【後期型 キャストアクティバOEM】トヨタ ピクシスジョイC(LA250S/LA260S型)概要解説 | シン・軽自動車マニア

【後期型 キャストアクティバOEM】トヨタ ピクシスジョイC(LA250S/LA260S型)概要解説

ピクシスジョイC

ピクシスジョイCはトヨタのクロスオーバーSUV型軽自動車。ダイハツ・キャストアクティバのOEMモデルである。本稿では2017年10月マイナーチェンジ以降を後期型とし、これを扱う。

LA250S_C_last (2)

スポンサーリンク

トヨタ ピクシスジョイCとは?

2016年8月に登場したピクシスジョイ。トヨタの軽自動車は全て子会社であるダイハツよりピクシスシリーズとしてOEM供給を受けるが、その第6弾として投入されたのがピクシスジョイである。

ベースモデルはダイハツ・キャスト。

トヨタ版でもキャストと同じく3種類の異なるモデルを設定し、それぞれキャストアクティバはピクシスジョイC(クロスオーバー)、キャストスタイルピクシスジョイF(ファッション)キャストスポーツピクシスジョイS(スポーツ)とした。

このうち本稿で扱うのはクロスオーバーSUVであるピクシスジョイCとなる。

LA250S_C_last (4)

ピクシスジョイCはベースモデルのキャストアクティバと同じく、外装にピクシスジョイSやピクシスジョイFと異なる専用のSUVパーツが付けられヘッドライトやボディスタイルはほぼおなじものの2モデルとは異なるSUV風の外観が与えられている。

また、ピクシスジョイCではハスラーと同じ15インチの大径タイヤを標準装備し、最低地上高を上げディパーチャーアングルを大きくることでライトな悪路にも対応できるようにした。

さらにSUV性能を高めるためにグリップサポート制御やダウンヒルアシストコントロールなどを4WDモデルで標準装備とし、プラットフォームを共有する6代目ムーヴとは異なる専用メカニズムで特に雪道での安全性を高めている。

ベースモデルのキャストアクティバはそれまでダイハツに存在した軽SUVのテリオスキッドの後継モデルとして登場しており、テリオスキッドほどではないがクロスオーバーSUVとしてライトな悪路走破性能を高めたモデルとなっている。

LA250S_style_last (28)

パッケージングはデザイン性をもたせつつも室内長を2005mm、室内幅は1320mm、室内高は1245mmを確保。大人4人がゆったりと座れるボディサイズを実現した。

また、軽量高剛性ボディ「Dモノコック」や「Dサスペンション」「Dアシスト」を採用することで、高い基本性能を実現。

しっかりとしたハンドリングで、ロールや走行時のふらつきが少なく高い操縦安定性を確保している。静粛性も追求し、ステアリングのパッド取付部にゴム材を使用することで、ダンパーとしての機能を加え、振動を吸収する構造とした。さらにボディパネルの隙や穴を減らし、音の侵入経路を低減している。

燃費向上技術としてはミライース(トヨタ版はピクシスエポック)の「イーステクノロジー」からCVTサーモコントローラー、クールドi-EGR、樹脂化ボディなどを適用し、軽量化とメカニズムの効率化をアップ。

クロスオーバーSUVでありながら自然吸気エンジンの4WDモデルでは26.8km/L(JC08モード)、一番悪いターボの4WDでも25.0km/L(JC08モード)の低燃費を実現した。

スポンサーリンク

後期型ピクシスジョイの特徴と前期との違い

LA250S_C_last (1)

そのピクシスジョイCはダイハツ版キャストアクティバのマイナーチェンジと同時期に改良を受け後期型となった。

後期型ではフロントグリルのデザインをよりSUVらしい力強いものへ変更。ボディカラーに「レモンスカッシュクリスタルメタリック」と「オフビートカーキメタリック」の2種類を新規追加。

自動ブレーキのスマートアシストⅡ搭載グレードでは歩行者対応やオートハイビームなどを採用した「スマートアシストⅢ」にアップグレード。

また、内装ではそれまでダイハツ版に特別仕様車としてしか設定のなかった「プライムコレクション」を新設定し、ダイハツ同様にカタロググレード化するなど内外装でのイメージチェンジと安全装備のグレードアップで魅力や上質感をアップさせたマイナーチェンジとなっている。

