ミニキャブバンは三菱の(軽貨物)ワンボックス型軽自動車で、スズキ・エブリイ(DA17V型)のOEMモデルである。本稿では8代目DS17V型を扱う。
出典:三菱認定中古車
- 8代目 三菱・ミニキャブバンとは?
- 8代目ミニキャブバン(DA17V)と6代目エブリイ(DA17V)の違いなど
- 8代目ミニキャブバン(DS17V)と3代目タウンボックス(DS17W)との違い
- 8代目ミニキャブバンの一部改良など
- 8代目ミニキャブバン(DS17V)のグレード一覧 「E」、「M」、「G」、「ブラボー」、「ブラボーターボ」の違いなど
- ブラボーターボ(DS17V)とジョインターボ(DA17V)の違い
- 6代目ミニキャブバンのエクステリア
- エンジン・機能装備・安全装備など
- ミニキャブバン(DS17V)の最大積載量 AmazonFlexで利用可
- ミニキャブバン(DS17V)の税金 軽貨物・4ナンバー登録で安い
- 2023年3月31日届出 ミニキャブバン(DS17V)のリコール 自動マニュアルトランスミッション(AMT)の不具合
- 6代目ミニキャブバンのインテリア
- まとめ
- 兄弟モデル 日産・NV100クリッパー、マツダ・スクラムバン
8代目 三菱・ミニキャブバンとは?
2015年3月にフルモデルチェンジし、8代目となった三菱・ミニキャブバン。
ミニキャブバンは三菱の軽自動車の中でも歴史の長いモデルだが、不採算や販売不振、新モデル開発時の安全対策に対するコスト増やリソース集約のため先代モデルで自社生産から撤退。
7代目以降はスズキ・5代目エブリイ(DA64V)のOEMモデルとなったが、8代目は6代目エブリイ(DA17V)をベースとしたOEMモデルとなる。
8代目ミニキャブバンは先代とは異なる新型エンジンR06A型を採用。吸気可変バルブタイミング機構を搭載し低燃費と力強い低中速トルクを両立。荷物積載時でもスムーズな走りを実現。
トランスミッションも従来の5MTに加えATでは3ATを廃止し、4ATと新開発の5AMT(※エブリイでの名称は5AGS)を採用。車体も軽量化を実施したことでクラストップレベルの低燃費を実現した。
8代目ではホイールベースをさらに拡大。インパネ形状の変更とあわせて荷室容量を拡大し、
- 荷室長1,910㎜(「M」「G」2名乗車時、旧型比+210㎜)
- 荷室高1,240㎜(旧型比+45㎜)
- 荷室幅1,385㎜(4名乗車時)
- 荷室床面長1,955㎜(2名乗車時)
を確保し、先代よりもゆとりある荷室空間を実現。助手席は前倒し機構を搭載し、長モノの積載にも対応。
さらにテールゲート開口部と後席スライドドア開口部を拡大し、開口部高・開口部幅としたほか、荷室床面地上高を650㎜へ15㎜下げたことにより、積載性・乗降性を向上させた。
収納スペースは
- オーバーヘッドシェルフ(※Mグレードを除く)
- センターミドルトレー
- インパネカップホルダー
- フロントドアボトルホルダー
など多彩な収納スペースを新たに設定し、先代よりも使い勝手を向上させた。
安全装備は先進予防安全技術「e–Assist」を軽バンにも初搭載。
- 低車速域衝突被害軽減ブレーキシステム(FCM-City)
- 誤発進抑制機能
により、衝突の危険を察知してドライバーに知らせるとともに、被害を回避・軽減できるようにサポートするようにした。
8代目ミニキャブバン(DA17V)と6代目エブリイ(DA17V)の違いなど
ミニキャブバンとエブリイの違いはエンブレムや車名デカール、ステアリングのブランドマーク程度で、基本は同じ。三菱専用アレンジなどは採用されず、エンブレム違いのOEM車となる。
グレード名やグレード体系は異なり、PAやPC、ジョインの名称は使われず、三菱ではeKワゴンなどの乗用モデルと同じ「M」、「G」などを採用。上級グレードでは6代目後期モデルから復活した「ブラボー」を採用する。
また、エブリイに設定のロールーフ専用・廉価グレード「GA」相当が非設定。Mグレードにもロールーフは設定されず、全車ハイルーフ仕様のみ。
