【初代・前期型】スバル ステラカスタム(RN1/RN2型) | シン・軽自動車マニア

【初代・前期型】スバル ステラカスタム(RN1/RN2型)

ステラカスタム

ステラはスバルが生産するワゴンタイプの軽自動車。ステラカスタムはそのカスタムモデルである。本記事では初代RN1/RN2系の2006年6月~2009年10月のステラカスタムを前期型とし、これを扱う(※尚、現行のステラはダイハツによるムーブのOEM供給車(エンブレムのみスバルで、生産はダイハツ)である。

RN1_custom_first (17)

出典:Goo-net
スポンサーリンク

初代 スバル・ステラとは?

2006年6月にデビューした初代ステラ。ステラとはイタリア語の「Stella」に由来し、メーカー曰く「使っていただくすべての方々にとって、光り輝く存在になるようにとの思いを込めた。」とのこと。

ステラは「たのしい関係空間」をテーマに子持ちの母親をメインターゲットとし、それまでのスバルには無かった広い室内空間と多彩なシートアレンジ、収納スペースなどのユーティリティが与えられたモデルである。

これにメカニズムではスバル伝統もしくはお家芸ともいうべき4気筒エンジンに4輪独立サスペンション、無段変速機のi-CVT、一部モデルではスーパーチャージャーなどを組み合わせ、ただ室内が広い実用モデルにおさまらず見えないところでスバルのこだわりも感じられるモデルとなっている。

RN1_custom_first (14)

ここまで見ればステラはスバルらしい新ジャンルの軽乗用車にみえるが、実は当初から予定されていたものではなくそれよりも前にデビューしたR2の販売不信を受け、R2をベースに急ごしらえで作られた車である。

そのスピードは設計から販売に至るまでわずか11か月という驚きのはやさで、プラットフォームを流用したとはいえスズキやダイハツもびっくりな短期間で登場。R2の面影は(流用ゆえに)エンジンルームやインパネ、スピードメーターなどの垣間見え、R2ベースのため若干室内が同年代の他社よりも若干狭いなど初代ステラ特有の特徴があった。

R2時代ではムーブワゴンRにデザインや独自性で勝負を挑んだのだったが、結局は似たような車種を出すところに落ち着いた。軽自動車という実用性が重視される市場では、全体的に見ればスペース派の方が多くR2はそこまで大ヒットとはならなかったようである。

スポンサーリンク

初代ステラカスタム(RN1/RN2)とは?特徴と標準ステラとの違い

そのカスタムモデルである「ステラカスタム」はダイハツ・ムーブでいうところのムーブカスタムに相当する車種で、外観に専用パーツを用いてスポーティー仕立てたモデルである。

もちろんライバル同様に過給器モデルを設定し、加えて初代ステラでは伝統の4輪独立懸架サスペンションによる乗り心地の良さが特徴であった。

エクステリアでは

  • 専用4灯式プロジェクター式ヘッドライト
  • 専用メッキグリル
  • 専用エアロバンパー
  • 大型フォグランプ
  • LEDターンランプ付きドアミラー
  • サイドアンダースポイラー
  • ルーフエンドスポイラー
  • アルミホイール

インテリアでは

  • ブラック内装
  • タコメーター付きスピードメーター
  • 革巻きステアリング&革巻きシフトノブ

など上質かつスポーティな雰囲気が与えたカスタム仕様のステラである。

初代ステラカスタムのグレード一覧 カスタムR、カスタムRリミテッド、カスタムRSの違いなど

初代・後期ステラカスタムのグレード展開はベーシック・自然吸気エンジン「カスタムR」上級・スーパーチャージャー搭載「RS」の2種類。

このほかもうひとつのカスタム・レトロ仕様として「リベスタ」とスーパーチャージャー仕様「リベスタ S」が設定されていた。

【初代・レトロ仕様】スバル ステラ リベスタ(RN1/RN2型)

