N-BOXはホンダのトールワゴン型軽自動車。 N-BOX+(プラス)はその派生モデルで、N-BOXプラスカスタムはそのカスタムモデルである。本稿ではデビューから2015年2月のマイナーチェンジまでを前期型と定義し扱う。
出典:ガリバー
- ホンダ 初代・N-BOXとは?
- N-BOX+(エヌボックスプラス)とは?N-BOXとの違いなど
- N-BOXプラスのマルチスペースシステム(ラゲッジスペースアレンジ)について
- 初代N-BOXプラスカスタムの特徴とN-BOXプラスとの違い
- N-BOXプラスカスタム・JF1とJF2との違い
- 初代N-BOX「あんしんパッケージ」とは?
- 前期N-BOX+カスタムのグレード G、G・Lパッケージ、G・Aパッケージ、2トーンカラースタイル、G・ターボパッケージ、SSパッケージ、モデューロXの違いなど
- 初代・前期型N-BOX+カスタムのエクステリア(外装)
- エンジン・機能装備・自動ブレーキなど
- 初代・前期N-BOX+カスタムの持病 CVTの不具合について、ガラガラ、ギー、ゴーなど変なうなり音がする原因など
- 初代・前期型N-BOX+カスタムのインテリア(内装)
- 前期N-BOX+カスタムのまとめ
- N-BOX+カスタムの前期モデルは以前よりも買いやすい価格帯に…? 格安・激安には要注意
ホンダ 初代・N-BOXとは?
長く続いたホンダの軽売り上げ不振を払拭すべく、N計画の第1号として2011年12月にデビューしたN-BOX。
ライバルのタントやパレットよりも背の高い1.78Mという高さに、ホンダ得意のガソリンタンクを床下に設置するなど、とにかく車内の広さがこの車の売りだ。
またホイールベースも長く立てにも上にもまさにスーパーなワゴンに仕上がっている。タントやパレット(現行はスペーシア)の後出しということで、このあたりは研究しまくったという印象が強いモデルだ。
運転のしやすさも入念に考えられ、ミニバンと同等のアイポイントや死角を減らすサポートミラーの設定など、幅寄せや駐車を容易にした設計。
新開発のエンジンの採用や同社初のCVTの採用で、当時としてはクラストップレベルのを実現した低燃費と走行性能、軽量化や効率化を追求した新設計ボディの採用もホット。
使い勝手もセンタータンクレイアウトの採用で低床な室内を活用したシートアレンジを採用。また大開口のテールゲートで長くて大きい荷物の積み下ろし(自転車など)も快適とした。
安全装備としてはVSAとヒルスタートアシストをを全グレードに標準装備。サイドカーテンエアバッグを助手席サイドエアバッグをセットでタイプ別設定した。
「あんしんパッケージ」は初代N-BOXの2013年12月の一部改良以降に設定されたセットオプション。安全装備などの
- シティブレーキアクティビティシステム
(低速域衝突軽減ブレーキ + 誤発進抑制機能) - サイドカーテンエアバッグシステム
- 前席用i-サイドエアバッグ
をセットにしたオプション。2代目モデルでは「ホンダセンシング」として一部を除いて自動ブレーキなどの安全装備は標準装備化されているが、初代では一部を除いてオプション扱いだった。
N-BOX+(エヌボックスプラス)とは?N-BOXとの違いなど
その初代N-BOXに2012年7月に追加設定された派生モデルがN-BOX+(エヌボックスプラス)である。
エヌボックスプラスはセンタータンクレイアウトと広いに荷室空間を実現したエヌボックスをベースに斜め床とアルミスロープの「ユニバーサルブリッジ」と多彩な空間アレンジの「マルチスペースシステム」を採用したモデルで、乗用モデルと軽バンを組み合わせたハイブリッドな軽自動車。
これにより車いすなどをラゲッジスペースに乗ったまま乗せられたり、自転車や小型バイクもそのままらくらく積載。ラゲッジスペースの空間アレンジを使えば様々な荷物を乗せられるなど、日常生活からレジャー、介護まで幅広い用途に対応させたモデルである。
メカニズムでも積載物に耐えられるようリアの板厚を増やし、リアのクロスメンバーを追加。重量物が積載されることを前提にフロントサスペンション、リアサスペンション、ステアリングまわりがエヌボックスプラス専用セッティングとなる。
①ユニバーサルブリッジ
