【ハイルーフ仕様・後期(最終)型】ホンダ バモスホビオ G(HM3/HM4型) | シン・軽自動車マニア

【ハイルーフ仕様・後期(最終)型】ホンダ バモスホビオ G(HM3/HM4型)

バモスホビオ

バモスホビオはホンダのワンボックス型軽自動車。バモスの派生モデルでハイルーフ仕様車である。本稿ではモデル終盤に追加された「G」グレードを扱う。

出典:ホンダ認定中古車

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ホンダ・バモスホビオとは?

バモスホビオが登場したのは2003年4月のこと。2代目バモスをベースに全高を105mmアップさせた派生モデルとして誕生した。

ホンダのそれまでの乗用ワンボックス軽自動車といえばバモスがあったが、すべてロールーフ仕様であり、ホビオはそのバモスをベースに全高をアップさせたハイルーフ仕様車である。

出典:ホンダ認定中古車

スズキやダイハツでは○○○ハイルーフという名前を付けているが、ホンダではハイルーフとは呼ばず、エスペラント語で「趣味・ホビー」という意味の「Hobio(ホビオ)」という別名を用い、キャンプや車中泊、スキー&スノーボード、サーフィンなどアウトドアやレジャーユースを大きく意識したのも大きな特徴である。

今でこそ軽自動車でアウトドアを楽しむことはメジャーとなり、アウトドアに特化したモデルがスズキやダイハツから販売されているが、ホンダは2003年時点でこれを実現していた。

エブリイのジョイン系グレードやハイゼットカーゴのクルーズ系グレードに相当するが、Pro以外は4ナンバー仕様でないなど細かい部分が異なる。

エンジン駆動方式はバモスと同じくエンジンを後方に配置し、後輪を駆動するMR方式を採用。

最適な前後重量配分と低床フロア設計により荷室が低く、ハイルーフ仕様となったことでバモスよりも多くの荷物を積載可能とし、空荷でも安定した走行性能を実現している。

また、アクティバンには設定の無いターボエンジンを設定し、バモスらしいパワフルな走りを実現。

他にもホビーユースをメインとし、室内の壁には荷物をかけられるようナットやフック(ユーティリティナット、アタッチメントフック、ダイブダウンフック)を標準装備。

シートも撥水加工されたものを採用し、オプションでラゲッジスペースにはワイパブルマットを設定するなど一般的な乗用タイプの軽自動車では見られない荷室メインの施しがなされている。

出典:三菱認定中古車

エクステリアでもバモスと差別化した専用大型フロントグリルに専用前後バンパーを採用し、特に後部はリアバンパーにテールランプを埋め込むことで広い開口部を確保。荷物の積み下ろしを容易とした。

ボディカラーは「ナイトホークブラック・パール」や「エターナルブルー・パール」、「アメジストブルー・パール」、オプションの「プレミアムホワイト・パール」を含めた全7色を設定。

さらにバモスにはアクティバンと同じリア一体可倒式シートにフルフラットな荷室の4ナンバー貨物仕様、「プロ」グレードも設定。アクティバン系列の最上級グレード(TOWN後継グレード)も用意した。

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バモスホビオ Gグレードとは?

バモスホビオのGグレードとは、2012年6月一部改良でそれまでのエントリー「M」と上級「L」グレードを集約した新グレード。

Lグレードに標準装備だった「ハーフシェイド・フロントウインドウ」やラゲッジスペースの「ユーティリティフック」を標準装備としつつ、価格を抑えたのが特徴で、MとLグレードの中間的なグレードとなっていた。

後期型バモスホビオのボディカラー「バニラクレム」

ボディカラーも

  • バニラクレム
  • ピンクゴールド・メタリック
  • プレミアムミスティックナイト・パール

を新たに設定し、全8色展開とした。このほかに

  • 運転者&助手席エアバッグ
  • 電動パワーステアリング
  • マニュアル式エアコン
  • フロントパワーウィンドウ(運転席挟み込み防止機構付)
  • AM/FMラジオ2スピーカー
  • ミスト機能付き間欠ワイパー
  • 撥水シート表皮&ドアライニング
  • プライバシーガラス
  • 電波式キーレスエントリー
  • 4WD仕様ではリアヒーター

