ミラ・ココアはダイハツのハッチバック型軽自動車。ミラジーノの後継モデルである。本稿では中期型(2012年4月マイナーチェンジ~2014年7月まで)に設定された特別仕様車、「ココアXスペシャルコーデ」を扱う。
出典:ガリバー
ダイハツ・ミラココアとは?
ミラ・ココアは、それまで存在したクラシック風のミラジーノの後継車種として2009年8月に誕生した。
ミラココアでは先代のミラジーノと比較するとレトロ感が薄くなり、よりとっつきやすいボディフォルムが特徴で、これにミラ・ジーノと同じような丸目ヘッドライトとベーシックなバンパーが組み合わされる。
ミラ・ジーノから続くこの手の軽は売れ筋のムーブに比べると広さでは勝てないものの、昔のミラやアルトの雰囲気が残るベーシックなハッチバックタイプの軽自動車で、室内空間よりもスタイリングに重点を置いた設計だ。
軽自動車市場ではかならずしも皆がムーブやワゴンR、タントやN-BOXを買うわけではないので、その需要(特に若い女性)を狙ったものである。
デザインは「あたたかモダン」をコンセプトとし全体的にクラシカルな感じで、デザイン重視の軽自動車である。長方形を基調としながら角は丸く全体的に優しい感じに仕上がり、シンプルでありながら心に残るデザインを実現した。
先代(2代目ミラジーノ)では特有の丸みとバランスとの取れたハッチバックで個性的なボディスタイルだったが、このミラココアでは同年式のライバルとなる2代目アルトラパンに良く似たボディスタイルとなった。
また、インテリアも女性向けを意識し、水平基調のシンプル造形にインパネやドアトリムをらラウンドスクエアとすることで統一感を演出するとともに、親しみやすさや暖かさを表現。
ミラと名が付くものの、まったく異なる内装で上質感も追求した。
快適装備も
- 運転席シートリフター
- チルトステアリング
- アジャスタブルショルダーベルトアンカー
をセットにした「アジャスタブルパック」を全グレードに標準装備。小さな女性の体型に合わせやすい運転席とした。
エンジンはKF-VE型のツインカムDVVT3気筒DOHC自然吸気エンジンのみを採用。「インプットリダクション方式3軸ギヤトレーン構造」を採用したCVTと組み合わせることで優れた燃費性能を実現した。このあたりのメカニズムは同年代のムーヴコンテによく似ている。
中期型・ミラココアの改良点と前期型との違い
そのミラココアは、2012年4月のマイナーチェンジでフロントデザインの小変更を伴い中期型となった。
出典:ダイハツ認定中古車
中期型ではフロントグリルとバンパーコーナー、をメッキ加飾し精悍さをアップさせた(※廉価のLグレードを除く)ほか、コンビランプをクリアータイプに変更した。
また、内装では最上級のGグレードでバックモニター付きナビと花粉除去機能付きプラズマクラスター搭載エアコンを標準装備とした。
さらに運転時に様々な状況を確認できるマルチインフォメーションディスプレイを全車標準装備と、にボディカラーは新色の「ムースピンクパール」(写真色)を追加設定。
エンジンは第2世代KF型エンジンの採用に加え、ミライースの「イーステクノロジー」からエコアイドルとエコ発電制御などを取り入れたことでFFモデルで26.0km/L(JC08)を達成。
中期型ミラココアは、前期型よりも外装とメカニズムで魅力をアップさせたマイナーチェンジとなっている。
特別仕様車 ココアXスペシャルコーデとは?ココアXとの違いなど
そのミラココアに2013年4月設定された特別仕様車のひとつが「ココアXスペシャルコーデ」である。
出典:ガリバー
ココアXスペシャルコーデは、ドアアウターハンドルやホイールキャップを専用塗装とし、専用シート表皮の採用などで魅力を高めたモデル。
また、特別仕様車専用の2トーンボディーカラー「2トーンセレクション」も専用設定し、特別感を演出した。
ココアXスペシャルコーデは上級グレードの「ココアX」をベースに
- ドアアウターハンドル(パールホワイト) ※ビターカラー選択時はシルバー
- 14インチツートーンカラードフルホイールキャップ
(パールホワイト・「ココア」エンブレム付)※ビターカラー選択時はシルバー - スペシャルコーデ専用シート表皮