- ホンダ独自の「センタータンクレイアウト」による低床のフロアをさらに斜めにしたことに加え、アルミスロープを組み合わせることで車体の床面と地面を地続きにすることができ、バイクなどの車輪付きの重量物を容易に積み降ろし可能とした
②見晴らしの良さと運転のしやすさ
- ミニバン同等の高いアイポイントを実現し、幅寄せや駐車をする際などに役立つ左前輪・左後輪・後方下部の死角を見やすくするミラーを装備。
③走りと燃費を高次元で両立
- クラストップレベルの高出力・高トルクDOHCエンジンと、動力効率の高いCVT(無段変速オートマチック)の組み合わせでなめらかで力強い走りを実現。
- アイドリングストップ機構やECONモードなどの採用により21.2km/の優れた燃費性能を実現。
- 高性能なターボチャージャーを採用したDOHCターボエンジンを標準タイプとカスタムの全グレードに設定。
④高い安全性能を実現した充実の安全装備
- 新設計エンジンと荷重分散構造により、全方位でクラストップの衝突安全性能を実現
- VSA(車両挙動安定化制御システム)を全グレードに標準装備
- 坂道発進時の後退を抑制するHSA(ヒルスタートアシスト機能)を全グレードに標準装備
- 運転席用i-SRSエアバッグシステム<連続容量変化タイプ>、助手席用SRSエアバッグシステムを全グレードに標準装備
- 衝突時に乗員の頚部、ならびに頭部への衝撃を緩和する、頚部衝撃緩和フロントシートと頭部衝撃保護インテリアを採用
⑤環境性能
- 全タイプ、国土交通省「平成17年排出ガス基準75%低減レベル」を実現
- N BOX + GおよびG・Lパッケージ(FF/4WD)と、N BOX + カスタム GおよびG・Lパッケージ(FF/4WD)は、「平成27年度燃費基準」を達成。
- クルマ全体でのリサイクル可能率は90%以上を実現。
N-BOXプラスのマルチスペースシステム(ラゲッジスペースアレンジ)について
N-BOXプラスでは付属の大小2つのマルチボードとエンドボードで用途に応じて5種類のラゲッジスペースアレンジが可能だ。
下段モード
最もベーシックなモードで買い物などの一般的な荷物を乗せるのに適する。
上段モード
下段モードよりも荷物量が少ない時に利用しやすい。
フラットモード
より多くの荷物や長さのあるものを乗せる時に使う(※2名乗車となる)。
スロープモード
車いすや自転車、バイクなどを乗せる時に使う。オプション設定の「アルミスロープ」を使うとより積載しやすくなる(車いすに乗ったまま積載する時は必須)。
ベッドモード
車中泊などに使う。フロントシートとラゲッジスペースをほぼ水平にでき、室内空間が巨大になる。
初代N-BOXプラスカスタムの特徴とN-BOXプラスとの違い
そのカスタムモデルとなる「N-BOXプラスカスタム」はN-BOXプラスをベースにN-BOXカスタムと同じく標準モデルに対し内外装をスポーティにあしらったモデルである。
外装では
- カスタム専用ヘッドライト(ディスチャージヘッドランプ)
- フロントメッキグリル
- フロントバンパー
- サイドアンダースポイラー
- アルミホイール
- クリアーテールランプ
- ルーフエンドスポイラー
- リアバンパー
内装ではブラックタイプのインパネやシート表皮、シルバー加飾や革巻きステアリングなどで上級感をアップさせたカスタムモデルとなる。
基本的な装備はN-BOXカスタムと同じだが、N-BOXプラスカスタムではN-BOXプラスと同じくリアゲートとラゲッジスペースまわりが専用品となり、ラゲッジスペースを仕切って使える2種類の板(マルチボードとエンドボード)が付属。さらにカスタム専用バンパー、リアゲートなどがスロープ対応品となる。
N-BOXプラスカスタム・JF1とJF2との違い
N-BOX+カスタムのJF1とJF2との違いは駆動方式。
JF1は前輪を駆動するFFのN-BOX+カスタム。JF2はJF1をベースに全部のタイヤを駆動する4WDのN-BOX+カスタム。
ただし4WDに関してはジムニーやパジェロミニなどの本格軽SUVとは異なり、基本はFFで、前後の回転差が生じた時(滑った時など)に4WDとなるビスカスカップリングを用いたパッシブタイプのオンデマンド4WD方式。
パートタイム4WDのようなタイトブレーキング現象が発生せず街乗りでは扱いやすいが、その分本格的な悪路走行には向いていないのでその点は十分注意されたい。
初代N-BOX「あんしんパッケージ」とは?
