【前期型 ミラジーノ後継】ダイハツ ミラ・ココア(L675S/L685S型) | シン・軽自動車マニア

【前期型 ミラジーノ後継】ダイハツ ミラ・ココア(L675S/L685S型)

ミラ ココア

ミラ ココアはダイハツのクラシック(レトロ)タイプ型軽自動車。ミラジーノの後継モデルである。本稿ではデビュー当初の2009年8月~エンジンの改良を伴うマイナーチェンジ前の2012年3月までを前期型とし、これを扱う。

出典:ダイハツ認定中古車

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ダイハツ・ミラココアとは?

ミラ・ココアは、それまで存在したクラシック風のミラジーノの後継車種として2009年8月に誕生した。

ミラココアでは先代のミラジーノと比較するとレトロ感が薄くなり、よりとっつきやすいボディフォルムが特徴で、これにミラ・ジーノと同じような丸目ヘッドライトとベーシックなバンパーが組み合わされる。

ミラ・ジーノから続くこの手の軽は売れ筋のムーブに比べると広さでは勝てないものの、昔のミラやアルトの雰囲気が残るベーシックなハッチバックタイプの軽自動車で、室内空間よりもスタイリングに重点を置いた設計だ。

軽自動車市場ではかならずしも皆がムーブやワゴンRを買うわけではないので、その需要(特に若い女性)を狙ったものである。

エクステリアデザインは全体的にクラシカルな感じで、デザイン重視の軽自動車である。長方形を基調としながら角は丸く、全体的に優しい感じに仕上がり、可愛い丸いヘッドライトがアクセントになっている。コンセプトは「あたたかモダン」。

2代目ミラジーノでは特有の丸みとバランスとの取れたハッチバックで個性的なボディスタイルだったが、このミラココアでは同年式のライバルとなる2代目アルトラパンに良く似たボディスタイルとなった。

インテリアではシンプルなデザインに親しみやあたたかみをプラス。シートにはパイピングを施すことでさりげないオシャレ感も演出した。

エンジンはKF-VE型のツインカムDVVT3気筒DOHC自然吸気エンジンのみを採用。「インプットリダクション方式3軸ギヤトレーン構造」を採用したCVTと組み合わせることで優れた燃費性能を実現した。このあたりのメカニズムは同年代のムーヴコンテによく似ている。

パッケージングは立体駐車場に入庫可能な前項1,530mmに、室内長は1930mm、室内幅は1,345mmと適度に広い空間を確保。リアウィンドウガラスや細いフロントピラーの採用で運転のしやすさにも配慮した設計とした。

快適装備としてはバックモニター内蔵ルームミラー、リバース連動ドアミラー、オートライト(※ミラココアプラスのみ)を一部グレードにオプション設定。

「運転席シートリフター&チルトステアリング&アジャスタブルショルダーベルトアンカー」をセットにしたアジャスタブルパックの全グレード標準装備や、助手席インパネアッパーボックス、ファブリックトノカバー(※ミラココアプラスのみ)など機能性にあふれる装備と多彩な収納スペースを設定した。

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ミラL275S/L285SとミラココアL675S/L685S違い

7代目ミラとミラココアの違いは内外装が大きく異なる。ミラはベーシックなダイハツのセダンタイプの軽自動車で、ミラココアはその派生モデル(ミラジーノ後継モデル)。

L275S_first (2)

デザインはミラは流線型なボディスタイルに対し、ミラココアはレトロモデル的な丸みお帯びたスクエア形状が特徴。

L275S_first (10)

フロントデザインも大きく異なりミラはスタイリッシュなヘッドライトやバンパーに対してミラココアは丸目ヘッドライトや愛嬌あるグリルなどかなり女性を意識したデザイン。

L275S_first (4)

リアも全く異なりテールランプの造形もミラは縦長に対し、ミラココアは縦型を中央両サイドに配置。

L275S (11)

インテリアもこれまた大きく異なりミラのベーシックなインパネに対し、ミラココアはラパンのように大きなカラードセンターインパネを採用しレトロ感を意識したデザイン。

L275S (10)

スピードメーターもミラココアではレトロ調の3眼式(※廉価グレードはベーシックな単眼式)となる。

L275S (2)

シートもミラはセパレートに対してミラココアではベンチシートを採用。グレード構成もミラはミラバンとミラカスタムに対して、ミラココアはカスタムモデルに相当するプラスや、スペシャルコーデなどの特別仕様車のほか、地域限定モデルも設定定されていた。