特別仕様車の「リミテッド」に相当するグレードも無く基本グレードのみとなる。
なお、ボディカラーはミニキャブバンのほうが少なく、上級ジョインに設定の一部ボディカラーがブラボーで非設定となる。
8代目ミニキャブバン(DS17V)と3代目タウンボックス(DS17W)との違い
ミニキャブバンとタウンボックスの違いは内外装や機能装備にある。
ミニキャブバンは簡素でグレードにもよるが必要最低限な装備に対し、タウンボックスは乗用モデルで内外装が豪華。
またミニキャブバンが手動式スライドドアに対ししてタウンボックスは全グレードでパワースライドドアを標準装備。最上級グレードでは助手席側にオートストップを備えるなど、機能装備も豪華。
出典:三菱認定中古車
エクステリアではタウンボックスはフルエアロ化され、メッキグリルに4灯式ヘッドライト、専用テールランプ、アルミホイールなでスタイリッシュとなるが、
出典:三菱認定中古車
ミニキャブバンは軽バンらしくスチールホイールまたはホイールキャップ、エアロパーツも無く、ハロゲンヘッドライトに従来どおり貧素なテールランプなど、コストカットされる。
また、リアシートもタウンボックスはヘッドレスベッドやアームレスト付きで快適性が高く、足元空間が広いがミニキャブバンではブラボー以外はヘッドレスベッドなしのベンチシートタイプで、足元も狭い。
その分ラゲッジスペースはタウンボックスよりもミニキャブバンのほうが広く、より荷物を積めるようになっている。
また軽自動車税も異なり5ナンバーのタウンボックスは年10,800円に対し、4ナンバー軽貨物のミニキャブバンは年5,000円(営業用貨物登録だと3,800円)と半分ぐらい違う。
8代目ミニキャブバンの一部改良など
2015年12月・一部改良(2型相当)
2015年12月の一部改良では、「ヒルスタートアシスト」と「EBD付ABS」が「M」グレードの5AMT車と「G」に標準装備化。
2016年3月・一部仕様変更
2016年3月の一部仕様変更では「M」グレードの5AMT車に2速発進モードを標準装備化。
「G」と「ブラボー」にはクリープ時の推進力を強化し、発進時や低速時の使い勝手を向上させた。
2017年5月・一部改良(3型相当)
2017年5月の一部改良では4AT車を「M」・「G」・「ブラボー」にも追加設定。一方で「ブラボー」の5AMT車を廃止。「ブラボーターボ」と同じく4ATのみとした。
※エブリイのジョインターボは5AGSを継続設定
「ブラボー」は、「ブラボーターボ」で装備済みのセンターアームレスト(フロントシート)が追加されたが、5AMT廃止に伴いヒルスタートアシストが非装備となった。
このほか「M」と「G」グレードではリアシートを形状変更。固定ラッチを可倒式に変更し、荷室をフルフラットにした時の張り出しを無くして積載性を向上させた。
2019年7月・一部仕様変更 ブラボー廃止
2019年7月の一部仕様変更では安全装備を強化。
「ブラボーターボ」に搭載の予防安全技術「e-Assist」がアップデートされ、レーザーレーダー方式からフロントカメラ方式に変更。前方の歩行者検知を可能にし、作動車速域を約30km/hまでから約100km/hまでに拡大した。
加えて
- 車線逸脱警報機能
- ふらつき警報機能
- 先行車発進お知らせ機能
- ハイビームアシスト
を追加。さらに後退時用衝突被害軽減ブレーキ「後退時ブレーキサポート」も追加され、誤発進抑制機能は前方に加え後方にも対応した。
さらにe-Assist搭載グレードが拡大され、ミドルグレードの「G」にも標準装備化(※アクティブスタビリティコントロール:ASCも「G」に標準装備化)。ヒルスタートアシストは「ブラボーターボ」にも標準装備化。
その一方でグレード集約で「G」の5AMT仕様と「ブラボー」を廃止。
エブリイではこの時、ボディカラーの一部入れ替えが行われたが、ミニキャブバンではそのままで従来どおりの3色設定を継続。
2021年9月・一部改良(4型相当)
2019年9月の一部改良では「M」を除く「G」と「ブラボーターボ」グレードでUSB電源ソケットを標準装備化。
