i(アイ)は三菱のセダン型軽自動車。本稿では2009年12月マイナーチェンジ以降のモデルを後期型とし、これを扱う。
画像参照元:三菱認定中古車
概要
2006年1月に登場したアイの特徴は軽自動車の中でも、R2やR1と同じくらい斬新なデザイン。コンセプトカーをそのまま市販化した異色の軽自動車としてデビューした。
5ドア4人のりの軽自動車としては珍しく、リアエンジン・ミッドシップマウントを採用し、室内空間を確保しながら重量配分の最適化により操縦安定性と走行性能を高めている。
かつてダイムラー・クライスラーとのいざこざがあったせいで途中2回も開発中止になったが、6年ちかく開発期間を経てようやく市販化された。
コンセプトは「軽自動車の新時代を切り開くプレミアムスモール」。
それまでの軽自動車の難題であった「デザインと居住性」、「居住性と衝突安全性」の二律背反する軽自動車の課題をアイではエンジンを後方に配置し後輪をメインとして駆動するリヤミッドシップレイアウト(MR)でアプローチしたものであった。
アイではエンジンをリア後方に配置したことによりデザインの制約から開放され、ボンネットからフロントガラスにかけてなめらから曲線のデザインが与えられ近未来的なワンモーションフォルムのスタイリングに。
またミッドシップレイアウトの特徴を生かしホイールベースは既存の軽自動車ではトップクラスの2550mmを実現していた。また、室内空間はコンパクトカーにも匹敵する居住スペースとラゲッジルームを両立した。
エンジンは新開発となるアルミ製DOHC12バルブMIVECインタークーラーターボエンジンと自然吸気エンジンの2種類を設定。
当時の軽乗用車では珍しい吸気側連続可変バルブタイミング機構のMIVECを取り入れ、これにインタークーラー付きターボと組み合わせてターボ仕様でありながら平成17年排出ガス基準50%低減レベル(☆☆☆)と平成22年度燃費基準を達成していた。
サスペンションはフロントにマクファーソンストラット。リアは3リングド・ディオン式を採用。特にフロントはエンジンが無いことによるサスペンションの適切配置により十分なストロークを確保。
ロングホイールベースとも相まって上質感のあるフラットな乗り心地と優れた直進安定性、ハンドリングをバランスさせた。さらにロングホイールベースでありながらも最小回転半径は4.5m(同年代のeKワゴンと同程度)を達成している。
衝突安全性もフロント部分に十分な衝撃吸収ゾーンを設けることでエンジンが無いデメリットを相殺。フロント以外では大断面ストレートフレーム構造を設けて衝撃をボディ全体で吸収する構造とした。
側面衝突に対してもクロスメンバーやフロア、エンジンなどで全方位衝突安全性を高めている。
アイの特徴と他の軽乗用車との大きな違い
アイの最大の特徴はその丸っこい外観もあるが、エンジンを後方に配置し、後輪を駆動するMR方式を採用している点。
一般的な軽乗用車はエンジンをフロントに配置し、前タイヤを駆動するFFが主流で、一部ジムニーなどクロカン系やエブリィなどの軽バンではFRが採用されるものの、量産車でMR方式を採用する軽乗用車はとてもめずらしい。
過去にはスバル時代のディアスワゴンやサンバーバンがRR方式を採用していたが、これに匹敵するぐらい凝ったメカニズムを採用している点が他の軽乗用車との大きな違いである。
MR方式ゆえにリア寄りの前後重量配分(45:55)によりハンドリングもFFよりも素直で機敏に動き、高回転域では可変バルブタイミング機構も働いてスポーティーな走りを楽しめるなど優れた特徴がある。
またMR方式を採用したことで当時の軽乗用車としてはかなりのロングホイールベースである点もポイント。これにより直進安定性に優れたモデルでもある。
さらにエンジン搭載位置が低く低重心で、重量配分もとも相まって走りの性能も高い。
なお、この手のセダンタイプの軽自動車にしては後部座席が広く、ラゲッジスペースも奥行きが結構あり、使い勝手は良好。リアシートを倒すとフルフラットになる。
アイの後期型マイナーチェンジの改良点と中期、前期との違いなど
2008年12月・後期型マイナーチェンジ
そのアイは2009年12月にマイナーチェンジをうけ後期型となった。