特別仕様車には専用内装の「カスタムR アイボリーセレクション」、廉価「カスタムRスペシャル」、WR・ブルー色採用「カスタムRリミテッド」、WRブルー採用・過給器・限定仕様「カスタムRS Sエディション」などが設定されていた。

カスタムR

初代ステラカスタムのベーシックグレード。カスタムの中では一番安いグレードで、過給器が付かない自然吸気エンジン仕様。

エクステリアでは

  • 専用ヘッドライト
  • サイドアンダースポイラー
  • フォグランプ
  • LEDターンランプ付きドアミラー

インテリアでは

  • ブラック内装
  • ウレタンステアリング
  • マニュアル式エアコン
  • タコメーター付きスピードメーター

など標準ステラよりは上級かつスポーティな内外装となる。

ただしアルミホイールやリアスポイラー、ディスチャージヘッドライトはオプション設定。

カスタムRS

初代・後期ステラカスタムの最上級・過給器エンジン搭載モデル。

インタークーラー付きスーパーチャージャーによる加給でパワフルな走りと、スポーティな内外装が特徴。

専用のエアインテーク付きボンネットが付き、カスタムRリミテッドと同じく

  • アルミホイール
  • ディスチャージヘッドライト
  • リアスポイラー
  • フロントスタビライザー
  • 独立3眼エレクトロルミネセントメーター
  • スポーツモードボタン

などを標準装備する。またRSのみi-CVTに「スポーツモード」が搭載され、スイッチONにすると変速プログラムが加速寄りに変化し、スポーティな走りを楽しめる。

特別仕様車 カスタムR アイボリーセレクション

2006年11月設定の特別仕様車。「楽しい関係空間」をテーマとした特別モデル。

アイボリーセレクションでは自然吸気エンジン仕様のRグレードをベースにカスタムでは設定のなかったアイボリー内装を採用。シート表皮にはファブリック加工を施し機能性を向上させた。

また、フロントとフロントドアにはUV(紫外線)&IR(赤外線)カット機能を施したガラスの採用し直射日光を低減。後部座席周辺のガラスにはUVカット機能付濃色ガラスを採用することで断熱効果を向上させている。

この他14インチアルミホイールを与え新ボディカラーとして「ライトブルーメタリック」を設定し、ノーマルのRグレードよりも仕様装備を充実させた特別仕様車。

【初代・前期型】スバル ステラカスタム アイボリーセレクション(RN1/RN2型)

特別仕様車 カスタムR スペシャル

2007年2月設定の特別仕様車。カスタムRをベースにタコメーター無しの単眼式メーターなどを採用し、一部装備を簡略化することで価格を抑えたお買得グレード。

新車価格をベースモデルから5万円ほど下げ、安価な価格で魅力を高めたグレード。

特別・限定仕様車 カスタムRS Sエディション

2007年7月設定の特別・限定仕様車

個性的な存在感と走りへのこだわりをイメージしたスポーティな特別モデル。

SエディションのSは「STI(スバルテクニカインターナショナル)」の意味でSTIパーツを装着し500台限定販売。

カスタムRS Sエディションでは外装に

  • STI製フロントアンダースポイラー
  • ルーフスポイラー
  • カーボン調ドアサッシュグラフィック
  • ガンメタ塗装14インチアルミホイール

専用ボディカラーとしてWRブルーマイカメタリックを設定。

内装では

  • STIシフトレバー
  • 本革巻ステアリングホイール
  • アルミスポーツペダル
  • ボルドー色の専用シート表皮

などを装備し内外装でよりスポーティに仕立てた特別仕様車。初代ステラの中でも希少な1台。

【初代・特別仕様・限定500台】スバル ステラカスタムRS Sエディション(RN1/RN2型)

特別仕様車 カスタムR リミテッド

2008年5月設定の特別仕様車。スバル車発売50 周年を記念して発売された特別モデル。

RリミテッドではカスタムRグレードをベースにGD系インプレッサSTIやその他のスポーティーなグレードのみに設定されていたスバル・ブランドカラーの「WRブルー・マイカ」を専用色として設定。

