N-BOXはホンダのトールワゴン型軽自動車。N-BOXスラッシュは初代に設定されていたその派生モデルである。本稿ではモデル終盤に設定された特別仕様車、「ノヴァカントリースタイル」を扱う。
出典:ホンダ認定中古車
ホンダ N-BOXスラッシュとは?
2014年12月に登場したN-BOXスラッシュは、ホンダの軽復活の代名詞となったNシリーズの第5段としてデビューした。N-BOXという名前からも推測がつくようにN BOXをベースとした派生モデルである。
ただ、普通の派生モデルとは異なって大胆にもルーフを100mmカット。さらに後部座席のドアノブを通常の位置からそらしたデザインとしたことで、ぱっと見はタントなどの背の高いモデルでありながらクーペ風に見える独特のスタイリングを持った軽自動車となっている。
エクステリアはボンネットまではベースのN-BOXと共通でありながらその後ろは専用設計。ルーフを100mm低くしリアにかけて流れるデザインで箱型の軽自動車でありながらクーペスタイルを実現した。
インテリアはフロントドアからラゲッジルームまでシルバーのビレット調ガーニッシュを配置し独特な雰囲気を表現。またインパネにはフロントドアと同じ加飾を採用しN-BOXと差別化。ドアライニングにはシートと同素材とすることでシートに包まれるような心地よい空間とした。
N-BOXスラッシュではオーディオにもこだわり、8スピーカー+1サブウーファーの「サウンドマッピングシステム」を採用。軽自動車でありながらパワフルな重低音に高音質サウンドを追求。
防音材もサウンドマッピングシステム装備車には防音材を追加し、ワイヤレス給電規格に対応。社外からのノイズや微振動を低減するピュアサウンドブースをオプション設定。
エンジンは初代N-BOXと同じS07A型エンジンにCVTの組み合わせ。フロントシートはチップアップに加えダイブダウン機構を取り入れ、前後スライド機構を搭載したリアシートとし、多彩なシートアレンジを実現。また、電子制御パーキングブレーキを全グレードに標準装備。
安全装備としては横滑り防止装置のVSA、ヒルスタートアシスト機能、シティブレーキアクティブシステム、サイドカーテンエアバッグ、前席用i-サイドエアバッグシステムを「あんしんパッケージ」としてタイプ別に設定した。
N-BOXスラッシュ ノヴァカントリースタイルとは?特別装備や違いなど
そのN-BOXスラッシュに2018年11月。ブラウンを基調としたカスタムパーツで個性やファッション性をアップさせた特別仕様車が設定された。それがこの「ノヴァカントリースタイル」である。
ノヴァカントリースタイルは「G・L」グレードをベースに「運転席&助手席シートヒーター」と「ステアリングヒーター」を標準装備としつつ、お買い得とした特別仕様車となっている。
エクステリアではブラウンペイントフロントグリル、ブラウンルーフ、ブラウンドアミラー、ブラウン塗装のカラードディッシュホイール付き14インチスチールホイールを。
インテリアではブラウンペイントインパネガーニッシュ、本革巻ステアリングホイール、ブラウンペイントドアオーナメントパネル、クロームメッキ加飾を
快適装備としては「運転席&助手席シートヒーター」と「ステアリングヒーター」標準装備。
自動ブレーキとしては「あんしんパッケージ」を標準装備とし、ブラウンカラーでドレスアップした特別仕様車となっている。
N-BOX スラッシュがついに復活する?