後期型マイナーチェンジではグレード体系を大きく見直し、廉価グレード「S」、ミドルグレード「ビバーチェ」、上級ターボ仕様「T」の3グレード構成に変更。LやLX、M、Gグレードを廃止した。
上級ターボ仕様のTグレードでは新たにインパネやドアトリムもブラック化した「ブラックインテリア」を採用し、上級感を演出。
新グレード「ビバーチェ」では「グレーインテリア」または特別仕様車・ブルームエディションで設定していた「ミント&ブラウンインテリア」の2種類から選択可能とし、既存の「レッドインテリア」を廃止した。
※ミント&ブラウンインテリアでは汚れやシミが付きにくい撥水・撥油機能付の「汚れプロテクト加工シート」を採用
快適装備ではTグレードとビバーチェに、「UV&ヒートプロテクトガラス」や、「親水電動格納式リモコンドアミラー」、「運転席・助手席チケットホルダー付きバニティミラー」を標準装備とした。
ボディーカラーには新色「ラズベリーレッドパール」と、「オーシャンブルーメタリック」、「サンフラワーイエローソリッド」の3色を追加。
このほか「三菱マルチエンターテイメントシステム(MMES)」にワンセグ対応ガラスアンテナを設定。
2009年11月・マイナーチェンジ
2009年11月マイナーチェンジでは走行抵抗の低減、自然吸気エンジンのエンジン本体改良、ATの制御見直しなどで燃費を向上。これによりビバーチェとリミテッドの2WD仕様では平成22年度燃費基準+15%を達成。
このほかエクステリアではワイパーデザインを変更。払拭性や風切り音を低減する「エアロワイパーブレード」を新採用し、ETC装着スペースとしても利用可能なアンダートレイ(運転席前)を設定するなど利便性も向上。
ボディカラーも再度見直し、「ミスティックバイオレットパール」を追加。「ジンジャーブラウン」と「ドーンシルバーメタリック」は廃止した。
インテリアではステアリングホイール下部に、ETC装着スペースとしても利用可能なアンダートレイを設置。
シート表皮を上質なニット生地に変更。ビバーチェに設定していた「ミント&ブラウンインテリア」を廃止し、グレーインテリアに統一。
機能装備では「オートライトコントロール」をビバーチェとTグレードに標準装備。
オプションの三菱マルチエンターテイメントシステム(MMES)を、HDD(ハードディスクドライブ)内蔵から省電力性・耐衝撃性に優れるSSD(ソリッドステートドライブ)内蔵に変更。SDカードスロットやUSBソケットも追加した。
グレード体系も再度見直し、廉価グレードSグレードを廃止。代わりに特別仕様車のリミテッドを継続し、基本グレード2つ、特別仕様車1つの「2+1」グレードとした。
2010年8月・マイナーチェンジ
2010年8月マイナーチェンジではスピードメーター内にエコランプと追加。
ビバーチェグレードにSSD方式のMMES(三菱マルチエンターティメントシステム)とリアドアスピーカーを標準装備した新グレード「ビバーチェ+ナビ」を新設定。これと同時にビバーチェのオプション設定(MMES)を廃止。
さらに5年目以降の車検入庫時に保証延長点検(24ヶ月定期点検相当)を受けることを条件に適用される「最長10年10万km特別保証延長」の対象車種となった。
2012年7月・マイナーチェンジ
最後となる2012年7月マイナーチェンジでは保安基準適合のためヘッドレストを大型化し、ISO-FIXチャイルドシートアンカーも標準装備。
さらに、ドアミラーを大型化して視認性を向上させた。
中期と後期の違い
中期と後期モデルでは外観は同じだが、インテリアや機能装備、ボディカラーなどが変更された。
1回目のマイナーチェンジではレッドインテリアが廃止され、代わりにブルームエディションで設定の 「ミント&ブラウンインテリア」 がビバーチェで選択可能となった。
ターボのTグレードではインパネやドアトリムもブラック化した「ブラックインテリア」を新採用。
ただし2009年11月マイナーチェンジではこのミント&ブラウンインテリアも廃止され、ビバーチェはグレーインテリアのみとなった。
さらにボディカラーは 「ラズベリーレッドパール」と、「オーシャンブルーメタリック」、「サンフラワーイエローソリッド」 が後期型で追加。