RSグレードに準じたスポーティな内外装をまっとたグレード。

Rグレードに追加でエクステリアでは

  • ディスチャージヘッドライト
  • 14インチアルミホイール
  • リアスポイラー

インテリアや機能装備としては

  • 革巻きステアリング
  • 独立3眼エレクトロルミネセントメーター
  • フルオートエアコン
  • キーレスアクセス&キーレススタートシステム

などを標準装備し、内外装でスポーティ感を高めた自然吸気エンジンの上級グレード。

【初代・前期型&後期型】スバル ステラカスタム Rリミテッド(RN1/RN2型)

後期モデルではカタロググレードに昇格している。

初代・前期ステラカスタムのエクステリア(外装)

RN1_custom_first (23)

フロントデザイン。形状こそ同じだが専用のHIDヘッドライトを装備し、昼間でもインパクトあるデザインになっている。ノーマルで内蔵されていたウィンカーレンズは独立し、すぐ下に付いている。

また、メッキグリルによりダイナミック感が出ており、ノーマルとは違いが良く出ている。昨今見られなくなったボンネット上のエアスクープは、好きな人にはウケの良いデザインだ。

RN1_custom_first (8)

自然吸気エンジンモデルではボンネット上のエアダクトは装着されない。ここは過給器モデルかそうでないかを見分けるポイント。なお、このエアダクトは前モデルのプレオでは採用されなかったもので、ヴィヴィオ以来のボンネット・エアダクトとなる。

RN1_custom_first (11)

ヘッドライトは4灯式のプロジェクター式となり、ロービーム側にディスチャージヘッドライトがオプション設定となる。

RN1_custom_first (18)

サイド。サイドアンダースポイラーとLEDターンランプ付きドアミラーを標準装備。2007年11月マイナーチェンジ(B型)では盗難防止装置がオプション設定となった。

RN1_custom_first (13)

足元はスーパーチャージャー仕様でアルミホイール。自然吸気エンジンでは基本がフルホイールキャップで、アルミホイールはオプション設定となる。

なお、最上級のRSではフロントスタビライザーが標準装備となる。ただし、2007年11月マイナーチェンジ(B型)では自然吸気エンジンでもアルミホイールが標準装備となった。

RN1_custom (12)

リア。ステラカスタムでは専用のクリアーコンビランプが与えられ精悍なリアビューとなっている。また、バンパーも専用品でカスタム形状のエアロタイプとなる。

エンジン・機能装備・安全装備など

RN1_custom_first (21)

搭載されるエンジンは、R2と同じEN07型直列4気筒DOHC自然吸気エンジンと同インタークーラー付きスーパーチャージャーエンジンの2種類。

自然吸気エンジンでは最高出力54ps(40kW)/6400rpm、最大トルクは6.4kg・m(63N・m)/4400rpm。

RN1_custom_first (4)

スーパーチャージャー仕様では最高出力64ps(47kW)/6000rpm、最大トルクは9.5kg・m(93N・m)/4000rpm。

かつてのスーパーチャージャー仕様エンジンではハイオク仕様となっていたが、ステラでは燃費に重点を置いたため、レギュラー仕様となり先代のプレオRSやR2の前期型スーパーチャージャー仕様車よりトルクが1.0kg落ちている。トランスミッションはCVTのみ。駆動方式はFFまたは4WDとなる。

ノーマルのNAモデルは、4気筒エンジンのおかげで振動と吹け上がりは良いものの、低速トルクがかなり低い。これにより出だしが遅く他社のNAモデルよりもストレスを感じる場合もある。

この点スーパーチャージャーで加給されればこの欠点が補われるので、低速トルクはモリモリ、高回転までなめらかとまるで普通車のような感じになる。メンテナンスが増える欠点はあるが、買うならスーパーチャージャーモデルを薦めたい。