「ブラボーターボ」のみに標準装備されていた電動格納式リモコンドアミラーを「G」にも拡大して装備化。4WD車にはヒーテッドドアミラーも装備。
プライバシーガラスを「M」にも拡大して標準装備化。オートライトシステムとアクティブスタビリティコントロールは全グレードに標準装備化した。
さらに「ブラボーターボ」にはジョインターボと同じフロントメッキグリル(※ブランドマークはスリーダイヤ)が追加された。
一方で4ATに採用のパーキングブレーキが足踏み式からレバー式に変更。これに伴いアームレストが廃止となった。
2022年4月・一部改良(5型相当) ブラボーターボ廃止・ブラボー復活
2022年4月の一部改良では可変バルブタイミング機構を排気側にも採用した改良型エンジンを新たに採用。
4AT車にはアイドリングストップ機能「オートストップ&ゴー(AS&G)」を採用したことで燃費性能を約10%向上。
運転席上部に既存の「オーバヘッドコンソール」から置き換えで「オーべヘッドシェルフ」を標準装備。使い勝手を向上した。
一方でミニキャブバン唯一のターボ仕様車、「ブラボーターボ」を廃止。代わりに自然吸気エンジン仕様の「ブラボー」を復活させ再設定。「ブラボー」にはそれまでミニキャブバンに未設定の「ディスチャージヘッドライト」も標準採用した。
これは兄弟モデルの日産「NV100クリッパー」も同じで、GXターボが廃止されている。
さらにブラボーターボには専用ボディカラー「クールカーキメタリック」を追加設定し、全4色展開とした。
なお、エブリイに設定の7インチのディスプレイのバックカメラ付きスマートフォン連携ディスプレイオーディオはミニキャブバンには非設定となる。
2024年3月14日・一部改良(6型相当)
2024年3月14日の一部改良では、OEM元のエブリィの改良にあわせてミニキャブバンも一部改良を実施。
それまで4ATだったATのトランスミッションをCVTに換装し、燃費性能や静粛性、登坂性能を向上させた。さらにブラボー(エブリイのジョインOEM)にターボ仕様を復活させた「ブラボー」のターボ仕様を再設定。
復活したブラボー(ターボ)では
- キーレスオペレーションシステム
- スライドドアイージークローザー(後席両側)
- 運転席・助手席バニティミラー
- 運転席シートヒーター
- 助手席シートバックテーブル
を標準装備するとともに、ヘッドライトをLED化。「G」グレードも運転席シートヒーターと助手席シートバックテーブルが装備され、ヘッドライトがLED化された。
またAT仕様ではブレーキLSDの「ぬかるみ脱出アシスト」を標準装備。4WD仕様はそれまでの機械式パートタイム4WDから電子制御式4WDに変更となり
- 「2WD」
- 「4WD AUTO」
- 「4WD LOCK」
の3つの走行モードの切り替えが可能となった。
さらに従来の4ATや5MTを選択可能な新エントリーグレード「E」が新設され、「M」に設定されていた5AMT車および5MT車を廃止。
安全面では、リアパーキングセンサーとメーター内の表示灯を全車に標準装備化。
一方でエブリイに追加のボディカラーは三菱仕様では非設定で、従来通り4色(「ブラボー」以外のグレードは2色)のまま。
さらにOEMグレードが一部変更となり、「E」グレードが「PA」、「M」が「PAリミテッド」、ブラボーが「ジョインターボ」に相当。Gグレードは従来通り。
8代目ミニキャブバン(DS17V)のグレード一覧 「E」、「M」、「G」、「ブラボー」、「ブラボーターボ」の違いなど
8代目ミニキャブバンのグレード展開は廉価グレード「M」、ミドルグレード「G」、上級グレード「ブラボー」、上級ターボ仕様「ブラボーターボ」の4種類。
「ブラボー」と「ブラボーターボ」に関しては年式によりどちらか一方の設定。
エブリイと異なりロールーフ仕様や、ロールーフ専用2シーター仕様の「GA」に相当するグレードが無い。
特別仕様車も未設定&基本グレードのみで全車ハイルーフ仕様となる。