「あんしんパッケージ」はN-BOX+の2013年12月の一部改良以降に設定されたセットオプション。安全装備などの
- シティブレーキアクティビティシステム
(低速域衝突軽減ブレーキ + 誤発進抑制機能) - サイドカーテンエアバッグシステム
- 前席用i-サイドエアバッグ
をセットにしたオプション。2代目モデルでは「ホンダセンシング」として一部を除いて自動ブレーキなどの安全装備は標準装備化されているが、初代モデルでは一部を除いてオプション扱いだった。
前期N-BOX+カスタムのグレード G、G・Lパッケージ、G・Aパッケージ、2トーンカラースタイル、G・ターボパッケージ、SSパッケージ、モデューロXの違いなど
前期N-BOX+カスタムのグレード構成は自然吸気エンジンがエントリー「G」、上級「G・Lパッケージ」、「G・Aパッケージ」、上級2トーンカラー仕様「2トーンカラースタイルG・Aパッケージ」。
ターボモデルが上級ターボ「G・ターボパッケージ」、「G・ターボAパッケージ」、上級ターボ2トーンカラー仕様「2トーンカラースタイルG・ターボAパッケージ」で全7種類。
これ以外に特別仕様車で「SSパッケージ」と「SSターボパッケージ」、「2トーンカラースタイル SSパッケージ」、「2トーンカラースタイル ターボSSパッケージ」を設定。
N-BOXカスタムのコンプリートカー「モデューロX」はプラスの方には非設定となっていた。
標準タイプのN-BOXプラスはこちらから。
Gグレード
前期N-BOX+カスタムのエントリーグレード。カスタムの中でも装備がシンプルで新車価格が一番安いグレード。廉価グレードといっても標準N-BOX+よりは装備が豪華。
快適装備は
- スマートキー
- 車速連動オートドアロック
- プッシュ式エンジンスタート
- イモビライザー
- セキュリティーアラーム
- チルトステアリング
- プラズマクラスター搭載フルオートエアコン
- 電動パワーステアリング
- 電動格納式ドアミラー
- パワーウィンドウ
- パワードアロック
- フットパーキングブレーキ
- フロント2スピーカー
- ライト消し忘れブザー
- パーキングブレーキ解除忘れブザー
- 燃料残量警告灯、
- 水/ヒーテッドドアミラー+フロント撥水ガラス(4WD)
- リアヒーターダクト(4WD)
を標準装備。
安全装備は
- SRSエアバッグ
- VSA
- EBD付きABS
- ヒルスタートアシスト
- ピタ駐ミラー
- フロント3点式ロードリミッター付プリテンショナーELRシートベルト
- リア3点式ELRシートベルト
- 汎用型ISOFIXチャイルドシートロアアンカレッジ(リア左右席)+トップテザーアンカレッジ(リア左右席)
- 運転席/助手席シートベルト締め忘れ警告ブザー&警告灯(シートベルトリマインダー付)
- プロジェクタータイプ ディスチャージヘッドライト〈HID〉(ロービーム、オートレベリング/オートライトコントロール機構付)
- ハイマウントストップランプ
- 熱線式リアウィンドウデフォッガー
- チャイルドプルーフ
を標準装備。
Gグレードではエアコンがマニュアル式エアコンとなり、タイヤが13インチスチールホイール+ホイールキャップ。
パワースライドドアがデビュー当初は左右両方とも非装備で、インパネの加飾も無くシンプルなブラック内装となる。
2013年12月の一部改良ではカスタムGグレードに左側電動パワースライドドアが標準装備、エアコンもフルオートエアコンに変更となった。
G・Lパッケージ
前期N-BOX+カスタムの上級グレード。Gグレードに加えて内外装が豪華で見た目も良く、パワースライドドアなどの快適装備も増える。
