AT限定免許でも乗りやすくなり、農作業などで扱いやすくなった。このあたりのアドバンテージはダイハツ・ハイゼットトラックの方が優位となっている。
兄弟モデル 日産・NT100クリッパー、三菱・ミニキャブトラック
なお、スクラムトラック(DG16T)は兄弟モデルとして三菱へは7代目ミニキャブトラック(DS16T)。日産へはNT100クリッパートラック(DR16T)としてOEM供給される兄弟モデルとなっている。


見た目はNT100クリッパートラックが若干違うだけでマツダも三菱もエンブレム違いだが、あえてスズキ以外を選ぶのも面白いかもしれない。
コメント