【2代目 ミライースOEM】スバル プレオプラス(LA350F/LA360F型)概要解説 | シン・軽自動車マニア

【2代目 ミライースOEM】スバル プレオプラス(LA350F/LA360F型)概要解説

プレオプラス(プレオ+)

プレオプラスはスバルのハッチバック型軽自動車。ダイハツ・ミライースのOEMモデルである。本稿では2代目のLA350FおよびLA360F型を扱う。

出典:スバル認定中古車

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スバル 2代目・プレオプラスとは?

2017年5月にフルモデルチェンジし、2代目となったスバル・プレオプラス。低燃費と価格、安全性能を兼ね備えたダイハツ・ミライースのOEMモデルである。

プレオという車自体は初代はスバル製だったものの、軽自動車撤退に伴い2代目プレオからは7代目ミラのOEM供給に変更。

その派生モデルとしてミライースのOEM供給を受けて初代「プレオプラス」がデビュー。2代目はそこから5年半後のフルモデルチェンジとなった。

LA350F (9)

2代目プレオプラスは初代の低燃費と低価格を踏襲しつつ、「セイフティ & スマート & スモール」をコンセプトに日常の足としてなくてはならない存在を目指し安全かつ合理的に賢いモデルとした。

基本的にはダイハツ版の2代目ミライースと同じ内容となり、スバル版の変更点はフロントの六連星エンブレムとリアの「Pleo Plus」エンブレムの違い程度となる。

ただし、グレード構成に関してはミライースに商用モデルとなるバンタイプ(Dグレード)の設定があるのに対し、2代目プレオプラスでは非設定(すべて乗用グレードのみ)となっている。

初代ではプレオプラスでもバンタイプの設定があったがこのあたりがダイハツとの大きな違いとなる。

2代目の大きな特徴のひとつは自動ブレーキ(スマートアシスト)の強化。初代の後期型に初めて設定された「スマートアシスト」は、2代目プレオプラスでステレオカメラを用いた「スマートアシストⅢ」に進化。

それまで不可能だった対歩行者の衝突回避ブレーキ支援機能が追加。さらにコーナーセンサーの採用で後進時も歩行者や障害物の接近を知らせる機能もプラスされた。

LA350F (1)

燃費や走行性能に関しても先代比最大80kgの軽量化を実施。これは大型の男性一人分に相当する重量である。

これ以外にも3代目ステラの「Dモノコック(軽量高剛性ボディ)」の採用や樹脂パーツのなどの採用。軽量化以外ににも空気抵抗を考慮したデザインや整流アイテムの設置により先代比3%減の空気抵抗も実現。

また、エンジンもオルタネーターへ回転を伝えるベルトの低フリクション化によるメカニカルロスの低減でエネルギー効率を改善し、CVTもケースの薄肉化による軽量化によってFグレードのFFモデルで35.2km/L(JC08モード)の低燃費を達成した。

その一方で過度な燃費性能の追求をやめ、新型では上記の燃費アップと同時に走りの質を高めた基本性能の向上も実施。

それまで燃費方向に振っていたアクセル操作とスロットル開度の変速線図を見直し、リニアな加速性能に振り直した。

また、キックダウン時の変速性能の最適化なども同時に行うことで発進時や追い越し時の加速度を初代よりも向上

さらに新開発の13インチタイヤやサスペンション、ショックアブソーバー(超飽和バルブと専用ベースバルブの組み合わせを軽自動車で初採用)、ステアリングなど足回り部品の特性及び制御を最適化。

これにより高速走行での安定感や操舵応答性の向上と上質かつフラットな乗り心地を実現した。

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2代目プレオプラスと2代目ミライースとの違い

2代目プレオプラスと2代目ミライースとの違いはエンブレム程度で基本的な内外装は同じ。

ただしグレード構成が若干異なり廉価グレード(ミラバン後継)のBグレードがプレオプラスには非設定となり、プレオプラスではFグレードが廉価グレードとなる。

またグレード名称もミライースとは異なり、上級が「G」グレード、ミドルが「L」グレード、廉価グレードが「F」グレードの3種類に対し、

ミライースは廉価グレードが「B」グレード、ミドルが「L」、上級が「X」で最上級が「G」グレードの全4種類となる。

また、ミライースには10thアニバーサリーリミテッドなどの特別仕様車があったが、プレオプラスには非設定となる。

【2代目 低燃費で安価なエコカー】ダイハツ ミライース(LA350S/LA360S型)グレード一覧・概要解説

2代目プレオプラスのグレード一覧 F、F スマートアシスト、L、L スマートアシスト、G、G スマートアシストの違いなど

2代目プレオプラスのグレード展開は廉価グレード・自動ブレーキレス仕様「F」、「F スマートアシスト」ミドルグレード「L スマートアシスト」、上級「G スマートアシスト」の4種類。

