【後期型・キャストスタイルOEM】トヨタ ピクシスジョイF(LA250A/LA260A型)概要解説 | シン・軽自動車マニア

【後期型・キャストスタイルOEM】トヨタ ピクシスジョイF(LA250A/LA260A型)概要解説

ピクシスジョイF

ピクシスジョイFはトヨタのトールワゴン型軽自動車。ダイハツ・キャストスタイルのOEMモデルである。

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トヨタ・ピクシスジョイFとは?特徴など

2016年8月に登場したピクシスジョイ。

トヨタの軽自動車は全て子会社であるダイハツよりピクシスシリーズとしてOEM供給を受けるが、その第6弾として投入されたのがピクシスジョイである。

ベースモデルはダイハツ・キャスト

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トヨタ版でもキャストと同じく3種類の異なるモデルを設定し、それぞれキャストアクティバピクシスジョイC(クロスオーバー)、キャストスタイルはピクシスジョイF(ファッション)、キャストスポーツはピクシスジョイS(スポーツ)とした。

このうち本稿で扱うのはシティユースをメインとした「ピクシスジョイF」となる。

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ピクシスジョイFでは街乗りユースをメインに都会的な専用装備でドレスアップ。

フロントにはメッキモール付き角型フォグランプ、メッキモール付き専用バンパーで2代目ミラジーノのようなレトロな雰囲気とスタイリッシュなデザインに。

サイドもメッキサイドアンダーガーニッシュとメッキドアハンドル。リアもメッキモール付きリアバンパーなどでボディ下部を精悍なイメージとした。

内装はシティユースに似合わうベージュ系とシルバーインパネを組み合わせ、オプションではボディカラーに合わせたカラーインパネも設定。

クロスオーバーSUVのピクシスジョイCやスポーツモデルのピクシスジョイSとはシートカラーやインパネのベースカラー差別化しファッショナブルな内装とした。

燃費向上技術としてはピクシスジョイシリーズ共通でミライース(トヨタ版はピクシスエポック)の「イーステクノロジー」からCVTサーモコントローラー、クールドi-EGR、樹脂化ボディなどを適用し、軽量化とメカニズムの効率化をアップ。

ピクシスジョイCはクロスオーバーSUVでありながら自然吸気エンジンの4WDモデルでは26.8km/L(JC08モード)、一番悪いターボの4WDでも25.0km/L(JC08モード)の低燃費を実現した。

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ピクシスジョイF・後期型の改良点と前期型との違い

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そのピクシスジョイFはベースモデルのキャストスタイルと同じく、2017年10月の一部改良で衝突回避支援システムのアップグレードやグリルデザインの小変更、ボディカラーなどの変更を行い後期型となった。

後期型の外装面ではフロントグリルのデザインがより精悍になり印象がより上質寄りに。自動ブレーキの「スマートアシストⅡ」は「スマートアシストⅢ」にバージョンアップ。

高性能なステレオカメラや合計4個のコーナーセンサーを新たに採用し、歩行者対応の衝突回避支援ブレーキやオートハイビームなど高い安全性を実現した。

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さらにボディカラーにかつてのミラジーノを彷彿とさせるグリーン系の「ダークエメラルドマイカ」を新設定し全7色15パターンを設定。

デザインフィルムトップも設定を変更し、ライトローズマイカ×ホワイト、ダークエメラルドマイカ×ホワイトを新たに設定。

内装面ではインテリアアクセントカラーの設定を変更し、プライムコレクションの室内色をホワイトからブラウンに変更。それ以外のグレードはシルバーを標準設定し、メーカーオプションでバーガンディも設定した。

加えてそれまでダイハツのみにしか設定の無かった特別仕様車、「プライムコレクション」をカタロググレード新設定するなど、内外装で魅力向上を図ったマイナーチェンジとなった。

トヨタ・キャストスタイルFとダイハツ・キャストスタイルとの違いは?