エクステリアでは14インチアルミホイールを標準装備。
リア左側電動パワースライドドアでリア右側はオプション設定。スライドドアイージークローザーは両側に標準装備。
インテリアでは
- リアセンターアームレスト
- ピアノブラック調ドアガーニッシュ
- クロームメッキ・インナードアハンドル
- ピアノブラック調インパネガーニッシュ
- シルバー塗装オーディオガーニッシュ
- ガーニッシュ付きウレタンステアリング
- クロームメッキシフトノブボタン
などで内装が豪華に。さらにインパネトレイにはブルーイルミネーションが内蔵される。
G・ターボパッケージ
G・Lパッケージにターボを適用した前期N-BOX+カスタムの上級ターボグレード。
G・Lグレードの豪華装備に加えターボエンジンのほか、本革巻きステアリングや15インチアルミホイール、両側パワースライドドア、クルーズコントロール、パドルシフトなどが標準装備となる。
なお、GやG・Lグレードにはアイドリングストップが付くが、ターボ仕様のG・ターボパッケージには非装備となる。
G・Aパッケージ
2013年12月に追加された自動ブレーキの「あんしんパッケージ」などを標準装備した上級グレード。それまでの上級「G・Lパッケージ」グレードがこの「G・Aパッケージ」に置き換えられた。
※AパッケージのAはAnsinのAを意味する。
装備面はG・Lパッケージと同じで、14インチアルミホイールや加飾インパネ、シルバー塗装ガーニッシュ、メッキインナードアハンドルや、アレルクリーンシート表皮を標準装備する。
2トーンカラースタイルG・Aパッケージ
2013年12月に追加された新ボディカラーの「2トーンカラー」を採用した専用グレード。
出典:ホンダ認定中古車
G・Aパッケージの装備に加えて専用ボディカラー「ミラノレッド×ブラック」と、オプションカラーの「プレミアムホワイト・パール×ブラック」2色のみのを設定。
出典:ホンダ認定中古車
外観ではボディカラーがルーフ部分で塗り分けられ、グリルやドアミラー、アルミホイールも2トーンカラー仕様のブラック塗装なり、インパネでは2トーンカラー専用インパネに本革巻きステアリングやシフトノブ、フロントシートがレッドステッチを入れた専用品となる。
2トーンカラースタイルG・ターボパッケージ
2トーンカラースタイルG・Aパッケージをターボ仕様とした前期の最上級グレード。
上述の2トーンカラースタイルG・Aパッケージに追加で15インチアルミホイール、パドルシフト、両側パワースライドドア、クルーズコントロールが標準装備となる。
特別仕様車 SSパッケージ
2013年5月設定のN-BOX+カスタムの特別仕様車、第1弾。SSは本田技研の鈴鹿製作所を意味する「スズカ・スペシャル」の頭文字SSから取られている。
SSパッケージはGグレードをベースに左側電動パワースライドドアを標準装備し、両側パワースライドドア化。このほかに
- 14インチアルミホイールと
- 「あんしんパッケージ」
- IRカット<遮熱>/UVカット機能付ガラス(フロントウインドウ)
- IRカット<遮熱>/スーパーUVカットガラス(フロントコーナー/フロントドア)
- シートヒーター(FFはオプション設定)
を標準装備。
機能性とスタイリッシュ感をアップさせた特別仕様車。
特別仕様車 SSターボパッケージ
上記SSパッケージのターボ仕様版。
SSパッケージの装備に加えてターボエンジン、15インチアルミホイール、本革巻きステアリング、クルーズコントロール、パドルシフトが標準装備となる。
福祉車両 車いす仕様車/車いす仕様車キット