2009年11月マイナーチェンジでは 「ミスティックバイオレットパール」が追加されたが、「ジンジャーブラウン」と「ドーンシルバーメタリック」 は廃止された。
同時に2009年11月マイナーチェンジではシート表皮も変更され、より上質なニット生地となった。
さらに2009年11月マイナーチェンジではワイパー形状を変更し、アイミーブでも採用の「エアロワイパーブレード」を新採用。「オートヘッドライト」も採用したが、廉価グレードのSグレードが廃止されている。
2010年8月マイナーチェンジではスピードメーター内にエコランプと追加。
2012年7月マイナーチェンジでは ヘッドレストを大型化し、ISO-FIXチャイルドシートアンカー追加、ドアミラーも大型化など微妙に仕様が異なる。
後期型アイのグレード構成 S、ビバーチェ、T、リミテッド、ビバーチェ+ナビ、ロアコンプリートの違いなど
後期型アイのグレード展開は下から順に「S」、「ビバーチェ」、「T」の3種類。
後期型では大幅なグレード集約が実施され「L」、「LX」、「M」、「G」グレードが廃止されている。
なお、通常モデル以外に特別仕様車として後期では「リミテッド」と「リミテッド コンフォートパック」、特装車「ロアコンプリート」などが設定されていた。
S
後期型アイの廉価グレード。自然吸気エンジンを搭載し、快適装備なども厳選することで価格を抑えた。
エクステリアではディスチャージヘッドランプ、アルミホイール、電動格納ミラー、リバースポジション連動リヤ間欠ワイパー&ウォッシャーをオプション設定。
プライバシーガラスと UV&ヒートプロテクトガラス(フロントウィンドウ) は中期型以降で標準装備となった。
インテリアではフルオートエアコンを標準装備するが、キーフリーシステムやプッシュエンジンスタート(キーレスオペレーションシステム)がオプション設定。
快適装備はパワステ、パワーウィンドウなどが標準装備だがインパネ一体型CD・AM/FMラジオ+スピーカーがオプション設定のオーディオレス仕様。
後期モデル以降では 「UV&ヒートプロテクトガラス」 がオプション選択可能となった。
さらにインテリアはグレーインテリアで固定。HDDナビゲーションは全グレードにオプション設定する。
安全装備は運転席&助手席エアバッグにABSを標準装備する。
2009年11月マイナーチェンジで廃止。リミテッドに移行。
ビバーチェ
後期型アイのミドルグレード。Sよりも装備が豪華で自然吸気エンジンの上級グレード的モデル。
エクステリアではUV&ヒートプロテクトガラス(フロントウィンドウ)、リバースポジション連動リヤ間欠ワイパー&ウォッシャー、電動格納ミラー、プライバシーガラスを標準装備。
ディスチャージヘッドランプはオプション設定。
快適装備ではキーレスオペレーションシステムとインパネ一体型オーディオを標準装備する。
インテリアではミント&ブラウンインテリアが選択可能となり、グレー内装かの2色から選択可能となる。
なお、2009年11月マイナーチェンジでミント&ブラウンインテリアを廃止。グレーインテリアのみとなった。
T
後期型アイの最上級ターボ仕様。中期型・Gグレードの後継グレード。
ターボエンジンを搭載し、ビバーチェの装備に加えて内外装の質感が高くなる。
エクステリアでは15インチアルミホイールとディスチャージヘッドランプを標準装備。
インテリアでは後期型で採用のブラックインテリアに本革巻きステアリングと本革巻きシフトノブの標準装備で、上級感がプラスされる。
特別仕様車 リミテッド
2009年8月設定の特別仕様車。装備を厳選しつつ価格を抑えた特別モデル。
リミテッドではSグレードにオプション設定の「マルチモードキーレスエントリーシステム」や「ディスチャージヘッドランプ」、「ABS」を標準装備としつつ、
「オーディオ」や「電動格納ミラー」、「プライバシーガラス」がオプション設定となるなど、装備を厳選しSグレードよりも価格を下げお買い得としたグレード。
ただし、ボディカラーは「ホワイトパール」「クールシルバーメタリック」、「ブラックマイカ」、「サクラピンクメタリック」の4色のみ。