なお、2022年7月の一部改良ではグレード名称が変更となり従来の「スマートアシスト」が消えてシンプルな「F」、「L」、「G」に統一された。

特別仕様車は非設定で基本グレードのみ。

F

2代目プレオプラスの廉価グレード。ミライースの「L」グレードのOEM。

2代目プレオプラスの中でも最も装備が簡略化されたグレードで、価格が抑えられていた。

エクステリアではボディ同色ミラーに13インチスチールホイール+ホイールキャップを標準装備。バックドアのエンブレムがデカールからメッキエンブレムになる。

ドアミラーは非電動の手動タイプで、リアのスモークガラスが無いプレイバシーレス仕様。

快適装備はパワーウィンドウがリアドアも標準装備となる。

2022年7月の一部改良では名称変更により、「F スマートアシスト」から「F」グレードに統一。自動ブレーキが標準装備となった。

F スマートアシスト

Fグレードにに自動ブレーキのスマートアシストⅢを搭載したグレード。

2022年7月の一部改良で名称変更となり、「F」グレードに統一された。

L スマートアシスト

Lグレードは2代目プラスしたのミドルグレード。ミライース「X」グレードのOEM。

Fグレードに対してヘッドライトがLEDヘッドライトとなり、14インチ・スチールホイール+ホイールキャップも標準装備。

UVカットガラスがフロントドア/リヤドア/バックドアウィンドウに、スモークガラスもリアドアとバックドアウィンドウに付く。

インテリアではインパネカラーがブラックとベージュの上級2トーンカラーインパネとなり、リアシートがヘッドレスト付きに変更。

このほかLグレードでは

  • メッキインナーハンドル
  • 自発光式メーター(ブルーイルミネーションメーター)
  • メッキエアコンレジスターノブ
  • メッキパーキングブレーキボタン
  • メッキプレート付きシフトノブ
  • バニティミラー付きサンバイザー
  • メッキオーナメント付きウレタンステアリング

が標準装備となり、内装が豪華になる。自動ブレーキのスマートアシストも標準装備する。

2022年7月の一部改良でグレード名称変更が変更され、「L」グレードに統一された。

L

2022年7月の一部改良で「L スマートアシスト」から名称変更した新グレード。

装備内容は上記「L スマートアシスト」と同じ。

G スマートアシスト

G スマートアシストは2代目プレオプラスの上級グレード。

Lグレードに追加で便利装備のキーフリー連動・カラードオート格納式ドアミラー、14インチアルミホイールを標準装備。

※初代のLEDターンランプ付きドアミラーは廃止。

インテリアでは

  • 運転席シートリフター
  • フルオートエアコン
  • キーフリーシステム
  • プッシュスタートボタン
  • シルバーセンタークラスター
  • 車速感応式オートロック機能付き集中ドアロック
  • SRSサイドエアバッグ

※革巻きステアリングは2代目では廃止

も標準装備となり、最も豪華な仕様となる。自動ブレーキのスマートアシストも搭載。

2022年7月の一部改良でグレード名称変更が変更され、「G」グレードに統一された。

G

2022年7月の一部改良で「G スマートアシスト」から名称変更した新グレード。

装備内容は上記「G スマートアシスト」と同じ。

エクステリア

出典:スバル認定中古車

フロントデザイン。ヘッドライトは先代のインナーブラックタイプからメッキタイプに変更。加えて流行りのLEDヘッドライトの採用により省電力性能とデザイン性を向上させている。