(ブラウン色スエード調、デオドラント機能+「COCOA」エンブレム付) - 助手席シートバックティッシュポケット
- リヤシート分割可倒式(2WD車のみ)
出典:ダイハツ認定中古車
を採用。ボディカラーはベースモデルのモノトーンに加え、オプションカラーが専用設定となり、
- プラムブラウンクリスタルマイカorブラックマイカメタリック×プラムブラウンクリスタルマイカ
- パールホワイトIII×ミストブルーマイカメタリック
- ムースピンクパールorパールホワイトIII×ムースピンクパール
の3色がオプション選択可能となる。
ミラココアとココアプラスとの違い、XスペシャルコーデとプラスXスペシャルコーデとの違い
ココアとココアプラスの違い
ココアプラスはミラココアのカスタムモデル的位置づけ。上級のココアXよりもさらに内外装が豪華かつスタイリッシュになる。
ココアプラスのエクステリアにはココアXに加えてメッキ加飾付きフォグランプとシルバー塗装ルーフレール、LEDターンランプ付きドアミラーを標準装備。レトロ感やスタイリッシュ感がアップする。
内装もココアプラス専用・ロゴマーク入りデオドラント機能付のスエード調シート表皮にリアシートは分割可倒式シートの採用で質感や使い勝手がアップする。
その分新車価格は高く、ココアXよりも7万円ほど高かった。
特別仕様車 ココアXスペシャルコーデとプラスX スペシャルコーデの違い
特別仕様車の「ココアXスペシャルコーデ」と同時設定の「プラスXスペシャルコーデ」では装備が若干異なり、プラスのほうが豪華となる。
エクステリアでは
ココアXプラスのみベースモデルと同じく
- ルーフレール
- フォグランプ
を標準装備。
インテリアでは
- ココアエンブレム付き革巻きステアリングホイール
が特別装備など、ココアXプラス スペシャルコーデのほうがより豪華な特別仕様車となる。
※2トーンを含めたボディカラーの設定は両方とも同じ
ミラココア Xスペシャルコーデの外装(エクステリア)
出典:ガリバー
フロントデザイン。中期型ではカスタムモデルのミラココアと同じくフロントグリルとバンパーコーナーをメッキ加飾し精悍さをアップさせた。
なお、フォグランプはオプション設定となり同時改良の中期型ミラココアプラスでこのフォグランプがグリルやバンパーコーナーと同じくメッキ加飾される。ここはプラスかノーマルかの違いを見分けるポイントだ。
スペシャルコーデ仕様としてはフロントデザインは同じ。2トーンカラーを選択するとボンネットからルーフ部分にかけて、ドアミラーも含めて2トーンカラーで塗り分けされる。
出典:ガリバー
サイド。このあたりは特変更点はなく、前期型と同じ。
スペシャルコーデ仕様として、アウタードアハンドルがパールホワイト塗装に変更される(ビターカラー選択時はシルバー塗装)
足元はCOCOA専用デザインカラード・14インチホイールキャップ。タイヤサイズは155/65R14。
スペシャルコーデ仕様としてホワイト(ビターカラー選択時はシルバー)塗装となる。
出典:ガリバー
さらにスペシャルコーデではツートンカラーがオプション設定され、写真のように上半分が別カラーとなる。ツートンカラーの色は3色で
- 「ブラックマイカメタリック×プラムブラウンクリスタルマイカ」
- 「パールホワイトIII×ミストブルーマイカメタリック」 ※写真色
- 「ムースピンクパールorパールホワイトIII×ムースピンクパール」
この他モノトーン色として
- ブラックマイカメタリック
- コットンアイボリー
- ミストブルーマイカメタリック
の計6色となる。
セキュリティーアラームは全グレードで標準装備。
出典:ガリバー
リア。中期型では全グレードでインナーメッキを使ったクリアーコンビランプに変更された。
ハイマウントストップランプもLEDに変更。Xグレードベースのためフロントバンパーと同じくリアバンパーにメッキコーナーモールが加わる。
出典:ダイハツ認定中古車
このコンビランプは前期型と比較してかなりキラキラ感が強く、ユーロテールの雰囲気をも伺わせるもの。
年配の人にはハデハデで苦手とされることが多いが、ミラココアのメインターゲットは若い女性のためこの程度がちょうどいいのかもしれない。
さらにバックドア左側には中期型でエコアイドルを適用したことでエンブレムが追加されている。
