【初代・中期型】 ホンダ N-ONE (JG1/JG2型) | シン・軽自動車マニア

【初代・中期型】 ホンダ N-ONE (JG1/JG2型)

N-ONE

N-ONEはホンダのセミトールワゴン型軽自動車。本稿ではデビュー当初の2014年5月~2015年6月までを中期型とし、これを扱う。

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画像参照元:Goo-net

概要

2012年11月にデビューしたホンダのN-ONEN-BOXN-BOX+に続くNシリーズの第3弾となるこの車は、かつてのホンダの軽乗用車、「N360」をモチーフにしたデザイン性の高いモデルとして生まれた。

年配の人には懐かしく、若い人には新しく感じる個性的なデザインは、ライバルのワゴンRムーヴアルトミラとはデザインの方向性が異なるモデルだ。輸入車ではビートルやミニ、フィアットなど往年の名車を現代風にアレンジして復活させている例があるが、ホンダのN-ONEもそれを思わせるものであった。

その個性的な外観に加えインテリアでは大人4人がくつろげる室内空間を実現。エンジンは新開発となるS07A型エンジン(※Nシリーズで共通)を採用し、ターボモデルにおいてはクラストップレベルの高トルクとなっている。トランスミッションもCVTを使用し、ライフやゼスト時代よりも燃費を向上させた。また、軽量化や高剛性を両立させたボディに専用サスペンションの採用で安定した走行性能と優れた静粛性を実現している。

安全技術としては横滑り防止装置のVSAを全グレードで標準装備とし、エマージェンシーストップシグナルとヒルスタートアシストも全グレードで標準装備とした。

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モデル構成は「ノーマル」とカスタムモデルに相当する「プレミアム」の2種類。

プレミアムではノーマルモデルよりも上級な内外装により名前通りのプレミアム感を演出。個性的な外観に加えて上級装備により「プレミアムな軽乗用車」としての魅力を高めたグレードだ。

さらにノーマルモデルでもターボエンジンを搭載したグレード(ツアラー)を用意し、自然吸気エンジンのベーシックなモデルからターボエンジンで上級装備の「プレミアム ツアラー」まで多彩なグレード展開となっている。

初代N-ONE 中期型の改良点と前期との違い

そのN-ONEは2014年5月にのマイナーチェンジで中期型となった。

中期のマイナーチェンジではそれまで搭載のなかった自動ブレーキをオプション設定。N-WGNやN-BOXで先行してたS07A型エンジンの改良の適用し燃費性能を向上。

ボディカラーを新たに2色追加し、ツートンカラーのカラーバリエーションも増加せた。内装ではボディカラーに合わせたインテリアパネルの追加。

便利機能としてプラズマクラスター搭載のフルオートエアコンディショナーを全グレードに標準採用。また、IRカット(遮熱)/UVカット機能付フロントウインドウガラス、IRカット(遮熱)/スーパーUVカットフロントドアガラスをGグレード以外で標準装備とし、前期よりも魅力をアップさせたマイナーチェンジとなっている。

エクステリア(外装)

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フロントデザイン。中期型では外装上の変更点は特になし。このため見た目では前期なのかデザインからは見分けがつかない。前期同様に丸型のヘッドライトとヘッドライト全体を覆うような黒のグリルで特徴的なデザインとなっている。

生き物の顔のようなデザインでかなり個性的だ。これに中期型では新ボディカラーとして「フレッシュライム・メタリック」(写真色)が追加となり、ポップなカラーでイメージを変化させた。特に若い女性あたりが好みそうな鮮やかなカラーとなっている。

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なお、ターボモデルではフロントグリル開口部が拡大される。

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自然吸気エンジンのG・Aパッケージとターボエンジンのツアラー・Aパッケージではプロジェクタータイプのディスチャージヘッドライトを標準装備。

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サイド。このあたりも特に変更点は無い。中期型では「スーパーUVカットフロントドアガラス」がバージョンアップし、IRカット(遮熱)/UVカット機能付フロントウインドウガラス、IRカット(遮熱)/スーパーUVカットフロントドアガラスとなった。これをGグレードに標準装備。

他には従来通り全グレードでHondaスマートキーシステム(ボタンプッシュで施錠の開閉)を標準装備。この他にもGグレード以外でアウタードアハンドルがメッキ化&ターンランプ付きドアミラーが標準装備となる。

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足元は自然吸気エンジンが14インチスチールホイール+フルホイールキャップ。タイヤサイズは155/65R14。

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最上級のツアラー・Aパッケージでは14インチアルミホイールとなる。この他フロントスタビライザーとフロントベンチレーテッドディスクブレーキはターボグレードに標準装備。

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リアも前期と同じ。シティーエマージェンシーブレーキは引き続き全グレード標準装備。

エンジン・機能

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エンジンはS07A型3気筒のNAとターボの2種類を設定。形式こそ同じだが、N-WGNと同じ「ツインインジェクションシステム」と「ナトリウム封入排気バルブ」を採用した改良型に置換された。