※最廉価「Fグレード」は非装備で、従来通りのマルチリフレクターハロゲンヘッドライト。

加えてバンパーはベーシックなデザインの開口部に空気抵抗を考慮したエアロデザインをプラスすることで低燃費とスタイリッシュ感を両立させた。

また、全高も先代と同じく立体駐車場に入る高さ(1500mm)とし、街乗りでの利便性を高めた。スバル版の変更点はフロントの六連星エンブレムのみで、これ以外はダイハツと同じ。

出典:スバル認定中古車

サイド。初代と同じく空気抵抗を考慮したボディラインでボンネットからフロントガラス、ルーフにかけて緩やかな曲線を描いている。

加えて2代目ではフロントバンパーと同じく下部にエアロデザインをプラスすることでサイドも空気抵抗とデザイン性を両立させた。

フロントウィンドウにはFグレードでUVカット機能付きガラス。LとG系グレードではフロントドアにもUVカット機能付きガラスが。さらにLスマートアシスト、GスマートアシストではリアドアとリアゲートにもUVカット機能付きガラスが備わる。

LA350F (17)

室内長は2025mmと先代より25mm延長。室内高と室内幅はほぼおなじとなる。サイドからは足元以外はまったく同じ外観だ。

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足元は最廉価のFグレードが13インチフルホイールキャップ。

LA350F (21)

真ん中のFグレード系が14インチフルホイールキャップ。

LA350F (20)

最上級のGグレードが14インチアルミホイールとなる。

出典:スバル認定中古車

リア。初代のイメージに加えてコンビランプ付近にミラカスタムのようなブラックガーニッシュをプラスして空力性能とスタイリッシュ感をアップ。

加えてリアバンパーにはフロントやサイド同様のエアロデザインをプラス。リアビューもベーシックではあるが全体的にデザインが良くなっている。

なお、エマージェンシーストップシグナルは全グレードで標準装備。スバル版の変更点はリアハッチ中央の六連星エンブレムと右側のプレオプラスエンブレム程度でこれ以外はまったく同じ。

エンジン・機能装備・安全装備など

エンジンは初代と同じくKF型直列3気筒DOHC自然吸気エンジンのみ。

最高出力は49ps(36kW)/6800rpm、最大トルクは5.8kg・m(57N・m)/5200rpm。トランスミッションは全グレードでCVTのみ。

駆動方式はFFまたは4WDとなる。安全装置としてVSCを商用モデルを含めた全グレードでVSCとTRCを標準装備。ABS(EBD付き)はもちろん全グレード標準装備でアクティブセーフティの搭載グレードを拡大した。

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自動ブレーキの「スマートアシストⅢ」は各種グレードに設定。上述のとおり小型ステレオカメラにコーナーセンサーをプラスした第3段バージョンとなり、初代のスマートアシストと比べて新機能の追加や作動領域の拡大が図られた。

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一番の機能は衝突警報機能と衝突回避支援ブレーキ機能。この機能そのものは初代と同じだが、新型では歩行者に対しても動作可能となり、かつ対車両でも作動条件(時速/走行時)が大幅に拡大された。

この手の技術ではいちはやくステレオカメラを導入したスズキ(デュアルカメラブレーキサポートなど)が先行していたが、ダイハツもスマートアシスト3でほぼ追いついた形だ。

このほかは車線逸脱警報、誤発進抑制制御機能(前方・後方)、先行車発進お知らせ機能などは他モデルで採用のスマートアシストⅡと同じ機能がプラスされる。

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これにスマートアシストⅢではオートハイビーム機能にコーナーセンサーによる接近お知らせ表示機能が備わった。街中での縦列駐車などで効果を発揮する。

2代目プレオプラス LA350FとLA360Fとの違い、LA350SとLA360Sとの関係

LA350FとLA360Fとの違いは駆動方式。

LA350Fは前輪駆動の2代目プレオプラスで、LA360FはLA350Fをベースに4WD化した全輪駆動のプレオプラス。

4WD機構にはビスカスカップリングを用いたパッシブタイプのオンデマンド式4WDが採用される。

これは普段はFFがベースで前後のタイヤの回転差が生じたときのみ4WDになるシステムで、扱いやすさと燃費性能に優れるタイプとなっている。

なお、プレオプラスの型式はミライースの型式末尾の「S」を富士重工の「F」に置換したものが採用され、2WDのLA350SはLA350F、4WDのLA360SはLA360FがそれぞれOEMモデルとなる。