ダイハツ・キャストスタイルとトヨタ・キャストスタイルとの違いはエンブレム程度で、外観や内装はまったく同じ。

ただし、キャストスタイルはアクティバ、スタイル、スポーツの3種類で各エンブレムが異なっていたが、ピクシスジョイではすべて「PIXIS JOY」共通エンブレムとなる。

グレード名もキャストスタイルとまったく同じで、装備内容も同じだが特別仕様車(VSやリミテッド)の設定が一切なく、基本グレードのみとなる。

なお、後期モデルでは前期キャストスタイルで特別仕様車だった「プライムコレクション」がダイハツ同様、カタロググレードとしてトヨタ版でも販売されていた。

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後期型・ピクシスジョイFのグレード F X,F X SAⅢ、F G SAⅢ、F Gターボ SAⅢ、F プライムコレクションの違い

後期型ピクシスジョイFのグレード構成は自然吸気エンジンでエントリーグレード「F X」、エントリー自動ブレーキ搭載モデル「F X SAⅢ」。

上級グレードは自然吸気エンジンの「F G」グレード、上級自動ブレーキ搭載「F G SAⅢ」。

ターボ仕様は上級ターボ仕様で自動ブレーキ搭載の「F GターボSAⅢ」。

最上級グレードとして、レザー調シートなどを標準装備の「F Gプライムコレクション SAⅢ」と「F G ターボプライムコレクションSAⅢ」の計8種類。

F X

ピクシスジョイFのエントリーグレード。装備が簡略化され買いやすい価格帯のグレード。キャストスタイルのXグレードと同じ。

エクステリアではハロゲンヘッドライトにフォグランプが非装備。スチールホイールでベーシックな外観に。

インテリアではウレタンステアリングにドアトリムは加飾無しのシルバー。

快適装備はパワステ、パワーウィンドウ、集中ドアロック、キーフリーシステムなどを標準装備。Xグレードでもオーバーヘッドコンソールを標準装備するが、ルームランプは電球タイプ。

安全装備は全グレードにABS、横滑り防止装置のVSC+TRC、ヒルホールドシステムなどを標準装備する。

2020年9月にカタログ落ちで廃止。

F X SAⅢ

F Xグレードに自動ブレーキの「スマートアシストⅢ」を標準装備したグレード。

カメラ&レザーレーダー&ソナーセンサーの3つの組み合わせた衝突回避支援ブレーキ、衝突警報機能、車線逸脱警報機能、誤発進抑制機能(前方&後方)、先行車お知らせ機能を搭載。

F G

ピクシスジョイFの上級グレード。キャストスタイルのGグレードと同じ。

エクステリアでは15インチアルミホイールにLEDヘッドライト&LEDフォグランプ、リアロアランプにメッキバンパーガーニッシュが付く。

インテリアでは本革巻きステアリングにインパネカラーガーニッシュにシルバー加飾をプラス。オーディオパネルがファインブラック、センタークラスターはプレミアムシャインシルバーとなる。

このほかルームランプがLED仕様、ドアトリムアームレストがプレミアムシャインシルバーに変更となる。

快適装備では運転席&助手席シートヒーターをオプション設定する。

2021年9月にカタログ落ちで廃止。

F G SAⅢ

上記Gグレードに自動ブレーキの「スマートアシストⅢ」を標準装備した上級自然吸気エンジングレード。

カメラ&レザーレーダー&ソナーセンサーの3つの組み合わせた衝突回避支援ブレーキ、衝突警報機能、車線逸脱警報機能、誤発進抑制機能(前方&後方)、先行車お知らせ機能を搭載。

F Gターボ SAⅢ

F Gグレードにターボエンジンを搭載し、自動ブレーキの「スマートアシストⅢ」も標準装備した上級ターボ&自動ブレーキ搭載グレード。

Gグレードに追加でインパネセンターシフトが本革巻きタイプとなり、メッキシフトレバー付きとなる。

さらにカメラ&レザーレーダー&ソナーセンサーの3つの組み合わせた衝突回避支援ブレーキ、衝突警報機能、車線逸脱警報機能、誤発進抑制機能(前方&後方)、先行車お知らせ機能を搭載。

F Gプライムコレクション SAⅢ

G “SAⅢ”グレードをベースにレザー調シートを採用し、インパネも豪華にした最上級グレード。前期では特別仕様車だったが、後期でカタロググレードに昇格した。

G “SAⅢ”グレードに追加でインテリアがレザー調シート表皮、インパネガーニッシュはブラック、オーディオパネルがファインブラック、センタークラスターがプレミアムシャインブラックに変更。