乗用モデルの3代目タウンボックスはこちらから。
M
(2024年2月以前まで)8代目ミニキャブバンのエントリーグレード。エブリイ「PA」相当のグレード。
ただしPAよりも装備が若干豪華な分、価格は少し高い。どちらかというと日産NV100クリッパーの「DX」グレードに近い。
エクステリアでは
- 樹脂タイプの手動式ドアミラー
- スチールホイール(ホイールカバーレス&センターキャップ付き)
- プライバシーガラス(リアガラス、リアクォーター、リアゲートガラス)
で質素な外観に。ただしリアのプライバシーガラスは標準装備だが、キーレスエントリーは非装備(※NV100クリッパーのDXではキーレスエントリーが標準装備)でPAグレードよりもほんの少し豪華。
インテリアでは「タコメーター無しの単眼式メーター」にフロントシート表皮が「ビニール製でヘッドレスト一体型シート」を採用。リアシートは一体可倒式の軽バンタイプを採用。
安全装備としてABS+EDBや運転席&助手席エアバッグ、フロントスタビライザーは標準装備するが、自動ブレーキ類は非装備。
※エブリイには廉価PAに自動ブレーキ搭載の「PAスズキセーフティサポート装着車(タコメーター付き)」の設定があるが、ミニキャブバンには非設定
ミニキャブバンでは標準ルーフは非設定。
ボディカラーは「スペリアホワイト」と「シルキーシルバーメタリック」の2色のみ。
2024年3月の一部改良ではエブリイ・PAリミテッドのOEMに変更となり、
- 電波式キーレスエントリー
- スモークガラス
- 全面UVカット機能付ガラス
- セキュリティアラームシステム
が標準装備化。同時に5AMTと5MTは廃止されCVTのみとなった。
E
2024年3月の一部改良で追加された新グレード。最廉価グレードで価格を抑えた一番安いグレード。エブリイPAに相当する。
上記2024年2月までの上記「M」グレードと同じ仕様。こちらはCVTが非搭載で、5MTまたは4ATの設定。
G
8代目ミニキャブバンのミドルグレード。エブリイの「PC」相当のグレード。Mグレードよりも装備が良くなる。
こちらもベースの「PC」グレードよりも若干装備が良く、どちらかというとNV100クリッパーの「DX GLパッケージ」に近い。
GグレードではMの装備に対して
- カラードドアミラー(電動格納式ドアミラー)
- フルホイールキャップ
- 電波式キーレスエントリー
- ヒーテッドドアミラー(4WDのみ)
を標準装備。インテリアでは
- シート表皮はファブリックシート
- フロントシートはブラーボと同じヘッドレスベッド分離タイプ
- AM/FMラジオ付き
- タコメーター付き3眼式メーター(※2019年7月一部改良以降)
ただしリアシートはMと同じ簡素な一体可倒式(ヘッドレスベッド無し)で、リアガラスは手動開閉式。
2019年7月の一部改良で自動ブレーキの「e-Assist」がMグレードにも標準装備となった。
ボディカラーは「スペリアホワイト」と「シルキーシルバーメタリック」の2色のみ。
ブラボー
8代目ミニキャブバンの上級グレード。エブリイ「ジョイン」に相当する。
エクステリアではMと同じでカラード電動式ドアミラーやプライバシーガラス、ホイールキャップを標準装備し、スタイリッシュに。
インテリアでは
- ヘッドレスト独立タイプ・タウンボックスと同じシート形状のファブリックシート
- リアシートも肉厚でヘッドレスベッド装備の左右分割式シート
- ドアトリムクロス
- タコメーター付き3眼式スピードメーター
- リヤヒーター
- リヤパワーウィンドウ
を採用。自動ブレーキの「e-Assist」も標準装備し、乗用モデルのタウンボックスのような装備が特徴のモデル。
ボディカラーは「スペリアホワイト」と「シルキーシルバーメタリック」に「ブルーイッシュブラックパール」を加えた3色。
2019年7月の一部改良でカタログ落ちし、一旦ラインナップから消滅した。
2022年4月にブラボーターボと入れ替わりでグレード復活した際にはディスチャージヘッドランプとフロントメッキグリルを標準装備化。