初代ステラカスタムRN1とRN2型の違い

初代ステラカスタムのRN1とRN2型の違いは駆動方式。RN1は前輪を駆動するFFのステラカスタム。

RN2はRN1ベースで全輪を駆動するAWD(4WD)のステラカスタム。4WDシステムにはビスカスカップリングを用いたオンデマンド式が採用され、普段はFFで走行し、悪路や雪道などで後輪との前後差が生じると自動で4WDに切り替わる。

ジムニーやパジェロミニのパートタイム4WDとは異なり、自分で切り替える必要が無くタイトコーナーブレーキング現象も起きないので雪国など積雪地域の街乗り4WDではこの方式がよく採用されている。

初代・前期ステラカスタムのインテリア(内装)

stera3.jpg

インパネ周りはベースのR2そのまま。ただしR2にあったマニュアルモード付きCVTがステラには設定されていない。

2008年11月(C型)マイナーチェンジでは青色LED間接照明・マップランプ・ルーフランプ・小物入れを一体化したオーバーヘッドコンソールが追加装備となった。

RN1_custom_first (10)

RSではステアリングが本革巻ステアリングホイールとなる。

RN1_custom_first (3)

RSではR2のスーパーチャージャー仕様と同じ3眼独立メーター。

RN1_custom_first (12)

自然吸気エンジン仕様のRでは右側にタコメーター、中央にスピードメーター、左が燃料計のオーソドックスなメーターとなる(これもR2のRグレードと同じメーター)。

RN1_custom (7)

シフトノブ。スーパーチャージャー仕様のRSでは右側にスポーツボタンが加わり、押すとCVTの変速プログラムが加速寄りに変化。スポーティな走りを楽しめるようになっている。

ただし、R2R1のスーパーチャージャーにあったマニュアルモードはステラカスタムに設定が無い。

RN1_custom_first (1)

フロントシートはベンチシートタイプ。カスタム系ではスポーティーなブラックカラーとなる。2007年11月マイナーチェンジ(B型)ではシート形状が若干変更された。

RN1_custom_first (2)

リアシート。初代ステラではスバルの軽乗用車史上初となる、リアシートのスライド機構が備わった。

RN1_custom_first (6)

ラゲッジルーム。タイヤハウスがラゲッジスペース内まで来ているので少し狭い。

RN1_custom_first (7)

リアシートを倒した状態。ラゲッジスペースとリアシートには段差が生じ、フルフラットにはならない。

初代・前期ステラカスタムの総評

stera5.jpg

初代ステラはR2ベースなため室内空間が少し狭いものの、それを補う4気筒エンジン、スーパーチャージャー、4輪独立サスペンションなど、スバル伝統のこだわりが詰まった1台だ。

普通のワゴンタイプよりも、こだわりのスバルが欲しいという人に良いと思う。特にWRブルーカラーのステラカスタムはその鮮やかなボディカラーからも所有欲を満たしてくれる1台となるだろう。現行ではダイハツOEMになってしまい、WRブルーの設定も望めないことからマニアには希少な1台である。

尚、上の写真のステラカスタムは、登場から約1年後の2007年7月に発売された特別仕様車「RS S-EDITION」というもので、その年のオートサロン出品モデルを元に市販化し限定500台で発売されたレア車である。

初期のA型ステラカスタムをベースに内外装をSTIの専用品を中心にドレスアップしたもので、特にデビュー当初はなかったWRブルー・マイカ色が設定されたこともあり男性ユーザーに受けの良いモデルだった。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
ステラカスタム
スポンサーリンク
シェアする
スポンサーリンク
シン・軽自動車マニア

コメント

  1. ステラ好きさん より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    >尚、この記事で紹介しているWRブルーカラーの特別仕様車は限定500台で販売されたのもだ。
    とありますが、この記事で紹介しているステラは、D型ステラなので、限定車ではありません。
    最後の画像のステラが、A型のステラ カスタム RS S-EDITION 。 限定500台のレア物です。

  2. さすらいのクラ吹き より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    ステラ好きさん、ご指摘ありがとうございます。

    てっきりステラのWRブルーは限定色なのでこの500台のものだけだと思っていました。

    早速修正します。