ただしシフトレバーはウレタンタイプ+メッキシフトレバーボタン付き。

このほかプライムコレクションでは運転席&助手席シートヒーターが標準装備となる。

F Gプライムコレクションターボ SAⅢ

上記Gプライムコレクション”SAⅢ”にターボエンジンを搭載したグレード。

シフトノブは本革巻きタイプでメッキシフトレバーボタン付き。ドアトリム表皮もブラックで、アームレストはプレミアムシャインブラックとなる。

エクステリア

フロントデザイン。トヨタ仕様としてはエンブレムのみの変更となる。これ以外はダイハツ版のキャストスタイル同様にバンパー下部にはメッキモール付きバンパーとメッキガーニッシュ付きフォグランプが組み合わされる。

クロスオーバーのピクシスジョイCではフォグランプ部分やバンパーガーニッシュによりSUV風の雰囲気が与えられていたが、ピクシスジョイFはシティユースをテーマにファッショナブルかつスタイリッシュな雰囲気が与えられている。

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ヘッドライトはターボグレード(Gターボ系)と自然吸気エンジンの上級グレード(G系)でBi-Angle LEDヘッドランプを採用。LEDクリアランスランプ付で省電力性能に貢献する。

これ以外のXグレードでは従来のマルチリフレクターハロゲンランプとなる。LEDフォグランプもXグレード以外で標準装備。

サイド。このあたりはキャストスタイルとまったく同じ。ピクシスジョイFはムーヴのようなワゴンタイプに分類されるのだが、全体的に丸みを与えボンネットの角を立て、特にリアにかけては斜めに切り落とすことで普通車に近いスタイリングとなっている。

俗にいう台形スタイルでちょうどホンダのN-ONEのようなスタイリングに近い。特にタイヤハウス付近もタイヤに沿ってエッジを効かせることでボディにデザインの厚みを与え、ムーヴとは決別したデザインを実現している。

ピクシスジョイFでは下部にはサイドアンダーメッキガーニッシュ、ドアハンドルはメッキドアハンドルとなる。

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デザイン重視のボディ設計だが、室内空間は適度に確保されている。さすがにタントには及ばないが室内長は2005mm、室内高は1245mm、室内幅は1320mmを確保。

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足元はXグレード系が15インチフルホイールキャップ。

GとGターボ系が15インチアルミホイールとなる。

リア。トヨタ仕様としてはトヨタエンブレムと車名エンブレム(PIXIS JOY)以外はダイハツ版と同じ。

コンビランプはXとG系グレードがノーマルタイプのコンビランプ。Gターボのみクリアーコンビランプとなる。ストップランプはLEDタイプ。

ピクシスジョイFではキャストスタイル同様にリアバンパーにもメッキガーニッシュが加わる。

エンジン・機能装備・安全装備など

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エンジンはKF型3気筒の自然吸気とターボの2種類。

自然吸気エンジンでは最高出力52ps(38kW)/6800rpm、最大トルク6.1kg・m(60N・m)/5200rpm。

ターボエンジンは最高出力64ps(47kW)/6400rpm、最大トルク9.4kg・m(92N・m)/3200rpmを発生する。

トランスミッションは全グレードでCVTのみとなり駆動方式はFFまたは4WDだ。6代目ムーヴで採用されたD アシスト機能がキャストにも備わり、スイッチ・オンで力強い走りを。オフ時はエコモードで燃費に貢献する。

同じくDサスペンションも採用しフロントにマクファーソン・ストラット式コイルスプリングを。リアには2WDでトーションビーム式式コイルスプリング、4WDでは3リンク式コイルスプリングを採用。ボディにはDモノコックの採用で安定したハンドリング、ロール減少を実現している。

ダイハツおなじみとなった自動ブレーキアシスト機能はピクシスジョイでも健在。

後期モデルでは前期のスマートアシストⅡからスマートアシストⅢにバージョンアップ。

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ダイハツおなじみとなった自動ブレーキアシスト機能は前期で「スマートアシストⅡ」だったが後期型では「スマートアシストⅢ」にバージョンアップ。

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カメラ&レザーレーダー&ソナーセンサーの3つの組み合わせて衝突回避支援ブレーキ、衝突警報機能、車線逸脱警報機能、誤発進抑制機能(前方&後方)、先行車お知らせ機能を搭載した。

この他ヒルホールドシステムをアクティバの全グレードで標準装備とした。これ以外は全グレードでVSCとTRCが付き、横滑り防止機能、ABS、ヒルホールドシステムも備わる。