ダイハツ版キャスト・アクティバとトヨタ版ピクシスジョイCとの違い

キャストアクティバとピクシスジョイCの大きな違いはなく、外観はエンブレムが変更になる程度。

ただし、ダイハツではキャストアクティバ、キャストスタイル、キャストスポーツで3種類微妙に違うエンブレムだったが、トヨタ仕様ではピクシスジョイC、ピクシスジョイF、ピクシスジョイSですべて共通の猫が付いたエンブレムとなる。

グレード構成も名前こそ違うものの基本的には同じ内容で、完全なエンブレム違いの兄弟車となっている。

【後期型】ダイハツ キャストアクティバ(LA250S/LA260S型)

エクステリア

LA250S_C_last (1)

フロントデザイン。後期型ではそれまでのフロントグリルのデザインを刷新し、中央に3本の大きなラインが入ったものへと変更された。

それまでは少し控えめデザインのグリルだったが、これを大きく変更しSUVのイメージに合う大型で力強いデザインのものとした。

外装ではこのグリルのみの変更となるがクルマの主要部分である顔つきに関連するパーツのため印象に変化が与えられ見た目的にもSUV感が強くなっている。ハスラーでいうところの「JスタイルⅢ」などのメッキグリルのイメージだろうか。

【初代・後期型 特別仕様】スズキ ハスラーJスタイルⅢ(MR41S型)

これ以外はベースモデルと同じでピクシスジョイC専用のバンパーガーニッシュにフォグランプ(※Xグレードはフォグランプ非装備)、X系グレード以外でLEDヘッドランプ(ヘッドライトはLEDクリアランスランプ付きLEDヘッドライト、フォグランプもLEDフォグランプ)となる。

LA250S_C_last (15)

なお、トヨタ仕様のおける専用装備はグリル内のトヨタマークのみで後はダイハツ版と全く同じ。

ただし、キャストアクティバではキャストのCマークが付いていたのに対しこちらではオーソドックスで軽自動車ではあまり見慣れない「トヨタマーク」のため、エンブレムだけの変更なのだが見る人によってはこちらのほうがしっくりくるようなデザインに変化している。

LA250S_C_last (2)

サイド。このあたりは前期型と同じ。トヨタ仕様としてはフロントのエンブレム以外はベースと同じ。そのためパット見はキャストアクティバなのかピクシスジョイCなのか見分けは付きづらい。この点はほかのピクシスシリーズと同じ。

ベースと同じくボディ上半分は3モデルほぼ共通だがピクシスジョイCの下部はSUVテイストなパーツが付けられている。バンパーからフェンダーにかけてはボディ色とは違うブラック系の部品が付き、スタイルやスポーツとは違う大きなフォグランプが付いている。

悪路などを想定したSUVでは大きめなフォグランプが付くことが多いので、これにならっての装備だろうか。さらにバンバー下部にシルバー色のフロントバンパーガードが付き、ひと目でSUVとわかるようになっている。デザインそのものはかわらないのだが、

LA250S_actiba_last (19)

後期型では新ボディカラーとしてて鮮やかな黄色のレモンスカッシュクリスタルと

LA250S_actiba_last (20)

茶系のオフビートカーキの2色を追加。全7色となった。

ルーフに適用される「デザインフィルムトップ」の設定を拡大。ディープブルークリスタルマイカ×ブラック、ブラックマイカ×ホワイト、レモンスカッシュクリスタル×ブラック、レモンスカッシュクリスタル×ホワイト、オフビートカーキ×ブラック、オフビートカーキ×ホワイトを新たに設定して19パターンとした。

最低地上高はFFで180mm(4WDは175mm)を確保しムーヴベースでありながら悪路(特に雪国での積雪路面)での走破性を高めている。同じカテゴリーのハスラーもFFが180mmで4WDが175mmとまったく同じ。

LA250S_actiba_last (6)

足元はG系グレードが15インチアルミホイール。X系グレードが15インチフルホイールキャップとなる。デザインは前期と同じ。

LA250S_C_last (4)

リア。このあたりは特に変更なし。コンビランプはクリアータイプ。前記同様にバンバー下部のウィンカー&バックランプが専用パーツ。

さらにナンバープレート付近の囲いもアクセント専用品で、もちろんフロントと同じくバンパーガードがリヤにも付いている。

リアにかけてはフロントと同じバンパー下部のリアバンパーガードによりゴツイ感じがしており、軽自動車にしては迫力のあるスタイリングとなっている。

LA250S_C_last (16)