などを標準装備する。

2015年3月の一部改良ではJC08モード燃費を向上。EBD付きABSをGグレードで標準装備とし、ボディカラーもGグレードにオプションカラーとして「プレミアムスターホワイト・パール」を新設定。同時に一部カラー廃止して全6色に集約。

Proグレードに標準装備だった「ワイパブルマット」をGグレードにも標準装備とした。

トランスミッションはATのほか5MTも設定し、絶対的な速さは無いが高回転型エンジンと組み合わせて走りも楽しいモデルとなっていた。

エクステリア(外装)

出典:ホンダ認定中古車

フロントデザイン。他車のハイルーフ仕様車ではフロントデザインの変更は行われないがバモスのハイルーフ仕様であるバモスホビオでは専用のグリルとバンパーが装着されている。

この手のワンボックスタイプで大きなグリルを装備したモデルはほとんど無いので、ホビオのアイデンティティとも言える部分だ。

Gグレードではハーフシェイド・フロントウインドウを標準装備する。フォグランプはGグレードには非装備。

出典:ホンダ認定中古車

サイドから。ハイルーフ仕様のためノーマルよりもルーフ部分が高くなっている。Gグレードではドアミラーとアウタードアハンドルがボディ同色塗装となり、サイドスカートも標準装備となる。

ドアミラーは非電動格納式で手動タイプ。キーレスは標準装備する。

出典:三菱認定中古車

スライドドアも両側手動タイプ。このあたりはMやLグレードと同じ。

足元は12インチスチールホイール+ホイールキャップのみ。アルミホイールはホビオで廃止された。タイヤサイズは145R12 6PR LT。

出典:ホンダ認定中古車

リア。ノーマルとはコンビランプの位置が変更され、商用モデルのアクティバンに近いデザインとなっている。ただ、デザイン的には曇ったレンズカットタイプのコンビランプなので、ノーマルのバモス後期と比べると見劣りしてしまう点だろうか。

その一方でバンパーにテールランプを埋め込むことでリアゲート開口部を最大限にし、かつ低床フロア設計により荷物の積み下ろしがラクな設計になっている。

エンブレム類は軽バンとは異なりデカールではないエンブレムタイプ。こだわりの上級感が感じられる。

リア周りはMやLグレードとほぼ同じ。

エンジン・機能装備・安全装備など

エンジンはE07Z型直列3気筒SOHC12バルブ自然吸気エンジンとターボ仕様の2種類。

最高出力は46ps(34kW)/5500rpm、最大トルクは6.1kg・m(60N・m)/5000rpm。

4WDの4AT仕様のみ若干出力やトルクが異なり、最高出力は53ps(39kW)/7000rpm、最大トルクは6.2kg・m(63N・m)/4000rpm。

2015年3月一部改良以降はエンジンが改良され燃費性能が向上。これにより若干スペックダウンしている。最高出力は45ps(34kW)/5500rpm、最大トルクは6.0kg・m(59N・m)/5000rpm。

4WDの4AT仕様のみ若干出力やトルクが異なり、最高出力は52ps(38kW)/7000rpm、最大トルクは6.3kg・m(62N・m)/4000rpm。

トランスミッションは2WDモデルが5MTと3AT、4WDモデルが5MTと4ATとなる。駆動方式はMRまたは4WD。ABSはタウングレードのみにオプション設定。

トランスミッションは3AT、4AT、5MTのいずれか(ターボとの組み合わせは4ATのみ)、駆動方式はMRまたは4WD(ビスカスカップリング式)となる。ダイハツやスズキではエンジンを運転席の下あたりに配置しているがホンダのバモスではリアタイヤのすぐ手前に配置し、重量バランスを考慮した構造になっている。

安全装備として運転席&助手席エアバッグを全グレードに標準装備。EBD付きABSはオプション設定。後継のGグレードでは2015年3月一部改良でEBD付きABSが標準装備となった。