インテリア

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インパネ。トヨタ仕様としてはステアリングのトヨタマーク以外はキャストスタイルと同じ。

前期モデルではオプションでボディカラーに合わせたカラーインパネを設定していたが、後期モデルではアクセントカラーを集約。

基本がシルバーパネル。オプション設定でバーガンディを設定。

プライムコレクションではプライムインテリアが適用され、ブラウンの上級な雰囲気が与えられる。

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ステアリング。上級Gグレードではチルト機構付きのメッキオーナメント・シルバー加飾本革巻ステアリングホイールとなる。Xグレードはウレタンステアリング。

全グレードでキーフリーシステムとプッシュエンジンスタートを備える。

エアコンはフルオートエアコンを採用。

スピードメーター。標準でタコメーター付きの2眼式メーターに中央にはマルチインフォメーションディスプレイを備える。

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フロントシートはベンチシートタイプ。ホワイトとシルバーを組み合わせたファッショナブルなシート表皮&ドアトリム表皮となる。

プライムコレクションではブラック色のレザー調シートとなる。

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リアシート。足元は広め。スライド幅は240mm。

プライムコレクションのリアシート。

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ラゲッジルーム。

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リアシートを倒した状態。シートを倒した状態はタントよりも狭い。もちろんスライド機能が備わっているので荷室と後部座席の足元とを調節可能だ。

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ラゲッジルームにはアンダーボックスを備え、

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ちょっとした高さのあるものも収納可能だ。

まとめ

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ピクシスジョイFはダイハツ・キャストスタイルのトヨタ仕様として、かつての2代目ミラジーノのようなレトロ&ファッショナブルな内外装に低燃費技術と自動ブレーキ、適度に広いパッケージングなどを組み合わせたモデルである。

ベースモデルのキャストスタイルは2代目ミラジーノのようなスタイリングが好みな人向けのモデルとなっていて、同社のミライースムーヴ、タントなどベーシックさやスペース系といった実用一辺倒なモデルよりもデザインを重視するユーザーに嬉しいモデルである。

トヨタ版のピクシスジョイFは他のピクシスシリーズ同様エンブレムの変更程度の違いしかないにもかかわらず、トヨタのエンブレム効果により人によっては若干雰囲気が異なるモデルである。

よく売れるダイハツ版では街中で被ることがあるがマイナーなトヨタバージョンではその心配がないため、他人と被りたくない人や軽自動車でもトヨタが良いといったコアなニーズにマッチするモデルとなっている。

特にピクシスシリーズの中でもピクシスジョイはデザイン性が高いため、この手のデザインが好みであれば素直にオススメできるモデルといえよう。

【後期型 キャストアクティバOEM】トヨタ ピクシスジョイC(LA250S/LA260S型)概要解説

ピクシスジョイ/キャストスタイル 生産終了について

ピクシスジョイが遂に生産終了 いつ?もう買えない?

ピクシスジョイFを残してキャストスタイルOEMとして販売が続けられてたが、2023年春頃から生産終了の話が浮上。

ピクシスジョイは今後フルモデルチェンジの予定が無く、そのままカタログ落ちし販売終了となる路線が濃厚と見られていた。

そしてトヨタの公式ホームページでもカムリやパッソと同時掲載で、生産終了が正式にアナウンスされた。これによると2023年6月上旬をもって生産終了することが確定した。

ピクシスジョイが生産終了する背景&理由とは?

供給元のキャストの直近(2023年2月)の新車販売台数を見るとキャストスタイルは1432台。一方のミライース5153台と、その差は歴然。

2022年4月~9月(上期)の販売台数を比較してもキャストスタイルが7903台に対してミライース28444台と4倍以上の差がある。

キャストスタイルはこれら数値からもわかるようにまったく売れていないのだ。

さらに売れ筋がスーパーハイトワゴンに完全にシフトし、その派生のムーヴキャンバスにも人気がシフトしている事を考えると、キャストスタイルの生産を続けることに疑問が残る。

世代の新しいセダンタイプの「ミラトコット」でさえも販売台数が芳しくなくいことを考えると終了が順当な判断とみる。

これら理由などからウェイクOEMのピクシスメガが生産終了した時と同じようにひっそりと生産終了になるとみる。

【後期型 ウェイクOEM】トヨタ ピクシスメガ(L700A/L710A型)グレード一覧・概要解説

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