特別仕様車 リミテッド コンフォートパック
上記リミテッドに上級グレード「ビバーチェ」とほぼ同等の装備を与えつつ、お買い得とした特別仕様車。
コンフォートパックでは快適装備の「ヒートプロテクトガラス(フロントウインドシールド)」、「プライバシーガラス(リヤドア/クォーター/テールゲート)」、「リバースポジション連動リヤ間欠ワイパー&ウォッシャー」、「親水&カラードドアミラー」を標準装備。
インテリアでは運転席バニティミラー、ブラックインテリアを標準装備。
ボディカラーはリミテッドと同じく4色設定のみ。
特装車 ロア(ROAR)コンプリート ビバーチェ/ロア(ROAR)コンプリートT
2009年11月設定の特別モデル。2006年の東京オートサロンで展示したアイROAR仕様を市販化。純正カスタムブランドのROAR製エアロパーツなどで仮装した特別仕様。
ベースはビバーチェとTグレード。
エクステリアにROARの専用グリル一体型フロントエアロバンパー、大型ルーフスポイラー、専用ROARアルミホイール、マフラーカッター、クリアターンシグナルなどでカスタム。内装はビバーチェとTグレードと同じ。
可愛らしいアイの外観が、スポーティなエアロ仕様に変化した特装モデル。
中古市場ではほとんどみかけない、アイの中でも超レアなモデル。
三菱アイのターボグレードについて
中古で人気のアイ。走りが楽しめるターボグレードは
- 前期型(2006年1月~2007年11月)はS、M、Gグレード
- 中期型(2007年12月~2009年10月)はMとGグレード
- 後期型(2009年11月~)はTグレードのみ
となる。これ以外に特別仕様車のターボ車は「スポーツスタイルエディション(※Gグレードベース)」、「ロアコンプリートT」などがある。
エクステリア
エクステリア
フロントデザイン。後期型もエクステリアの変更はなく、基本的には中期型と同じデザイン。
ただしワイパーブレードが2009年11月にアイミーブでも採用の 「 エアロワイパーブレード」に変更されている。
ディスチャージヘッドランプはTグレード標準装備。ビバーチェではオプション設定。Sには非設定。
サイドから。ミッドシップマウントにより室内長は軽自動車最長の2,550mmを確保。2006年時点であのN-BOXの2520mmをしのいでいる。
さらに軽自動車では唯一後面オフセット衝突にも対応している。また、リアエンジンがある荷物室は防熱対策がしっかりとされているので、荷物への影響はない。
アイの純正タイヤサイズ、ホイールキャップ
タイヤサイズは前後とも15インチだが、扁平率が異なりフロントが145/65R15。リアが175/55R15。荷重の重たいリアタイヤをワイド化することで、グリップ性能や優れた操縦安定性を実現する。
SとMグレードはスチールホイール+ホイールキャップ。アルミホイールはオプション設定。
アイの純正15インチアルミホイール
上級グレード(GグレードとLXグレード)ではアルミホイールを標準装備。ホイールのデザインは前期・中期・後期でも変更無く、すべて同じ。
ただし、後期で設定されたロアコンプリートには専用デザインのレイズ製15インチアルミホイールが標準装備となる。
リア
リア。このあたりはR2のリアに似ている。コンビランプはマルチリフレクター式を採用し、全グレードにハイマウントストップランプが付く。
プライバシーガラスは後期モデルで全グレードに標準装備となった(※リミテッドを除く)。
エンジン・機能装備・安全装備など
3B20型可変バルブタイミング機構(MIVEC)搭載エンジン
エンジンは吸気側に可変バルブタイミング機構MIVEC(マイベック)を搭載した3B20型直列3気筒DOHCターボとDOHC自然吸気エンジンの2種類。
これをラゲッジスペース下に斜め45度に傾斜させて搭載するMR方式を採用。
アイのために新開発したこのエンジンはシリンダーブロックをアルミ化し、インテークマニホールドには樹脂製を採用。
さらに電子スロットルの採用でターボエンジンでありながら滑らかなアクセルフィーリングを実現した。
さらに3B20型はアイでMR方式を実現スべく斜め45度に傾斜した状態で専用設計されたエンジンで、一般的なFF車のエンジンのように上方向に高さがなく、横方向に長い不思議な形状をしている。当時の三菱の技術力の高さがうかがえるシロモノ。