トヨタ仕様の変更点としては前期と同じくリアゲート中央のトヨタマークとリアゲート左下の「PIXIS JOY」エンブレム程度となる。

エンジン・機能装備・安全装備など

L260S_activa_prime_colection (10)

エンジンは前期と同じKF型3気筒の自然吸気とターボの2種類。

自然吸気エンジンでは最高出力52ps(38kW)/6800rpm、最大トルク6.1kg・m(60N・m)/5200rpm。

ターボエンジンは最高出力64ps(47kW)/6400rpm、最大トルク9.4kg・m(92N・m)/3200rpmを発生する。

トランスミッションは全グレードでCVTのみとなり駆動方式はFFまたは4WDだ。

6代目ムーヴで採用されたD アシスト機能がキャストにも備わり、スイッチ・オンで力強い走りを。オフ時はエコモードで燃費に貢献する。

同じくDサスペンションも採用しフロントにマクファーソン・ストラット式コイルスプリングを。

リアには2WDでトーションビーム式式コイルスプリング、4WDでは3リンク式コイルスプリングを採用。ボディにはDモノコックの採用で安定したハンドリング、ロール減少を実現している。

LA250S_actiba_last (22)

ダイハツおなじみとなった自動ブレーキアシスト機能は前期で「スマートアシストⅡ」だったが後期型では「スマートアシストⅢ」にバージョンアップ(ピクシスジョイはトヨタ仕様なのだが、スマートアシストの名前はそのまま)。

カメラ&レザーレーダー&ソナーセンサーの3つの組み合わせて衝突回避支援ブレーキ、衝突警報機能、車線逸脱警報機能、誤発進抑制機能(前方&後方)、先行車お知らせ機能を搭載した。

この他ヒルホールドシステムをアクティバの全グレードで標準装備とした。これ以外は全グレードでVSCとTRCが付き、横滑り防止機能、ABS、ヒルホールドシステムも備わる。

さらにクロスオーバーSUVということでアクティバにはスタイルやスポーツとは異なり専用のメカニズムが備わる。ひとつ目はDAC(ダウンヒルアシストコントロール)制御。雪道など滑りやすい路面下でスイッチをONにするとドライバーがブレーキ操作をせずとも低速を維持してくれる機能だ。

もうほとうはグリップサポート制御。これはぬかるみや凹凸の多い路面で片輪のタイヤがスリップした際に、自動でスリップ輪に制動力を。

もう片方に駆動力を与えタイヤのスリップを制御しグリップ状態をキープするものだ。前身のテリオスキッドに比べるとデフロック機能が無くなったため見劣りする感じがするが、ブレーキLSDのような機能でライトな悪路走破性を持っている。

sec_04_cont_01_img_01.jpg

なお、ハスラーにもダウンヒルアシストコントロール制御とグリップサポート制御機能(さらにもうひとつヒルスタートアシスト)がある。

インテリア

LA250S_actiba_last (24)

インパネ。後期型ではデザインそのものに変更はないが、追加された新ボディカラーにあわせた内装のインテリアアクセントカラー(※非プライムコレクショングレードではオプション設定)も2色追加された。こちらはレモンスカッシュクリスタル選択時のインパネ。

LA250S_actiba_last (26)

続いてオフビートカーキ。この他にボディカラーに対応した「ネイビー」、「ブルー」、「レッド」、「ホワイト」、「イエロー」も設定される。

LA250S_C_last (5)

非オプションの通常色はシルバーを設定し、インテリアアクセントカラー未選択時はブラックとなる。

ステアリングはG系グレードがメッキオーナメント&シルバー加飾付き本革巻ステアリングホイール。Xグレードはウレタンホイール。

LA250S_C_last (11)

オーディオパネルもG系グレードがファインブラック。X系は普通のブラック。センタークラスターはプライムコレクショングレードでプレミアムシャインブラック、それ以外はプレミアムシャインシルバー。

これ以外に後期型ではスピードメーターのデザインを変更。文字盤背景を黒色化。奇数数字の表記をなくし、数字のサイズを拡大したことで、視認性を向上させている。このほかチルトステアリングが全グレードで標準装備。

LA250S_activa ()

フロントシートはベンチシートタイプ。シートは前期型と同じでブラック系にシルバーのアクセントが入ったフルファブリックシートとなる。運転席シートリフターは全グレードで標準装備。