出典:ダイハツ認定中古車

ボディカラーもミラココアの方が豊富で、おしゃれな2トーンカラーの設定もありベーシックなミラとはかなり差別化がなされていた。

エンジンは両方とも同じでトランスミッションもCVTや4ATを設定するが、ミラココアにはMTの設定はなし。モデル後半ではミライース寄りのメカニズムが適用されていく。

前期型ミラココアのグレード ココアL、ココアX、ココアXスペシャルの違いなど

前期型ミラココアのグレード展開は廉価グレード「ココアL」と上級グレード「ココアX」の2種類。

モデル途中で「ココアL」が廃止され、入れ替わりで「ココアXスペシャル」が設定された。

特別仕様車の設定は中期型以降で前期には未設定。

カスタムモデルのミラココアプラスはこちらから。

【前期型 ミラジーノ後継・カスタム仕様】ダイハツ ミラココア プラス(L675S/L685S型)グレード一覧・概要解説

ココアL

前期ミラココアのエントリーグレード。ココアXに比べて装備が簡略化されている。

外観はグリルやバンパーなどのメッキ加飾やドアハンドルのシルバー塗装が無しで素の状態。

ホイールキャップもココア専用のレトロデザインではなく、ダイハツ共通のホイールキャップ

快適装備は

  • 電波式キーレスエントリー
  • マニュアル式エアコン

を採用。オートエアコンやキーフリーシステムは非装備。

中期型以降はCVTを搭載するが、前期ココアLでは4ATを採用。街乗り燃費が中期型以降よりも悪い。さらにココアLの2WDモデルのみパワステに油圧式を採用する(4WDは電動式)。

また、ココアLではベーシックな単眼式メーター(タコメーター無し)を採用し、コストカットされている(中期型ではタコメーター付き3眼式+マルチインフォメーションディスプレイを採用)。

安全装備もSRSエアバッグは標準装備だが、ABSがオプション設定。トランスミッションは4ATを採用。

2010年5月にココアXスペシャルと入れ替わる形で廃止となった。

中期型ミラココアはこちらから。

【中期型】ダイハツ ミラココア(L675S/L685S型)

ココアX

前期ミラココアの上級グレード。ココアLに比べて若干装備が豪華になる。

外観は

  • メッキグリル
  • メッキバンパーコーナー
  • 専用デザインのホイールキャップ
  • アウタードアハンドルのシルバー塗装

でドレスアップ。

内装では

  • フルオートエアコン
  • キーフリーシステム
  • メッキインナーハンドル&メッキエアコンレジスターリング
  • 3眼式スピードメーター(タコメーター&瞬間燃費計付き)
  • インテグレートCD・AM/FM付ステレオ
  • 16cm・4スピーカーシステム

などが標準装備となる。

安全装備もSRSエアバッグ、ABSを標準装備。トランスミッションはCVTを採用。

ココアXスペシャル

2010年5月に追加設定したグレード。ココアLとココアXの中間に位置するミドルグレードで、Lグレードの後継。

ココアXに搭載の

  • 3眼メーター(タコメーター付)
  • インテグレートCD・AM/FM付ステレオ
  • エコインジケーター
  • 瞬間燃費計
  • ABS
  • CVTトランスミッション

をココアLグレードに採用し、魅力を高めつつお買い得としたグレード。

なおココアXに搭載のキーフリーシステムやフルオートエアコンは搭載されず、Lグレードと同じ

  • マニュアル式エアコン
  • 電波式キーレスエントリー

などを採用する。ほかの装備もココアLと同じで、専用デザインのホイールキャップが無く、内装のメッキ加飾も無いベーシックな内外装となる。

ミラココア・L675SとL685Sとの違い

ミラココアのL675SとL685Sとの違いは駆動方式。FFモデルがL675Sで、L685SはFFベースの4WDとなる。ただし、ジムニーなどのクロカン4WDとは異なりビスカスカップリングを用いたオンデマンド式の4WDとなっている。

そのため常時4WDではなく、前輪と後輪の回転差が生じたときのみ4WDとなる生活四躯仕様となる。

エクステリア

出典:ダイハツ認定中古車

フロントデザイン。先代モデルであるミラジーノの丸目を継承しつつ、スマートな丸型とすることでスッキリとしたフロントデザインを実現している。

その一方でミラジーノの特徴であった大型のクラシカルなグリルは廃止され、ミラジーノファンから見ると少し残念なデザインになっている。

出典:ダイハツ認定中古車

サイドから。先代のスタイリングから乖離し、2代目アルトラパンのようなボディスタイルに。

L675S_first (3)