自然吸気エンジンの最高出力52ps(38kW)/7000rpm、最大トルク5.8kg・m(57N・m)/4000rpmを発生。
ターボエンジンエンジンの最高出力64ps(47kW)/6000rpm、最大トルク9.6kg・m(94N・m)/3000rpmを発生。
斜め45度に傾斜させて搭載したエンジンは、ボディスタイルとは想像できないぐらい低重心となり、ロングホイールベースやMR方式と相まって驚くほどスポーティな走りを楽しめる。
トランスミッション、駆動方式、安全装備など
トランスミッションは4ATのみ。駆動方式はMR(ミッドシップエンジンリアドライブ)または4WDとなる。
安全装備として全グレードで運転席&助手席エアバッグにABSを全グレードに標準装備する。
三菱アイの持病・AT(オートマ)の不調&故障
三菱アイの持病として、ATの変速不良がある。これは3速から4速にシフトアップするとき、ギアが抜けて4速に入らなくなる現象だ。
同年代の2代目パジェロミニ、トッポBJ、eKワゴン、eKスポーツの4ATでも同様の不具合が見られる。
内容はバルブボディ内部のストッパープラグに不具合が生じて変速が上手く行われにくくなる。
これが発病すると冷間時に1速から2速へシフトアップするときに、ムチウチのような大きな変速ショックが発生しする。特に高速走行や登坂走行などを繰り返し、ATFが高油圧走行となるような使い方をすると壊れやすい。
アイの4ATに関するリコール情報:ミニカ、トッポBJ、eKシリーズ、アイの4A/T(バルブボデー)について
故障した場合はバルブボディASSYの交換で治るケースもあるがバルブボディで完治しない場合はATミッション交換修理となり、20万~30万円ほどかかるケースも。
そのためアイを購入する場合はかならず試乗して変速ショックが無いか、同時にリコール対応で対策部品に交換済みかを確認することと強くオススメする。
アイの盲点 タイヤ代が高い&打開策
アイは純正で前後違うタイヤサイズを採用している。これはMR方式によりリアの荷重が重たく、それを反映させてリアを太くしたためだが、まるでスポーツカーのS660のような構成である。
これが原因で、量販店(カー用品店)などで4本セットのタイヤを購入する際セット品が買えずコストがかさむ問題がある。
そのためアイはタイヤを購入する際は一般的な軽自動車よりもタイヤ代が高くなる傾向がある。特にスタッドレスタイヤ購入の際はそれが顕著で、15インチという少し大きめなサイズも要因だ。
タイヤ代を少しでも抑えたい場合は、ネット通販のバラ売りで前後2本ずつ購入し、取り付けれもらう方法がオススメ。
量販店では売れ筋のタイヤサイズ以外は割引がきかず、特殊サイズかつ2本ずつのアイ純正サイズも割引がほとんどない。
ネット通販であれば元々が安く、かなり安価に購入可能。取付が必要だが提携店や持ち込み可のお店を利用すればネット通販のタイヤでも問題ない。
そのためアイでタイヤ代を安く済ませたいのならネット通販によるタイヤ購入がオススメである。
三菱アイ ターボ車の見分け方
三菱のアイは中期型から自然吸気エンジンが追加され、ターボ付きとターボなしの2種類となった。
ただし一昔前のターボ車のようにボンネットにエアダクトが空いておらず、外観で見分けるのは少しむずかしい。
前期型であればターボ車のみバンパー下部が黒く塗り分けされているので、前期型のターボ車と中期以降の自然吸気エンジンとの見分けは可能だ。
ただし、中期型以降ではターボ車でもバンパー下部がボディ同色となったため、中期以降では見分けが難しい。
なお、インテリアでは最上級Gグレード(後期はTグレード)のみ本革巻きステアリングや本革シフトノブが付いているので、このあたりもターボ車の見分けるポイント。
Mグレードに関してはGと同じくターボ仕様だが、本革巻きステアリングでの判断はつかず、見分けが難しい。
インテリア(内装)
インパネ
インパネ。同年代のeKワゴンと比べるとすべて専用設計で、かつデザインが近代的でありコストがかかっていたのが容易に想像できる。ただし質感はプラスチック感強く、チープ感がある。