ブラボー専用色として「クールカーキメタリック」が追加設定された。
2024年3月の一部改良ではブラボーにターボ仕様が復活し、LEDヘッドライトも標準装備可された。ただしグレード名は「ブラボーターボ」とならず、単に「ブラボー」である。スズキではジョインターボという名前になっているため、少しややこしい。
ブラボーターボ
ブラボーにターボエンジンを搭載したグレード。ミニキャブバンで唯一のターボエンジンを搭載し、特に荷物満載時でも加速性能が良くなる。エブリイの「ジョインターボ」相当。
ただしジョインターボと異なりデビュー当初からMTが非設定で、4ATのみの設定。これ以外はブラボーと同じ装備じ。
エクステリアはカラード電動式ドアミラーやプライバシーガラス、ホイールキャップを標準装備し、スタイリッシュに。
- ヘッドレスト独立タイプ・タウンボックスと同じシート形状のファブリックシート
- リアシートも肉厚でヘッドレスベッド装備の左右分割式シート
- ドアトリムクロス
- タコメーター付き3眼式スピードメーター
- リヤヒーター
- リヤパワーウィンドウ
- フロントメッキグリル(※2019年7月以降)
を採用。自動ブレーキの「e-Assist」も標準装備し、乗用モデルのタウンボックスのような装備が特徴のモデル。
2019年9月の一部改良ではフロントメッキグリルが標準装備となった。
2022年4月の一部改良でジョインターボと同じくカタログ落ち。再設定した自然吸気エンジン仕様の「ブラボー」に移行。
2024年3月の一部改良でターボ仕様が復活するが、ブラボーターボとう名称は使われず、単にブラボーとなる。
ブラボーターボ(DS17V)とジョインターボ(DA17V)の違い
上級ターボ仕様の「ブラボーターボ」のベースはスズキ・エブリイの「ジョインターボ」のOEMグレード。両車の違いは基本的にはエンブレムのみ。
ただしトランスミッションではジョインターボがモデル途中まで5MTの設定があるのに対し、ブラボーターボでは4ATのみの設定。同じくOEM供給される日産・NV100クリッパーの「GXターボ」を同じ仕様となる。
またボディカラーもミニキャブバンが白(スペリアホワイト)、シルバー(シルキーシルバーメタリック)、黒(ブルーイッシュブラックパール)のみに対し、ジョインターボではモデル途中から
- ノクターンブルーパール
- クールカーキパールメタリック
- ムーンライトバイオレットパールメタリック
の3色が追加設定され、全6色から選択可能となる。ミニキャブバンでは白、シルバー、黒などの基本色しか選択できない(※ブラボーのみ追加でクールカーキメタリックが選べる)。
6代目ミニキャブバンのエクステリア
出典:三菱認定中古車
フロントデザイン。8代目ミニキャブバンは先代のシンプルかつオーソドックスなデザインをベースにより洗練させた。三菱仕様としてはボンネットのエンブレムが三菱マークに変更となる程度で、あとはエブリイとまったく同じ。
ただしブランドマークにより人によっては若干異なって見える。
2021年9月の改良で「ブラボーターボ」にメッキグリルを標準装備化。2022年4月の一部改良では「ブラボー」にメッキグリル+ディスチャージヘッドランプが標準装備となった。
出典:三菱認定中古車
サイド。このあたりもエブリイとほぼ同じだが、ミニキャブバンでは全グレードにスライドドア、リアクォーターガラス、テールゲートガラスにプライバシーガラスを標準装備する。
(※年式によりMグレードなどでは非装備の場合もあり)
足元はMグレードがスチールホイール+センターキャップでタイヤサイズは145/80R12。
Gとブラーボ系ではホイールキャップが付く。
出典:三菱認定中古車
リア。先代と同じデザインでリアの開口部を広く取るためテールランプをバンパーに埋め込んでいる。
三菱仕様としてはテールゲート左下にMINICABや最大積載量のデカールが入る程度で、これ以外はベースモデルと同じ。
エンジン・機能装備・安全装備など
出典:スズキ認定中古車