足元は廉価グレードではオーソドックスなホイールキャップ&スチールホイール。サイズは145/80R13。

前期型のノーマルミラココアのホイールキャップはミラココア専用デザインでなく、一般的なデザインとなる。中期以降ではミラココアプラスと同じデザインホイールキャップが採用された。

L675S_first (6)

なお、カスタム仕様のミラココアプラスでは専用デザインの14インチフルホイールキャップとなる。サイズは155/65R14。

出典:ダイハツ認定中古車

リア。コンビランプも新規のデザインとなりイメージががらっと変わった。なお、2012年4月の中期型マイナーチェンジでコンビランプがクリアー化される。

エンジン・機能装備・安全装備など

L675S_first (4)

エンジンはKF型3気筒DOHC自然吸気エンジンのみ。最高出力は58ps(43kW)/7200rpm、最大トルクは6.6kg・m(65N・m)/4000rpmとなる。

トランスミッションは廉価グレードのLグレードが4AT。それ以上のXグレードではCVTとなる。駆動方式はFFまたは4WD。ABS(EBD&ブレーキアシスト付)はXグレードに標準装備で、Lグレードではメーカーオプションとなる。

なお、2011年6月では4WDグレード(プラスLを除く)で改良型となる第2世代KFエンジンに置換。デビュー当初、20.0km/l(10.5モード)だった燃費が23.0km/l(10.5モード)までアップした。

同年代のライバル、スズキ2代目アルト・ラパンではココアがNAのみに対し、ラパンはターボモデル(※ただしモデル終盤で廃止。NAに統一)が存在するので遠出の追い越しや高速道路ではラパンの方が楽だろう。あくまでココアは街乗りメインと考えた方がいい(乗れないことはないが、ターボと比べると加速性能が劣る)。

ミラココア(L675S/L685S)の持病や不具合、故障しやすい箇所など

初期型のKF型エンジンを搭載するミラココアの初期型には故障しやすい箇所や持病ともいえる部分がいくつかある。特に新型エンジン搭載初期モデルではよく発生しやすい。

オイル漏れ

まずは定番のオイル漏れ。

ミラココアの前期に限らず4代目ムーヴカスタム(L175S/L185S)エッセムーヴコンテアトレーワゴン(S321W/S331W)ハイゼットカーゴ(S321V/S331V)など初期のKF型エンジンを搭載するダイハツ車はかなりの確率でオイル漏れが発生しやすく、ヘッドカバーとシリンダーヘッドの間からオイルが漏れやすい。

ヘッドカバーパッキン(ガスケット)の交換で修理できるが、漏れを放置するとオイルが想像以上に減ってエンジンにダメージを与え、最悪エンジンブローの原因となるので注意が必要だ。

オイルリング固着

また初期型のKFエンジンには有名な「オイルリング固着」という症状がある。

これはオイルリングがスラッジで固着し、オイルを大量消費する事態に発展する。メンテナンスに興味がないオーナーはたまにエンジンを高回転まで回すこともなく、オイル管理も疎かになっているケースがある。

特にKFエンジンが搭載された初期モデルにおいては個体によってはオイルリング固着の症状を抱えている可能性がある。中古車で購入する前は記録簿や実物を確認し、マフラーから白煙が出てないか、オイル消費が激しくないかなどを確認することをオススメする。

ウォーターポンプの劣化

次にウォーターポンプ。これも初期のKF型エンジンでは有名な故障箇所で、後に対策品になるほど壊れやすかった。

初期段階ではキキキーという金属音やアイドリング時にガラガラ音が鳴り、症状がひどくなるとウォーターポンプのベアリングがもげる場合も。

ウォーターポンプも放置するとエンジンが冷却できなくなり、これが走行中に発生するとオーバーヒートとなって最悪エンジンブローに至るケースも。

ミラココアの前期モデルを買う場合はヘッドカバーからにじみや漏れがないか、ウォーターポンプから異音がしないか、あるいは交換済みかを確認することをオススメする。

ウォーターポンプは過走行(約10万キロ)で寿命になるのが定説だが、KF型エンジンのウォーターポンプは例外で、低走行でもダメになるケースもある。

エンジンマウントの劣化

また、深刻な影響とはいかないまでも「エンジンマウント」にも持病的な不具合がある。

具体的にはKF型エンジンのエンジンマウントゴムの劣化がしやすく、暖気後のアイドリングで運転席側やひどいときには助手席側の振動が激しくなる。なお、エンジンマウントに関してはリコールが出ていた(現在は延長保証期間が終了している)