この改良によりスズキの「デュアルジェットエンジン」のような直噴エンジン並の燃焼効率が得られ、圧縮比も11.8とかなり高めとなっている。

ターボエンジンは最高出力64ps(47kW)/6000rpm、最大トルク10.6kg・m(104N・m)/2600rpmを発生する。

自然吸気エンジンでも最高出力は58ps(43kW)/7300rpm、最大トルクは6.6kg・m(65N・m)/4700rpmと軽自動車のエンジンにしてはかなりの高出力。

トランスミッションは全グレードCVTのみで、駆動方式はFFと4WDが用意される。

この他アイドリングストップ機構をターボグレードにも拡大し全グレードで備え、安全装備としてはVSA(ABS+TCS+横すべり抑制)とヒルスタートアシスト機能が全グレードで標準装備。

約30km/h以下での前方車両との衝突の回避・被害軽減をサポートする「City-Brake Active System(シティブレーキアクティブシステム)は「あんしんパッケージ」としてGにオプション設定。G・Aパッケージやツアラー・Aパッケージでは標準装備とした(※Aパッケージは「あんしんパッケージ」の意味)。

前期同様ににN-ONEが優れているのはターボ。メーカーも「ダウンサイジング」と謳っているとおりかなりの高性能で、加速でいえばFITの1.3Lと同等かそれ以上に匹敵する。

トルクにいたっては最大10.6kgが2600回転から発生するのだ。一昔前のドッカンターボとは違うのだが、低速からす~とのびるところは1300CCの普通車から乗り換えても不満を感じることはないだろう。

初代N-ONE JG1とJG2型との違い

初代N-ONEのJG1とJG2との違いは駆動方式。JG1はボンネットにエンジンを配置し前輪を駆動するFFのN-ONE。JG2はJG1をベースにビスカスカップリングを使って全輪を駆動する4WDのN-ONE。

それぞれにターボ仕様と自然吸気エンジンの2種類があり、駆動方式以外は同じ構成となる。

ただし4WDに関してはジムニーパジェロミニなどの本格軽SUVとは異なり、基本はFFで、前後の回転差が生じた時(滑った時など)に4WDとなるパッシブタイプのオンデマンド4WD方式。

パートタイム4WDのようなタイトブレーキング現象が発生せず街乗りでは扱いやすいが、その分本格的な悪路走行には向いていないのでその点は十分注意されたい。日常生活で扱いやすい生活四躯という位置づけ。

インテリア(内装)

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インパネ。中期型ではボディカラーにあわせてインパネカラーが追加され、モノトーンカラーでは計3色。2トーンカラーでは計4色となった。写真のグリーンは「フレッシュライム・メタリック&タフタホワイト」選択時のインパネ。

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ミラノレッド&ホワイト選択時は赤系のインパネとなる。写真以外にはブルーとイエロー系も設定。

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この他、従来通りモノトーンカラーのボディではGグレードでベージュ✕モカグレーが引き続き採用されたほか、G・Aパッケージとツアラー・Aパッケージでは新たにブラック系インパネが設定された。

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便利機能として中期型ではプラズマクラスター搭載のフルオートエアコンディショナーが廉価グレードのGを含む全グレードで標準採用。

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さらにクルーズコントロールとパドルシフトがノーマル系のターボグレードにも標準装備された。

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スピードメーター。全グレードで引き続きタコメーター付き。

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メーターは「コーチング機能」によりエコ運転を視覚的にサポート。また、「ECONスイッチ」によりエコ運転モードも備える。

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フロントシートはベンチシートタイプ。従来のベージュカラーはモノトーンカラーのGグレードに設定とし、

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それ以外のモノトーンカラーや2トーンカラーグレードではブラックシートに変更された(※ただし写真のように2トーンカラー選択時はドアトリム周辺のクロスもインパネカラーとなる)。

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リアシート(ブラック)。

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リアシート(ベージュ)。スライド機構付きで、

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跳ね上げ式リアシートでシートアレンジを多彩にしている。

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ラゲッジルーム。

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リアシートを倒した状態。

まとめ

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初代・N-ONEの中期型は外観上のデザイン変更はないものの、自動ブレーキの追加やエンジンの改良。フレッシュライム・メタリックカラーの追加や刷新された内装など、前期よりも魅力がアップしたマイナーチェンジである。

特に「フレッシュライム・メタリック」は奇抜で鮮やかなカラーだが、それまでのN-ONEのイメージにプラスアルファで違うキャラクターを与えるもので、好きな人には嬉しいボディカラーといえよう。

ただし、あまりに奇抜すぎたのか2015年2月マイナーチェンジ時にこの「フレッシュライムメタリック」が廃止され、この後も復活することは無かった。よって中期型といえばこの「フレッシュライムメタリック」と覚えておくといいかもしれない。特に現状では中古のみとなっているので希少カラーでもある。

中古市場では同年代のワゴンRやムーヴと比べると少し高めの価格となっている。前期型でも比較的高めで、この中期型ではそれ以上。理由としてはデザイン性や質感の高いモデルで、2代目でもほとんどデザインが変わること無く、中古車としては一定の人気があるため。

よくマイナーチェンジやフルモデルチェンジで内外装が大きく変化すると前モデルが安くなったりするのだが、N-ONEに至ってはこれが当てはまらない。

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