エンジンはR06A型直列3気筒自然吸気エンジンまたは同インタークーラー付きターボエンジンの2種類。
自然吸気エンジンは最高出力49ps(36kW)/5700rpm、最大トルク6.3kg・m(62N・m)/3500rpm。
ターボ仕様は最高出力64ps(47kW)/6000rpm、最大トルク9.7kg・m(95N・m)/3000rpmを発生する。
2022年4月一部改良では排気側にも可変バルブタイミング機構を用いた改良型を採用。
最大トルクも若干抑えられ、自然吸気エンジンは最高出力49ps(36kW)/6200rpm、最大トルク6.1kg・m(60N・m)/4000rpmとなった。
駆動方式はFRまたはパートタイム4WD。先代では旧式のK6Aターボだったがこれを新世代のR06Aに置換。ボディも高張力鋼板の使用拡大やその他軽量化でシェイプアップし先代よりも最大で1Lあたり2km前後燃費を改善した。
2024年3月の6型改良では5AGSが廃止され、ATはEグレードを除いて4ATからCVTに変更となった。
このほか全グレードでSRSエアバッグとABSを標準装備とし、「ブラボーターボ」、2022年4月以降は「G」と「ブラボー」グレードでは先進装備の「e-Assist」を標準装備する。
デビュー当初のブラボーターボに搭載の「e-Assist搭載車」では自動ブレーキの
- レーダーブレーキサポート
- 誤発進抑制機能
- エマージェンシーストップシグナル
- アクティブスタビリティコントロール:ASC(横滑り防止装置)
が備わる。
2019年7月以降は自動ブレーキがアップデートされ、「e-Assist搭載車」では
- ステレオカメラを用いた衝突軽減ブレーキシステム(FCM)
- ハイビームアシスト
- 後退時ブレーキサポート
- リアパーキングセンサー
- 誤発進抑制機能
- 後方誤発進抑制機能
- 車線逸脱警報機能
- ふらつき警報機能
- 先行車発進お知らせ機能
- エマージェンシーストップシグナル
が備わり、デビュー当初よりも機能が大幅アップした。
ミニキャブバン(DS17V)の最大積載量 AmazonFlexで利用可
ミニキャブバンの最大積載量は全グレードで350kg。
最近登場したスペーシアベースでは最大積載量が200kgのため、Amazonフレックスの条件に適合せず使えないが、ミニキャブバンはブラボーでもブラボーターボでもいずれのグレードでもAmazonFlexで使える。
旧モデルのダイハツ・10代目ハイゼットカーゴのクルーズターボでは最大積載量が200kgで条件に適合しない問題があるが、ミニキャブバンはスズキ・6代目エブリイベースではその心配は無用だ。
もちろん、AmazonFlex以外にウーバーイーツやWoltなど地方のフードデリバリー配達や小口配達(個人の委託契約)にも使えるので、このあたりは一番応用力が高い軽バンでもある。
ミニキャブバン(DS17V)の税金 軽貨物・4ナンバー登録で安い
ミニキャブバンは4ナンバー・軽貨物登録の軽自動車。
軽貨物で自家用登録だと1年間の税金が5,000円。乗用モデルのタウンボックスなどの一般的な5ナンバーの軽自動車は10,800円のため、年間5,800円浮く計算になる。
浮いた軽自動車税分は他の物を買ったり、12ヶ月点検や2年に一回の車検代に充当できる。仮にタウンボックスを10年保有すれば単純計算58,000円もの節税になる。
また、営業用として使う場合は「営業用貨物車」となり、年間3,800円とさらに安くなる。
ただし黒ナンバー登録で使うと、黒ナンバー専用の自動車保険がかなり高いので軽自動車税が安いメリットはあまり無い。
2023年3月31日届出 ミニキャブバン(DS17V)のリコール 自動マニュアルトランスミッション(AMT)の不具合
2023年3月31日に三菱自動車はミニキャブバンで採用するAMT(5AGS)に不具合があるとして、リコールを発表した(届け出は製造元のスズキ自動車)。
不具合の内容は