後期型ではTグレードにインパネやドアトリムをブラック化したブラックインパネを採用。上級感がアップした。
また、ビバーチェにはブルームエディションでも採用していた「ミント&ブラウンインパネ」も選択できるようになった(※2009年11月マイナーチェンジで廃止)。
本革巻きステアリング
ステアリングは上級のTグレードのみ本革巻きステアリング。
ウレタンステアリング
Sとビバーチェはウレタンステアリング。
スピードメーター
スピードメーターはタコメーターがアナログ、スピードメーターがデジタルのハイブリッド式。
同年代のeKワゴンのメーターと構成は似ているが、こちらの方がシンプルかつ実用的なデザインで、どこか近未来的な雰囲気も感じさせるデザイン。今見ても古さを感じさせない。
フルオートエアコンパネル
エアコンは全グレードでオートエアコン(脱臭機能付クリーンエアフィルター)を採用。
一体型オーディオ
アイ純正AM/FMラジオ付CDプレーヤー。インパネ一体型オーディオで、デザインもかなり洗練されている。
なお、社外品オーディオやHDDナビゲーションを取り付ける場合は専用パネルに交換して2DINタイプを取り付ける。
シフトレバー
シフトは当時の軽自動車には珍しいゲート式フロアシフトを採用。
上級グレードではシフトノブの本革巻き仕様となる。
フロントシート(グレーインテリア)
フロントシートはセパレートタイプ。Sグレードではグレーインテリアのみ。
フロントシート(ブラックインテリア)
廉価Sグレード以外のL、LX、MとGグレードではオプション設定でレッドインテリアが選択可能。シート表皮とインパネカラーの一部が赤色に変更さされる。
フロントシート(ミント&ブラウンインテリア)
ビバーチェのみ「ミント&ブラウンインテリア」が選択可能だった。
リアシート
リアシート。スライド機構が非装備で同年代のライバル他車(ワゴンRやムーヴ)に比べるとさすがに厳しいが、この手の軽自動車にしては足元は広く取られている。
ラゲッジスペース
ラゲッジルーム。昨今の軽自動車と比べると奥行きが結構あり、意外と広い。
スライド機構付きの軽自動車と比べると、荷物は結構載せられる。
ただしエンジンがこの下にあるので他の軽自動車よりラゲッジルームが上方向に少し狭くなっている。
ちなみにこのようにリアにエンジンが格納されている。
リアシートを倒した状態。フルフラットにすると高さが同じになるので使い勝手はかなり良い。
アイのまとめ
後期型アイの総評
後期型アイはモデル集約によりわかりやすいグレード構成となり、新ボディカラーの追加やインテリアの変更など、小変更であったがより魅力をたかめたマイナーチェンジとなっていた。
外観は中期型と同じでこそほどんど変化していないが、わかりやすいグレード構成で以前よりも買いやすく、魅力的なボディカラーの追加で販売促進を狙うものだった。
特に特装車のロアコンプリートの追加など、後期モデルでは珍しい仕様もあり、アイ好きにはたまらないグレードである。
その一方でモデル終盤ともあり、販売台数はライバルに比べるとかなり振るわなかった。
その後2014年3月には完全な販売終了となり、EV車アイミーブにバトンタッチした。
スバルのR2と同じく今後このような尖った軽乗用車は2度と出てこないと思うので、分かる人にはたまらない1台でもある。
中古市場ではかつてよりも台数が減ってきており、不人気ゆえに過走行車は解体がすすんでいるものと思われる。
後期モデルでは特にTグレードの内装の質感が良くなっているので、比較的新しいターボ仕様のアイを購入する場合は後期のTグレードがオススメ。
いずれ入手が難しくなっていくので、安い今のうちに試してみるのも悪くない。
後期型アイの注意点
自然吸気エンジン仕様のSグレード、ビバーチェはターボ車に比べるとかなり加速がもっさりしており、特に高速道路では辛い部分がある。
街乗りオンリーでゆっくり走るなら問題ないが、郊外や高速道路の利用がある場合はターボ車のTグレードと乗り比べて確かめることをオススメする。
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