N-BOXプラスカスタムにオプション設定の
- 「アルミスロープ」
- 「リモコン付き電動ウィンチ」
- 「ラゲッジスペース用リアスピーカー」
- 「ラゲッジスペース用てすり」
- 「3点式ELRシートベルト」
などを標準装備とし、車いすに特化させた福祉車両。そのまま福祉車両として使えるモデルで、カスタムモデルはベーシックな「G」ベースの「G 車いす仕様車」1種類のみの設定で、ターボ仕様は無し。
軽自動車の福祉車両としては初の4WD仕様も設定する画期的なモデルだった。
「車いす仕様車キット」は既存のN-BOXプラスに後付で上記車いす仕様車にできるセットキット。購入後の状況変化で福祉車両が欲しくなったエヌボックスプラスユーザー向けに、後付のオプション品としていた。
初代・前期型N-BOX+カスタムのエクステリア(外装)
出典:ホンダ認定中古車
フロントデザイン。ノーマルモデルではオーソドックスだったヘッドライトは、カスタム専用のディスチャージヘッドランプを埋め込んだ立体的で生き物感のあるデザインとなり、メッキガーニッシュがそれを強調させている。ホンダのミニバンである、ステップワゴンやエリシオンを連想させるデザインだ。
N-BOX+カスタム仕様としてはフロント周りは非プラスタイプと共通で見た目はまったく同じ。
出典:ホンダ認定中古車
右側からポジションランプ、ディスチャージ仕様のLOW、HIランプと続き、斜め方向にアクセサリーLED、その下がウィンカーである。
出典:ホンダ認定中古車
サイドから。ドアノブはメッキ仕様。LEDターンランプ付きドアミラーは全グレードで標準装備。
パワースライドドアはGグレードには非装備で、G・Lパッケージで後方左側のみ。G・ターボで両側パワースライドドアとなる。
出典:ホンダ認定中古車
足元はGグレードが13インチフルホイールキャップ。サイズは145/80R13。
出典:ホンダ認定中古車
G・Lパッケージ(G・Aパッケージ)では14インチアルミホイール。サイズは155/65R14 。
出典:ホンダ認定中古車
G・ターボでは専用デザインの15インチアルミホイールで、サイズは165/55R15となる。
出典:ホンダ認定中古車
リアもメッキパーツを使い、ノーマルとは異なるクリアータイプのコンビランプを使いカスタム感を演出。
プラス仕様として唯一異なるのがリアまわりで、エンブレムが専用の「N-BOX+」エンブレムが付き、リアゲートとリアバンパーもアルミスロープに対応させるためN-BOX+カスタム専用品がつく。
見分ける場合は「N-BOX+」エンブレムとリアゲート&リアバンパーがポイント。
エンジン・機能装備・自動ブレーキなど
出典:ホンダ認定中古車
エンジンはS07A型直列3気筒DOHC自然吸気エンジンと同インタークーラー付きターボエンジンの2種類を設定。自然吸気エンジンは最高出力、58ps(43kW)/7300rpm。最大トルクは6.6kg・m(65N・m)/3500rpm。
ターボ仕様では最高出力64ps(47kW)/6000rpm、最大トルクは10.6kg・m(104N・m)/2600rpmとなる。トランスミッションはCVTのみ。
駆動方式はFFか4WDで、EBD付きABSに加え、雪国にはうれしいVSA(横滑り防止装置)とヒルスタートアシストが標準装備となっている。
安全技術としては2014年5月設定のSSパッケージで「あんしんパッケージ」をオプション設定。シティブレーキアクティブシステム、サイドカーテンエアバッグシステム、前席用i-サイドエアバッグシステムをひとまとめにしたオプションとなっている。