バモスホビオの持病 不具合や故障しやすい箇所など

バモスホビオは乗用モデルのバモスと同じくエンジンを車体中央部に横向き状態で設置されいている(※4WDの4ATを除く)。通常は地面に垂直に設置するのが一般常識だが、床下配置でかつ底床フロアを実現するためエンジンの全高が高くなる垂直置きではなく、横向きで設置したものと思われる。

このためガスケットが地面に対して真横を向いているのだが、これがエンジンのオーバーヒートを招きやすくなっている。

理由はオイル管理が不十分だったり、構造的に熱がこもりやすかったり、高負荷運転(高回転多用)が多いなどが考えられる。

オーバーヒートだけで終われば良いのだが、高い確率でヘッドガスケット抜けを起こし、冷却水の水漏れの発生を招いてしまう。E07Z型エンジンを搭載するバモスホビオはこれが持病と呼ばれ、この状態では修理必須で注意が必要だ。

バモスホビオは床下にエンジンを横置きする関係で整備性が悪く、工賃が高くなる傾向にある(10万後半~20万円程度)。その発生走行距離は10万キロ前後が多いため、特に過走行車を買う場合は「交換済み」かなど充分注意されたい。

バモスホビオ HM3型とHM4型、HJ1型とHJ2型との違い

バモスホビオ HM3とHM4型、およびHJ1とHJ2型の違いは駆動方式と5ナンバーか4ナンバーかの違いがある。

HM3型は5ナンバー・バモスホビオの2WD(MR)モデル。MグレードやL、ターボ、Gグレードが該当する。HM4型はこれの4WD仕様。

HJ1型は4ナンバーバモスホビオ(Proグレード)の2WD(MR)モデル。HJ2型はバモスホビオProの4WD仕様車。

4WDには両方とも「リアルタイム4WD」というビスカスカップリングを用いたオンデマンド式が採用されている。これは普段は2駆のMRで走行し、前輪が滑ると自動的に4WDに切り替わるシステム。

他社のパートタイム4WDのように自分で切り替える必要がなく、タイトコーナブレーキング現象も起きづらいため非常に扱いやすい。

バモスホビオの燃費が悪い理由・原因など

バモスホビオは燃費が悪いモデルとして有名だ。その主な理由は「重たい車重」と「トランスミッション」、「旧世代のエンジン」、「空気抵抗の大きいボディ形状」にある。

もちろんこれはバモスホビオに限った話でなく、同年代に設計されたライバルの軽ワンボックス2代目エブリイワゴン2代目アトレーワゴンでも似たような理由で燃費が悪い。バモスに関しては以下の理由などが考えられる。

車重が重たい

バモスホビオの車重は980kg~1060kgと軽自動車の中でもかなりの重量級。ジムニーパジェロミニなどのSUVモデルに匹敵する車体重量をほこる。

これはボディ形状が箱型で上方向まで大きく、かつガラス面積も大きくなって重量がかさむためにあるのだが、この重量のせいで燃費が悪くなってしまう。特に部品数が多くなる4WDモデルでは重量が2WDモデルよりも重たく、走行抵抗も相まってそれが顕著。

たとえば軽量ボディで燃費が良いアルトやミライースは700kg台で、バモスとは200kg以上の差がある。体重70kgぐらいの人を3人程度乗せているイメージを持つと分かり易いが非力なエンジンに対して車体重量が重たく、非効率な構成となっている。

トランスミッション(3ATまたは4AT)

バモスホビオに採用されるトランスミッションはマニュアルが5MT。オートマが3ATまたは4ATを採用する。

最近の軽自動車では街乗り燃費が良いCVTを採用するのが一般的となったが、バモスホビオは旧式のトルクコンバーターを採用するオートマチックトランスミッション。

郊外ではそこそこ良いが、ストップ・アンド・ゴーを繰り返す街乗りでは燃費が悪くなりやすく、かつ3ATの場合は巡航時のエンジン回転数も高くなりがちで燃費が良くない傾向にある。