L260S_activa_prime_colection (6)

後期型で特別仕様車からカタロググレードに昇格した「プライムコレクション」グレードではレザー調専用シートとなっており、ノーマルとは明らかに異なる質感や雰囲気で上級感を演出。加えてボディカラーにあわせてたインテリアアクセントカラーかブラックを選択可能とした。

LA250S_C_last (8)

ラゲッジルーム。

LA250S_C_last (8)

リアシートを倒した状態。

まとめ&ピクシスジョイCの生産終了とその理由

後期型ピクシスジョイCの総評

LA250S_C_last (1)

後期型のピクシスジョイCはダイハツ版同様に外装では力強さが増したフロントメッキグリルに魅力的なボディカラーの追加とルーフデザインフィルムの設定拡大。

内装ではインテリアカラーの追加とメーターパネルの刷新など小さな変更だが内外装で魅力をアップさせたマイナーチェンジとなった。

特にフロントグリルに関しては他のスタイルスポーツに似たり寄ったりな部分もあったが今回の変更で専用品が与えられ、かつSUVらしい雰囲気がプラスされているためこの部分だけでもかなり魅力的になっている。

また鮮やかなイエローと落ち着いたオフビートカーキもそれぞれ派手&落ち着いたの両極端なカラーであるが選択肢が増えた点ではこれもポイントが高い。

前期型のアクティバで少し躊躇していた雪国ユーザーは素直に買いと考えていいかもしれない。プラスしてトヨタ版では上述の「エンブレム効果」もあって若干の雰囲気が異なるため、ダイハツ版で被りたくない人に嬉しい選択肢といえよう。

ピクシスジョイCの生産終了とその理由

キャストアクティバのOEMモデルとして、トヨタにも供給されたピクシスジョイC。

後期型マイナーチェンジも適用し、内外その充実化をはかっていたが、2020年3月31日にキャストアクティバの生産終了と共にピクシスジョイCも生産終了。スタンダードなピクシスジョイFを残して集約された。

その理由としてはキャストアクティバの販売不振にある。キャストアクティバはデビュー当初は良かったものの、モデル後半で販売台数が失速。スズキ・ハスラーほど売れなかった点などが考えられる。

LA900S (14)

イメージ的にもキャストアクティバはハスラーほどSUV感が強くなく、テリオスキッドのような無骨なイメージが薄かった。特に同時3モデル展開したことで、個性が薄かったと管理人は思う。

その後はよりSUV感や個性を強くした後継の「ダイハツ・タフト」が登場し、バトンタッチとなった。

なお、タフトのOEMモデルはトヨタには存在せず、ピクシスジョイC生産終了後はトヨタのクロスオーバーSUV軽自動車はゼロとなっている。

【キャストアクティバ後継クロスオーバーSUV 】ダイハツ タフト(LA900S/LA910S型)グレード一覧・概要解説

ピクシスジョイ/キャストスタイル 生産終了について

ピクシスジョイFを残し、キャストスタイルOEMとして販売が続けられていたピクシスジョイだったが、2023年春頃から生産終了の話が浮上してきた。

ピクシスジョイは今後フルモデルチェンジの予定が無く、そのままカタログ落ちし販売終了となる路線が濃厚と見られている。

時期としてはまだ発表されていないが簡略化は2023年度中。早ければ夏頃までに販売終了とみる。

直近の2023年2月の新車販売台数を見てもキャストスタイルは1432台。一方のミライース5153台と、その差は歴然。

2022年4月~9月(上期)の販売台数を比較してもキャストスタイルが7903台に対してミライース28444台と4倍以上の差がある。

キャストスタイルはこれら数値からもわかるようにまったく売れていないのだ。

さらに売れ筋がスーパーハイトワゴンに完全にシフトし、その派生のムーヴキャンバスにも人気がシフトしている事を考えると、キャストスタイルの生産を続けることに疑問が残る。

これら理由などからウェイクOEMのピクシスメガが生産終了した時と同じようにOEM元のダイハツ・キャストスタイルも近く生産終了になる可能性が高いとみる。

※その後キャストスタイルの販売終了の話が登場し、完全なモデル終了が確定した

スポンサーリンク
スポンサーリンク
ピクシスジョイC
スポンサーリンク
シェアする
スポンサーリンク
シン・軽自動車マニア

コメント