初代・前期N-BOX+カスタムの持病 CVTの不具合について、ガラガラ、ギー、ゴーなど変なうなり音がする原因など
NシリーズのCVT不具合の内容と原因
初代の前期型N-BOXカスタムのCVTは、走行距離が増えるとミッション内部の加工片が偶発的にドリブンプーリーベアリング内部に噛み込み、ベアリング内部の軌道面が剥離して異音が発生するケースがある。
これに関してはホンダからCVTの延長保証が出ており、不具合が発生しやすいようだ。
特にCVTフィールドを定期的に交換していないと異音が発生しやすく、一度も交換していないようなN-BOXは発生の可能性が高くなる(初代N-BOXカスタムのCVTフィールドは4万キロごとが交換推奨時期)。
※ただし定期的な交換をしている場合でも走行距離によっては異音が発生するケースもあり
そのまま放置し続けると加速不良から走行不能にまで発展するため、乗り続ける場合はかならず対処が必要となる。
なお、N-BOXカスタム以外に同年代のN-WGNやN-ONEなどNシリーズとS660の前期モデルの一部で同様の不具合が発生している。
保証期間
①初度登録日から経過、6年未満の車両
5年または10万km以内 ⇒ 7年または10万km以内
②初度登録日から経過、6年以上の車両
5年または10万km以内 ⇒ 保証期間延長開始後から1年または10万km以内
CVT不具合に対する修理費用について
万が一この現象が出ているモデルで保証期間がすぎると自己負担による有償修理(ミッション載せ替え)が必要。不具合の部品だけの交換は難しく、トランスミッション丸ごと(ASSY)交換となる
新車登録年以外に10万キロ以上の車では保証外なため、8年落ち以上の個体や10万キロ超過の過走行車を買う場合は要注意。
購入後に不具合が発覚しても保証外なため自腹修理となり、ミッション本体と工賃をあわせると約30万円ぐらいの高額修理になる場合がある。
そのため中古で初期モデルのN-BOXカスタムを買う場合はこの不具合が出ていないか、あるいは対策済みなどかを確認してから購入することを強くオススメする。
初代・前期型N-BOX+カスタムのインテリア(内装)
出典:ガリバー
インパネ。カスタムではブラックを貴重とし、ピラノブラックのガーニッシュやシルバーやメッキの加飾で上級感やスポーティー感を演出している。
エアコンは全グレードでプラズマクラスター搭載フルオートエアコンを採用。
インテリアもフロント周りは基本的に非プラスと同じ仕様。
出典:ホンダ認定中古車
ターボ仕様はパドルシフトが付きクルーズコントロールを標準装備。
Gはシンプルなウレタンステアリング。G・Aパッケージ(G・Lパッケージ)ではガーニッシュ付きウレタンステアリングホイール。ターボ仕様のみ本革巻きステアリングとなる。
出典:ホンダ認定中古車
2トーンカラースタイルではエアコン吹き出し口をレッドカラーに。ステアリングはレッドステッチ入の本革巻きステアリングとなる。
出典:ホンダ認定中古車
スピードメーター。全グレードで3眼式自発光式メーターを採用。
エコドライブを促すECONモード付き。エアコンはGグレードのみマニュアル式エアコン。それ以上ではオートエアコンとなる。
出典:ホンダ認定中古車
フロントシートはベンチシートタイプ。カスタム専用のブラックシート表皮で上級感を演出。Gグレード以外はアレルクリーンシートとなり、抗ウイルス・抗アレルゲンの機能を持つ。
2トーンカラースタイルでボディカラーに「ブロンズ&ホワイト」を選択時はシート表皮が専用ブラウン、フロアカーペットとテールゲートライニングはベージュ色となる。
出典:ホンダ認定中古車