さらに3ATモデルはエンジン回転数が高くなりがちで、高速道路を走ると燃費消費量も多くなって燃費がガタ落ちする。

5MTの場合は伝達効率もよく、ATモデルよりも燃費が良くなる。

旧世代のエンジン

バモスホビオのエンジンはN-BOXシリーズが登場する以前から採用する旧世代のE07Z型エンジンで、5代目ライフゼストのP07A型よりも古いエンジン。

ビートと同じ型式で独特のフィーリィングや高回転域は優れいているものの、ショートストローク型で設計が古くN-BOXシリーズで採用するロングストローク型のS07B型と比べると燃費は劣ってしまう。

5MTモデルならまだ燃費は良いのだが、ATモデルではミッション自体のロスも大きく高回転重視で燃費効率の悪いエンジンとも相まって燃費が悪くなる。

空気抵抗の大きいボディ形状

バモスホビオのボディ形状は室内空間を重視し、全高を高くとった箱型タイプ。ハイルーフ仕様のホビオはバモスよりもさらに全高が高い。

アルトやミラなどのセダンタイプと比べると空気抵抗も大きく、特に高速道路などでは高いエンジン回転数とも相まって燃費が落ちやすい。他に横風に煽られやすいなど不利な点もある。

インテリア(内装)

インパネ。3代目アクティバンと同じデザインだが、乗用タイプゆえにインパネ中央やオーディオパネル付近をシルバー塗装とし、上級感を与えている。

ホビオ系ではインパネガーニッシュにシャンパンシルバー柄を採用。

2010年8月マイナーチェンジでは運転席側にドリンクホルダーが追加された。

ステアリングは標準で3本スポークステアリングホイールを採用。Mグレードよりもアップグレードされる。

HM3_HM4 (18)

スピードメーター。2010年8月マイナーチェンジでは背面がガンメタ塗装+ブルーイルミネーションタイプに刷新された(※Proグレードは除く)。

5MTのシフトノブ。ターボには非設定。

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ATもMTと同じくフロアシフトとなる。

エアコンは後期モデルでもマニュアル式エアコンのまま。

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フロントシートはセパレートタイプ。撥水加工の上級志向シートで、アクティバンよりも質感が高い。

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リアシート。足元はかなり広い。

出典:三菱認定中古車

※Proグレードでは左右一体可倒式シートとなる。

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出典:ホンダ認定中古車

ラゲッジルーム。

2015年3月の一部改良では汚れても拭き取りやすい「ワイパブルマット」がGグレードでもラゲッジスペースに標準採用となった。

HM3_HM4 (8)

出典:ホンダ認定中古車

リアシートを倒した状態。上にも奥にもかなり広いことがわかる。ユーティリティフックはLグレードと同じく全8箇所、ユーティリティナットは全28箇所を標準装備。

出典:ホンダ認定中古車

「ワイパブルマット」仕様のラゲッジスペース。2015年3月以前ではGグレードにオプション設定で、中古車の中にはこれを装着したタマが存在する。

シートアレンジも豊富で、フロントシートは後ろに倒してフルフラットにでき、

スノーボードやスキー板など長モノは助手席側だけフルフラットにすることも可能だ。

バモスホビオGのまとめと後継モデル

バモスホビオのGグレードはモデル終盤に設定された統合グレードで、MとLグレードの良いところどりをしつつ価格を抑えお買い得としたグレードだった。

その価格差はMグレードよりもわずか1万円アップ程度で、Lグレードの一部快適装備が追加されたため、お買い得感が高かった。

その一方でアルミホイールやローダウンサスペンションのオプションがホビオでは廃止され、簡略化された部分もかなりあった。

特徴的なエンジン配置による持病が難点だが、ハイルーフ仕様の軽自動車でめいいっぱい荷物を載せいたい&少し個性的なデザインが良いという人にオススメな1台である。

バモスホビオは軽自動車衝突安全基準強化のため2018年5月に生産終了。N-BOXをベースとした4ナンバー軽貨物の「N-VAN」の「+STYLE FUN」グレードが後継モデルとして登場している。

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中古市場では比較的新しいモデルも存在し、後継のN-VANや同年代のライバル車よりは安価な価格帯で買いやすい。Gグレードであればまだまだ高年式で、キャンプや車中泊、レジャーなどに活躍するモデルである。

ただし燃費がいかせん良くないので、可能であれば5MTモデルを強くオススメする。

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