- 機械式自動変速機(AGS)のクラッチケーブルにおいて、防水のための被覆構造が不適切なため、芯線に錆が発生するものがあります。そのままの状態で使用を続けると、クラッチケーブルの芯線が破断し、警告灯が点灯するとともに変速不能及び走行不能となるおそれがあります。
- 機械式自動変速機(AGS)のオイルポンプとオイルポンプ駆動用モータのジョイント部において、外部との通気構造が不適切であったため、オイルポンプからオイルが滲んだ場合、オイルが空気と共に、モータ側に浸入することがあります。そのままの状態で使用を続けると、モータ内部が短絡して作動しなくなり、警告灯が点灯するとともに変速不能及び走行不能となるおそれがあります。
- 機械式自動変速機(AGS)において、オイルポンプ駆動用モータのブラシ材質が不適切なため、高温、高湿条件においてブラシが膨張し、摺動不良となるものがあります。そのままの状態で使用を続けると、最悪の場合、ブラシが固着してモータが通電不良により作動しなくなり、警告灯が点灯するとともに変速不能及び走行不能となるおそれがあります。
としている。最悪走行不能になるケースもあるようなのでリコール対象車種の場合はかならず近くのディーラーでの無料整備を受けることを強くすすめる。
このリコールでは対象車種のアクチュエータを点検し、不具合に該当する場合は
①クラッチケーブルを対策品に交換
②オイルポンプとオイルポンプ駆動用モータを対策品に交換
③オイルポンプ駆動用モータを対策品に交換
の無料実施を行う。
対象車種は
- DS17V-100002 ~ DS17V-114424で、製造年が平成27年3月2日~平成29年4月28日
(11,383台) - DS17V-250001 ~ DS17V-262317で、製造年が平成29年5月8日~令和元年6月3日
(4,764台) - DS17V-420003 ~ DS17V-429634で、製造年が令和元年6月4日~令和3年8月28日
(1,387台) - DS17V-570119 ~ DS17V-572737で、製造年が令和3年9月16日~令和4年3月28日
(296台) - DS17V-610015 ~ DS17V-611564で、製造年が令和4年3月29日~令和4年8月8日
(117台)
なお、5MTモデルや4ATモデルは対象外となり、すべて5AGSのみが今回のリコール対象。
兄弟モデルのNV100クリッパーでも同様のリコールが出ているが、三菱バージョンはエブリイ、NV100クリッパー、スクラムバンよりも台数が少なめ。
6代目ミニキャブバンのインテリア
出典:三菱認定中古車
インパネ。商用モデルのためベーシックなカラーだが、機能性を重視したデザインとなっている。
8代目からはエブリイと同じく新たな収納スペースとしてインパネドリンクホルダーやセンターミドルトレー、フロントドアポケットなどを追加。
出典:三菱認定中古車
全グレードでハイルーフ仕様となり、Mグレードを除いて運転席の天井部分には収納スペースのオーバーヘッドシェルフ(2022年4月以降はオーバヘッドコンソールに改良)が付く。
2021年9月の一部改良でUSB電源ソケットも追加された(※Mグレードは非装備)。
出典:スズキ認定中古車
スピードメーター。Mグレードではシンプルな1眼タイプ。エブリイと共通品。
出典:スズキ認定中古車
ターボ仕様のブラボーターボではタコメーター付き3眼式メーターを採用。
出典:スズキ認定中古車
2019年7月の一部改良以降は、右側の燃料残量計をデジタル化&マルチインフォメーションディスプレイに改良。加えて自然吸気エンジンで自動ブレーキを備えたブラボーにも標準装備化。
2022年4月の一部改良ではGグレードでもこの3眼式メーターが標準装備となった。
出典:三菱認定中古車
ステアリングはウレタンステアリング。エアコンは全グレードでマニュアル式エアコン。ミニキャブバン仕様としてはステアリングのオーナメントがスリーダイヤになる程度で、あとはエブリイと同じ。
パートタイム4WD車ではシフトノブとなりの4WDスイッチをON・OFFにすることで2WDと4WDを任意に切り替えて使う。