初代N-BOXスラッシュは2014年11月にデビューし、2020年2月に販売を終了している。
その間2度のマイナーチェンジを実施し、モデル終盤には本稿のノヴァカントリースタイルや、インディロックスタイルなどの特別仕様車を販売するものの、後半では販売台数は伸び悩んでいた。
そんな中、2022年春先にはNシリーズに新型登場のニュースが飛び込んできている。一部サイトではこれが新型N-SLASHではないかと予測しているところもあるが、管理人はスラッシュではないと予想する。
というのもN-SLASHはNシリーズの中でも個性が強いモデルで、次のフルモデルチェンジの際に初代ユーザーが必ず購入してもらえるかは不透明。
もし、購入してもらえるほどの販売台数が見込めるのならベースのN-BOXが2代目へフルモデルチェンジした際に、Nスラッシュもフルモデルチェンジしているはずである。
が、実際はフルモデルチェンジされることなく初代ベースのまま2年以上継続販売され、モデル終了となっている。このことからもNスラッシュの新型が出る可能性は薄いと思う。
では逆に何が出るかというと今までのNシリーズに無くて、ライバルがよく売れているジャンル、「SUV」タイプのNシリーズである。
ジムニーは未だ納車待ちが長く、クロスオーバーSUVのスズキ・ハスラーは今やロングセラーかつ大人気モデル。直近でもライバルとなりうるダイハツ・タフトが投入され、軽自動車業界ではSUVやクロスオーバーSUVがトレンド。
NシリーズにもこのSUVタイプを導入してさらなる販路拡大を狙うものと思う。
エクステリア
出典:ホンダ認定中古車
ノヴァカントリースタイルでは内外装でブラウン色に塗られたパーツが付く。フロントにおいてはグリルがブラウン色に変更され、かつ光沢のあるブラウンでオシャレなワンポイントとして際立つ。
出典:ホンダ認定中古車
サイド。トールワゴンをベースとしながら全高を100mmさげてリアにかけて流れる形状となっているのがスラッシュの特徴だ。これによりクーペのような独特のスタイリングを実現。
またN-BOXとは異なりスライドドアを廃止し、通常タイプのヒンジドアを採用。デザイン性や軽量化にも貢献する。
ボディカラーは
- 「プラチナホワイト・パール&ブラウン」
- 「アッシュグリーン・メタリック&ブラウン」
- 「サーフブルー&ブラウン」
の3色のみ。
出典:ホンダ認定中古車
ノヴァカントリースタイル仕様としてはドアミラーとルーフ部分をブラウンカラーとした。
出典:ホンダ認定中古車
足元はノヴァカントリースタイル仕様として専用の14インチスチールホイールとなる。メッキとブラウン塗装を組み合わせアメ車のような独特の外観が大きな特徴だ。
出典:ホンダ認定中古車
リア。ノヴァカントリースタイル仕様のブラウンルーフがスラッシュ特有の曲線と相まってかなり独特の雰囲気となっている。
なお、特別仕様車を示すエンブレム類は特になく、リアに関してはルーフ以外の見た目はベースと同じ。
エンジン・機能装備・安全装備など
エンジンはS07A型3気筒自然吸気エンジンのみ。
最高出力58ps(43kW)/7300rpm、最大トルク6.6kg・m(65N・m)/4700rpm。
これにCVTが組み合わされる。ターボモデルの設定はインディロックスタイルにはなし。駆動方式はFFか4WDで、雪国にはうれしいVSA(横滑り防止装置)とヒルスタートアシストが標準装備となっている。
安全技術としてはエマージェンシーストップシグナルを標準装備。
ノヴァカントリースタイルではベースモデルにオプション設定の「あんしんパッケージ」を標準装備。
これは
- 「シティブレーキアクティブシステム」
- 「サイドカーテンエアバッグシステム」
- 「前席用i-サイドエアバッグシステム」
などをひとまとめにしたオプションで、ホンダの軽自動車としてはホンダセンシング以前の自動ブレーキ技術となる。
インテリア
出典:ホンダ認定中古車
インパネ。ベースモデルではベージュとブラウン系のインパネカラーだったが、ノヴァカントリースタイルではインパネを光沢のあるブラウンカラーにペイント。
ルーフやグリルと合わせてブラウン基調でカスタムしている。
出典:ホンダ認定中古車
エアコンはオートエアコン。
出典:ホンダ認定中古車
ステアリングはノヴァカントリースタイル仕様としてベージュ色の本革巻ステアリングホイールとし、ステアリングヒーターも標準装備とした。
スピードメーターはタコメーター付きの3眼タイプ。こちらはノーマルと共通。
出典:ホンダ認定中古車
フロントシートはベンチシートタイプ。ベースモデルの「G・Lパッケージ」や「G」系のモカ系シートと共通。
出典:ホンダ認定中古車
リアシート。リアシートはNシリーズお馴染みの跳ね上げ収納が可能となる。
なお、オプション設定の「サウンドマッピングシステム」を選択した際はリアクォーターを含めボディ4隅にメインスピーカーとツィーター+サブウーファーが配置され出力360Wの軽自動車としては豪華なオーディオ構成となる。
出典:ホンダ認定中古車
ラゲッジルーム。
出典:ホンダ認定中古車
リアシートを倒した状態。
まとめ
N-BOXスラッシュに設定された特別仕様車、ノヴァカントリースタイルは内外装でブラウン色のパーツを施しブラウン基調で統一した特別仕様車となっている。
ベースモデルでは内装色の一部がブラウンカラーだったが、これにルーフやグリル、ホイール、インパネもを光沢のあるブラウンカラーとすることで、これを際立たせた特別仕様車である。その独特な曲線ルーフのスタイリングと相まってかなり個性的なモデルとなっている。
ひとつ注意点としては登場は2018年と新しめだが、ベースモデルが初代N-BOXなのでいかせん中身(エンジン、ボディ、自動ブレーキ等)が古い部分もある。
その古さはネックであるが純正状態でこのスタイリングにブラウンカラーという組み合わせが好きな人には嬉しいニッチな特別仕様車といえよう。
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