2トンカラースタイルではシートにも赤のステッチ入りとなり上質感をプラス。
出典:ホンダ認定中古車
リアシート。ここからがからがエヌボックスプラス専用品。特にヘッドレスト形状が大きく異る。後部座席は倒して使うことも考慮されており、ヘッドレストを収納するスペースがリアクォーターガラス付近に設けられる。
シートアレンジもスライド機構のみで、標準仕様のチップアップ機構は非搭載。
出典:ホンダ認定中古車
かわりにプラスでは専用の大小2つのマルチボードとエンドボードが付き、5つのラゲッジスペースアレンジが可能となる。
4名乗車時は上下に分けて荷物を乗せたり、
出典:ホンダ認定中古車
アレンジを行えば車中泊仕様などにも対応する。
出典:ホンダ認定中古車
また、ラゲッジスペースは素の状態でスロープ形状となっており、チャイルドシート付きの電動アシスト自転車なども乗せやすく、標準N-BOXとは大きく異る。
自転車を固定するためのタイダウンベルトフックも4箇所付いており、
出典:ホンダ認定中古車
さらに福祉車両の「車いす仕様」ではリモコン付き電動ウィンチや
出典:ホンダ認定中古車
アルミスロープが標準装備となり、すぐに使える仕様となる。
前期N-BOX+カスタムのまとめ
N-BOX+カスタムはベースのN-BOXカスタムに対し、ラゲッジスペースの使い勝手を大幅向上し、車いすに対応させた福祉車両や、日常使いや車中泊などのレジャー利用に特化させたモデルである。
特に車いす仕様車に至ってはそれまで軽乗用モデルというと背の低いモデルがベースで車いすに乗ったまま乗せれなかったが、エヌボックスプラスはスーパーハイトワゴンがベースとしこれを乗用モデルで実現。軽ワンボックにはない優れた乗り心地や低燃費なども両立させた仕様となっている。
さらに自転車や小型バイクなどを乗せるトランスポーター的な使い方や、車中泊などにも利用でき福祉車両以外の使い道も可能だ。さすがに大型バイクは厳しいが、今までのアクティバンなどにはない低燃費や乗り心地はエヌボックスプラスの魅力的な部分である。
カスタムモデルは標準タイプよりも推しの強いデザインで上級感やスポーティ感が高く、内装の質感もアップしており軽自動車でもこだわりたい人向けのカスタム仕様。特に男性に嬉しい仕様となっている。
なお、2代目モデル以降はグレード名に「+」の表記がなくなりかわりに「スロープ」という名称で販売されている。
N-BOX+カスタムの前期モデルは以前よりも買いやすい価格帯に…? 格安・激安には要注意
中古市場では年数経過により初期モデルが買いやすい価格帯に落ちてきており、以前よりも購入しやすくなった。
上述のCVTトラブルがあるため状態を確認することが条件だが、ライバルのタントスローパーやスペーシアWITHシリーズよりも比較的タマ数が多く、4WDも選択できるので中古車としても魅力的なモデルである。
ただし、格安で現状渡しのような中古車の場合、納車後の故障などのトラブルが一切ない場合もあり時限爆弾的なCVTトラブルを持つ前期型N-BOXベースのこのモデルでは致命傷ともなりかねない。
できれば信頼のできる中古車屋で保証など付けて故障時にも対応できるよう、このあたりを手厚くしたほうが良いと思う。ミッショントラブルとなって交換修理となったときには30万円コースとなることを念頭にしておきたい。
初代モデルといえどN-BOXは中古車の中でもいまだ人気モデルで、中古の仕入れ値が高くなりがち。同年式・同走行距離のライバルモデルと比較して、同じ価格帯であっても状態が悪い場合がある。
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