インテリア

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インパネ。このあたりもほぼダイハツ版と同じ。LグレードとGグレードではブラックとベーシックのツートンカラー。

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最廉価のFグレードではブラックのモノトーンカラーとなる。オートエアコンは最上級のGグレードに標準装備で、それ以外はマニュアル式エアコンとなる。

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スピードメーター。初代と同じくデジタル式を採用し、「エコインジケーター」によりエコ・ドライブ状況を。マルチインフォメーションディスプレイではスマートアシストや平均燃費、コーナーセンサーなどの警告をドライバーに表示する(一部グレードでは非装備)。

LA350S_first (10)LA350S_first (11)

チルトステアリングと運転席シートリフターは最上級のGグレードで標準装備。ダイハツ版では全グレードで標準装備だったため、この点は細かに違う。

LA350S_first (4)

収納スペースはタントやムーヴなどには及ばないものの実用的かつシンプルに配置。「インパネロングアッパートレイ」など初代よりも箇所が追加されている。

出典:スバル認定中古車

フロントシートはセパレートタイプ。内装は全グレードでブラック内装を採用し、シートは初代と同じセパレートタイプを採用。

ブラックカラーを基調とし、フロントシートにはセンター部分にインパネと同じベージュカラーを入れることでシンプルながら上品な外観をプラスした。

一方で2代目では全グレードで商用モデルなで一般的に採用される「ヘッドレスト一体型シート」となった。このシートに関しては同じ低燃費モデルの「8代目アルト」と同じタイプとなっている。

Gグレードではフロントシートヒーターが標準装備となる。

出典:スバル認定中古車

リアシート。スライド機構は非装備でLグレードとGグレードにはヘッドレストが付く。

最廉価、Fグレードのシートとインパネカラー。インパネのツートンカラー以外は同じとなる。

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ラゲッジルーム。リヤゲートには樹脂パーツを採用しスイッチ式リアゲートオープナーの採用で利便性を向上させた。

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リアシートは一体可倒式。

出典:スバル認定中古車

リアシートを倒した状態。背の低いセダンタイプだが、それなりにラゲッジスペースは広い。

まとめ

2代目プレオプラスの総評

2代目プレオプラスはダイハツ版のミライース同様に、初代のコンセプトをベースに自動ブレーキの強化や走行性能の底上げなどそれまでの低燃費に加えてプラスαの機能が与えられたフルモデルチェンジとなった。

外観は初代と比べると見違えるほど良くなりこれに加えて燃費向上や上述の自動ブレーキなど安全面もグレードアップ。まさにベーシックなセダン(ハッチバック)型としては完成度が増した感じだ。

価格面でも(スバル版では乗用グレードの設定のみとなるが)最低価格は税込み約89万円から。最上級の乗用4WDグレード(スマートアシスト付き)でも約135万円からと、かなり良心的な価格設定となっており、初代と同じく軽自動車の本質を追求した1台といえよう。

ステラなどと比べると外観のデフォルメがほとんど無いのだが、よく売れるダイハツ版では街中で被ることも多いため、マイナーなプレオプラスという選択肢もアリかもしれない。

LA350F (24)

ちなみにダイハツ版同様、メーカーオプションにて内外装のドレスアップパーツが設定されており、外観(メッキフードガーニッシュ、フロントロアスカート、サイドストーンガード、LEDフォグランプ、マッドガード、ブラックポリッシュタイプのアルミホイールなどのカスタマイズ)や内装(インテリアパック、本皮調✕ファブリックのシートカバー、サイドシルプレート)等のドレスアップが可能となっている。

ターボこそ無いのだが「プレオプラス・カスタム」的な外観にもできるので気になった人はこのディーラオプションも選んでみるといいだろう。

兄弟モデル・トヨタ 2代目ピクシスエポック

先代同様、ミライースはトヨタ自動車へ2代目ピクシスエポックとして販売されている。スバルのプレオプラスとはエンブレム違いの兄弟モデルとなっている。

ただしグレード名が異なり、ピクシスエポックにはビジネス向け廉価グレードの設定があるなど、グレード構成が異なる。

【2代目 ミライースOEM】トヨタ ピクシスエポックLA350A/LA360A型

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