リアまわりはスペシャルコーデ仕様の変更はなく、ベースモデルと同じ外観。専用エンブレム類も特に無し。
エンジン・機能装備・安全装備など
エンジンは改良型となる第2世代KFエンジン。前期型の2011年6月マイナーチェンジで第1世代KF型エンジンからこのエンジンに置換された。
最高出力は52ps(38kW)/6800rpm、最大トルクは6.1kg・m(60N・m)/5200rpmとなる。
加えて後期型ではミライースの「イーステクノロジー」からエコアイドルとエコ発電制御などを取り入れたことで大幅に燃費がアップ。
FFモデルで26.0km/L(JC08)を達成した。デビュー当初は10.5モードではあるがFFモデルで19.4km/Lだったことを考えると、少なくとも3割以上も向上させたことになる。
その一方で、スマートアシストなどの自動ブレーキはムーヴコンテ同様に設定がなく、デザインが良いだけに少し残念なポイントだ。
安全装備として運転席&助手席エアバッグを標準装備。中期以降ではEBD付きABSも全グレードに標準装備となった。
ミラココア・L675SとL685Sとの違い
ミラココアのL675SとL685Sとの違いは駆動方式。
FFモデルがL675Sで、L685SはFFベースの4WDとなる。ただし、ジムニーなどのクロカン4WDとは異なりビスカスカップリングを用いたオンデマンド式の4WDとなっている。
そのため常時4WDではなく、前輪と後輪の回転差が生じたときのみ4WDとなる生活四躯仕様となる。
ミラココア Xスペシャルコーデの内装(インテリア)
出典:ダイハツ認定中古車
インパネ。このあたりは前期型と同じ。Xグレードのためメッキエアコンレジスターがやキーフリーシステムが標準装備となる。
出典:ダイハツ認定中古車
スピードメーターは全グレードでタコメーター付きに統一(Lグレードの単眼式メーターを廃止)。運転時の様々な状況を確認できる「マルチインフォメーションディスプレイ」を全グレード標準装備とした。
また、エンジンが新型KFエンジンに換装されたため、タコメーターのレッドゾーンが前期型から少し引き下げられている。
出典:ダイハツ認定中古車
エアコンはXグレードベースのためオートエアコンとなる。
出典:ダイハツ認定中古車
ステアリングはベースモデルと同じウレタンステアリングを採用。
出典:ダイハツ認定中古車
フロントシートはベンチシートタイプ。スペシャルコーデ仕様としてのみココア(COCOA)ロゴマーク入りブラウンシートを採用。
デオドラント機能付のスエード調となっており、ベースモデルよりも上質感がかなり高くなる。
このほかXグレードと共通でメッキインナーハンドルが付く。
出典:ダイハツ認定中古車
リアシートもブラウンシートを採用。スライド機構は付かない。シートは2WDモデルでも左右一体可倒式を採用する。Xベースのためリアの足元にも16cmスピーカーが付く4スピーカーを採用する
出典:ダイハツ認定中古車
ラッゲージルーム。
出典:ダイハツ認定中古車
リアシートを倒した状態。
まとめ
中期型ミラココアに設定された特別仕様車、「プラスコーデ」はホワイトカラーによるアクセントや専用ブラウンシート表皮、オプション設定でミラココア初の2トーンボディカラーを採用するなど、ノーマルモデルよりも上質感や特別感を高めたモデルである。
ノーマルモデルよりも内外装の魅力が高いのでより個性やこだわりたい人には嬉しいモデルである。カスタムモデルの「プラスX スペシャルコーデ」ではフォグランプやルーフレール、革巻きステアリングが追加されるため、より上級感が欲しい人にはこちらもオススメ。
中古市場では特別仕様車ともあって、ミラココアの中でもタマ数が少なめで少し探しづらいが前期型のミラココアよりは確実に内外装が良く、新型エンジンやCVT搭載でそこそこ燃費も良い。
ミラジーノなど背の低いセダンタイプで、可愛いらしい軽自動車を探している人にオススメしたい特別仕様車である。
この後の2回目のビッグマイナーチェンジ(後期型)ではボディカラーが増えツートンカラーも標準グレードにオプション設定されるなど、スペシャルコーデの優位性は無くなってしまうがミラココアを中古で探す際は頭に入れておきたいモデルである。
コメント