格安で購入できてもエンジンブローで走行不能になっては修理に多額の費用がかかり、もう一度車本体を買い直すハメになりかねない。中古購入の際は要確認。

ミラココアの内装(インテリア)

L675S_first (2)

出典:ダイハツ認定中古車

インパネ。ミラココアのインパネは上部がシンプルなホワイトカラーのインパネに下部をブラックカラーの組み合わせ。そこにエアコンルーバーリングをメッキとすることでさりげないスタイリッシュ感を演出している。

どことなくスズキ・アルトラパンのような雰囲気もあり、ミラとはかなり差別化されたデザインとなる。

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出典:ダイハツ認定中古車

Lグレードではコンソールパネルが従来通りのアナログ式。

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出典:ダイハツ認定中古車

Xグレード以上では温度計などの表示が液晶パネルとなり、オートエアコンとなる。

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出典:ダイハツ認定中古車

Lグレードのステアリング&スピードメーター。1眼のシンプルなタイプ。

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出典:ダイハツ認定中古車

Xグレード以上ではタコメーター付きの3眼タイプとなる。

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出典:ダイハツ認定中古車

フロントシートはセパレートタイプ。カスタムモデルのプラスとは異なりベーシックなシート表皮となる。オプション設定でブラックシートが選択可能となっていた。

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出典:ダイハツ認定中古車

リアシート。スライド機構は非装備。

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出典:ダイハツ認定中古車

ラゲッジルーム。リアシートはノーマルのミラココアではミラと同じく一体可倒式となる。

L675S_first (10)

出典:ダイハツ認定中古車

リアシートを倒した状態。

まとめ

ミラ・ココアは、ムーブやパレットなどトールワゴンに比べると落ち着いたレトロ感のある軽自動車である。

ターゲットはこれから免許をとってはじめて車に乗る若い女性とのこと。男性向けとは言えないが、女性向けであればターボは必要ないし、可愛い感じで良い車だと思う。ただ、先代のミラジーノの素晴らしいデザインから見ると若干グレードダウンしているのは否めない点はすこし残念な点だ。

もし、ミラ・ジーノのような雰囲気を求めているのであれば、「キャスト・スタイル」がオススメだ。こちらはミラ・ジーノのような愛嬌あるフロントデザインと乗用車のようなボディフォルムで非常にデザインが良く、ミラココアでしっくりこなかったひとも納得できそうなモデルとなっている。

中古市場では年数経過もあり初期型であれば比較的買いやすい価格帯となっている。同年代のミラやアルトに比べると確実にデザインが可愛いので、かわいい軽自動車で比較的安価なモデルが欲しい人は積極的に探してみてほしい。タマ数もかなり豊富にある点も嬉しい。

ただし、前期モデルは特にKFエンジンに由来する不具合や故障のリスクがあるので記録簿や実車を確認の上、交換済みかあるいは予備整備で交換しておくなど注意が必要である。

この後の中期型マイナーチェンジではクリアーテールランプの採用などで内外装がアップグレード。改良型エンジンの搭載やLグレードでもCVTを採用するなど、燃費や魅力がアップする。

【中期型】ダイハツ ミラココア(L675S/L685S型)

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コメント

  1. 10358548 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    >ターゲットはこれから免許をとってはじめて車に乗る若い女性とのこと。男性向けとは言えない…

    50前の、オジサンですが乗ってます(^◇^)
    妻はタントを押してましたが
    一目で気に入り、黄色(コットン何とかいう色)に乗ってます(^^)/

    女の子向けなのに、
    タコメーターがあるのが嬉しいです(*^_^*)

  2. さすらいのクラ吹き より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    はじめましてこんばんは。コメントありがとうございます。

    室内の広さでいえばタントに軍配がありますが、デザイン性や全体の雰囲気はこちらの方が上ですね。気に入れば長く愛せるモデルだと思います(^^) あえて女性が選びそうな可愛いかつ色に男性が乗るというのも意表をつく感じで良いですね。この記事は前期モデルですが後期では自然吸気でもタコメーターが追加されたので、その点も男性ユーザーには嬉しい部分だと思います。