ATと5MTのシフトレバー。インパネシフトのためMTでもこの位置となる。
5AMTではDモード時に左に倒すとATのマニュアルモードのようにシフトアップやシフトダウンを任意に選択可能となる。
2024年3月の6型改良以降のCVT仕様ではパートタイム4WDが電子制御式4WDに変更となり、「2WD」、「4WDオート」、「4WDロック」の3種類を切りかられるようになり、タイトコーナーブレーキング現象が発生しずらく扱いやすくなった。
出典:三菱認定中古車
フロントシートはセパレートタイプ。Mグレードではヘッドレスト一体型シートを採用し、生地もビニール素材が用いられる。さらにドアトリムクロスは非装備。
出典:三菱認定中古車
Gとブラボー系グレードではタウンボックスと同じシート形状に加えてファブリック生地を採用。商用モデルといえばヘッドレスト一体型のチープなシートが基本のため、この部分はGグレード以上の特徴である。
出典:三菱認定中古車
MとGリアシート。軽バンらしいヘッドレスト無しの質素な一体可倒式シートとなる。Mグレードではシート表皮がビニールレザーのため、よりチープ感があるが、配送など普段は倒して使うことがメインの軽バンゆえに特に問題は無い。
MとGではリアガラスも手動開閉式でコストカットがなされる。
出典:三菱認定中古車
ブラボー系リアシート。こちらもフロント同様にジョイン系では乗用モデルの左右分割型シートが採用。ドアトリムクロスも付く。
他の商用グレードでは一体可倒式かつヘッドレスト非装備のとりあえず的なシートが付いているためフロントシート同様にこの点もジョイン系グレードの特徴である。
また、リアガラスはパワーウィンドウを採用し、MやGグレードよりもコストがかけられる
出典:スズキ認定中古車
ただし、リアシートはバン仕様のためスライド機構とリクライニング機構は非装備となる。
出典:三菱認定中古車
MとGのラゲッジスペース。
出典:スズキ認定中古車
ブラボー系のラゲッジルーム。軽ワンボックスらしい広大な荷室を確保。
出典:スズキ認定中古車
ブラボー系グレードはリアシートに左右分割式シートを採用しているため、このように片側のみ倒して荷室長を長くできる。乗用モデルに近いシートアレンジが可能だ。
出典:三菱認定中古車
MとGのリアシートを倒した状態。
出典:スズキ認定中古車
ブラボー系のリアシートをすべて倒した状態。
まとめ
出典:三菱認定中古車
8代目ミニキャブバンは6代目エブリイの改良点が適用され、新型エンジン、さらに広くなった室内、スタイリッシュな外観、使い勝手が向上した収納スペース、自動ブレーキ搭載など、全方面でアップグレードがなされたフルモデルチェンジとなった。
エブリイとの違いはエンブレムやグレード展開、ロールーフが無い程度でほぼエンブレム違いのモデルであるが、長年三菱からミニキャブバンを買っている人はやはり三菱から軽バンを買いたいもの。
三菱としても軽バンのミニキャブバンをラインナップに入れ続けることでそういった需要に答えられ、かつスズキ側も生産台数が増えてコスト削減につながる。Win-WinのOEM提携モデルである。
また、OEMモデルの中では日産・NV100クリッパーよりも販売台数が少ないため他人と被りづらい特徴もある。あえてエブリイやNV100じゃなくてミニキャブバンを選ぶのも悪くない。
兄弟モデル 日産・NV100クリッパー、マツダ・スクラムバン
エブリイは三菱自動車へ8代目ミニキャブバンとしてOEM供給する以外に、日産自動車へは3代目・NV100クリッパー、マツダ自動車には5代目・スクラムバンとしてもOEM供給している。
このためエブリイ・ミニキャブバン・NV100クリッパー・スクラムバンで4兄弟モデルとなっており、ライバルのダイハツ・ハイゼットカーゴのOEM、スバル・サンバーバン、トヨタ・ピクシスバンとの関係に近い。
かつては軽ワンボックスバンは軽自動車を手掛ける各メーカーが自社で開発・生産を行っていたが、近年ではホンダを除き三菱もスバルも自社生産から撤退。OEM供給を受けての販売に移行している。
コメント